CP+2018 今年もSony α7RIII vs 中判カメラ、フジフィルムGFX-50S
今年のCP+は以下の3つにフォーカスして情報収集しました。
1、ソニーαの活用へのヒントと最新情報
2、交換レンズ、特に中国製レンズの情報
3、フジフィルム中判デジタルカメラ、GFX 50Sは買いか? 買いのタイミングはいつか?
1、ソニーαの活用へのヒントと最新情報
昨年のCP+2017に続いて、柏倉陽介が写真を撮り、この光景を打田武史がプロモーション動画とするという、コンビの講演を聞きました。今度は小笠原での撮影です。写真は当方と同じ、Sony α7RIIIでの撮影。柏倉氏のネーチャーフォトがSony α9ではなくSony α7RIII 中心に撮影されていたことに、成熟したSony α7RIII への信頼を感じました。やはり高画素数とAFや連写の高速化、そして高感度特性の向上がこの成熟・信頼を生んでいることが感じられます。これは当方のSony α7RIII に対するこれまで使ってきた感想と一致します。Sony α9はまだ初期トラブル/練れていない部分が取りざたされており、もう少し待ちましょう。現状、ハイアマ用カメラはニコン・キャノンと比較してもSony α7RIIIがベストバイと思います。
残念ながら、Sony α9のプレゼンは聞けませんでした。プレゼン自体がとても少なかったように思うのです。Sony α7RIII より前に発売されているのに、これも不思議です。現状では、ソニー自体があるいは写真家がSony α7RIII の方をより信頼しているのかな??
柏倉氏は目的地に行く途中で何気なく撮った写真であるが、これがベストショットと言っていましたが、当方もこのような写真が最も好きな写真の一つです。
柏倉氏はシーカヤックで撮影、打田氏がそれをドローンにSony α7RIIIを載せて撮影しています。柏倉氏のスチール写真と、打田氏の動画がほとんど同じ画質・色調で表現されることを打田氏が称賛しています。
ドローンによるフルサイズ撮影
Sony α7RIIIの機動性を称賛するショット。
小笠原に行きたいな。片道、船で25時間を乗り切る意欲が無くならない内に。
これは高橋裕也氏のポートレート作品の一枚。Sony α7RIIIの白の階調性のメリットを追っています。
2、交換レンズ、特に中国製レンズの情報
当方は中国製のLaowaに大変興味があります、当方はまず最初にこのブースを尋ねました。会社の設立者は熱心なフォトグラファーたち。マクロ撮影が大好きで自分たちの欲しい最高のマクロレンズを作るために2013年に会社を設立しましたとあります。こんなレンズがあったらいいなと思うレンズをLaowaが作っているのです。中国製レンズ、サムヤンと違って、Laowaは高品質・高価格帯をねらっています。
いくつかの広角レンズ、15mm F4, 15mm F2, 12mm F2.8, 3本を発売しています。ソニー・フルサイズマウントもあります。当方の興味はどこまで被写体に近づけるかです。ソニー・マウントでワーキング・ディスタンス(レンズ前面から被写体までの距離)は15mm F4が0,47cmと圧倒的に近寄れます(Wide Macroという名前がついています)。これは実際にブースで確かめました。15mm F2, 12mm F2.8はいずれも5cmくらいで、これも他のレンズよりは圧倒的に近寄れますが、なんといっても15mm F4の0,47cmが魅力的。ほとんど被写体とレンズは接触する状態まで近寄れます。シフト機能搭載も搭載しており、デストレーションをまっすぐに修正できます(当方はシフト機能に興味ありません、広角レンズはデストレーションがあるから面白いのです)。 他の2つはシフト機構無しで、極めてZEROに近いディストーションをうたっています。マクロレンズも面白い。60mm F2.8 MACROはマクロ撮影で、0.1倍から2倍(1:2)の範囲で撮影可能。エクステンションチューブやテレコンバーターを使用しなくても倍率を可変でき、シチュエーションに合わせ瞬時に倍率を変更できます。これも、これまでのマクロの問題点を解消しています。遠景、マクロ、さらに超マクロまでを切り替えることができるのです。マクロは遠景がまともに撮れないので、遠景が撮れるマクロを探しまわったこと、またマクロが不十分でさらに接写リングを付けたりはずしたりして撮影したこと等々これまで当方が苦労してきたことが、これ一本で解決できるかもしれません。105mm F2 ‘The Bokeh Dreamer’は魅力的ボケをたたき出すアポダイゼーションフィルターを持ち、フィルターをかましてもF3.2と明るく、10万円切る値段で買える。ちなみに、ソニーのアポダイゼーションフィルター付きレンズ、FE 100mm F2.8 STF GM OSS.は14万円、フィルターをかますとF5.6と暗い。
LAOWA 15mm F4 Wide Angle Macro with Shift
さらに面白いのは、ファイバースコープから生まれたRelay lens。最大撮影倍率が2倍。その長い形状から撮影の難しい場所、例えば岩のすきま、アリの巣などを撮影できます。また水中の撮影も可能。防水キャップの先端にはLEDライトが付いています。
当方ばかりでなく、結構、ヒトが集まっていました。中国製だからと毛嫌いしないで、内容が面白ければ人は集まるものだと思いました。
つぎはZeissのブース。まずは、かわいいお姉さんが持つ3Dビュアー(と思うのですが)で客を集めています。 当方は興味ないので通り過ぎ。Zeiss はTouit, Loxia, Batis, Milvus, Otusと並びます。Milvus, Otusはソニーマウントが無いのですが、ニコンマウントこそが、ヘリコイド付レンズアダプター(KIPON N/G-S/E Mレンズアダプター)を用いた超接近を可能としてソニーミラーレスで活躍できるのです。しかし、手に持って、値段は無論、その重さに最初から戦闘意欲を消失。Touit、3種はすでに全て持っていて、非常に満足しています。 ソニーマウントAFであるBatisは18mm を買いましたが、いろいろ疑問があって、現在その後、25mmへの展開計画がスロ-ダウン。今回は以前興味なかったLoxiaを重点的にいじりました。21mm, 25mm, 35mm, 50mm, 85mmいずれも興味あります。ZeissはやっぱりMFだよ。Loxiaは軽量小型でZeiss画質をたたき出しているのがいい。当方の軽量化の流れにLoxiaは考慮の対象となると思いました。
Loxia 2/50
次はコシナのブースへ。
ここで興味があったのは、コシナ・フォクトレンダーHELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6。コシナ・フォクトレンダーの超広角レンズはこれ以外にULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 IIIとSUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 IIIがある。当方はULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6の一つ前のバージョンIIを持っているが、バージョンがIIIとなっても暗いのはかわらない。いずれのレンズもやっぱり暗いのがつらい。Laowaなどの中国製が明るい超広角レンズや個性的レンズを出してきて、またZeissがAM, FM種々様々なレンズを次々にしてきて、高級レンズ分野は競争が激しくなり。コシナは一時のようなSonyαが生み出したミラーレス特需が減少しているように見える。もっとも、出口のメーカー名は色々違っても、実際作っているのはコシナかもしれないので、裏で儲けているかもしれない。
当方が最もビックリしたのは VM-E Close Focus Adapterと組み合わせて使うことを前提としたレンズHELIAR (ヘリアー)40mm F2.8。 沈胴スタイルの超小型レンズ(132g)。超小型、超軽量ですが、VM-E Close Focus Adapterが必須(レンズにはヘリコイドが付いていなくて、このアダプタヘリコイドで焦点をあわせる)ですから、アダプター重量を足して+120g=252gとなり、 一般的な50mmレンズと同じ重さになってしまいます。 認知度の低い、ほとんど市場に出まわらないレンズで、気にはしていましたが、購入の検討をしたことなかったのです。しかし、実際に覗いてみるとこのレンズはビックリするような不思議な立体感を生み出します。HELIAR (ヘリアー)40mm F2.8は4万円くらい。しかし、必須のVM-E Close Focus Adapterが3万円くらいしますから、合計すれば決して安いレンズではありませんが、すでにVM-E Close Focus Adapterを持っている者にとっては、これはぜひ手に入れたい、とっても興味あるレンズです。ほんとマニアックの極地だよ。
HELIAR (ヘリアー)40mm F2.8
当方がなぜレンズを探し回るかというと、ヒトと違う写真を撮る近道だから、新しい色と形を発見する一つの手段だから。超広角レンズを使いこなしている方はまだまだ少ないと思いますよ。超広角レンズと超マクロレンズでの超接近撮影が当方のテーマの一つなのです。
3、フジフィルム中判デジタルカメラ、GFX 50Sは買いか? 買いのタイミングはいつか?
最後に、いよいよフジフィルムのコーナーへ。 小松ひとみ氏の自然からの贈り物というプレゼンを聞きました。この方の目的はフジフィルムの新製品カメラX-H1の宣伝なのですが、スライドの1/3はフィルム撮影の絵でした。フィルムで育ったカメラマンがデジタルに移って、ずいぶんと時間が経っているのですが、このような写真家の絵はフィルムカメラの絵とデジタルカメラの絵にいまだギャップを感じるのです。だからこそ、彼らはどうしてもフィルム撮影の写真を出してしまうのでしょう。申し訳ないが、彼らの絵はフィルム撮影のほうが全然いい。事前に練りに練ってプランを立て、現場でも練りに練ってワンショットを作り上げるフィルム撮影と、なんの障害もなくスパスパ撮りまくれるデジタル撮影は本質的にとり方が違ってくるはずです。フィルム育ちのカメラマンはデジタルカメラになって急に制限がなくなると、昔の練りに練ってというスタイルをとれなくなり、といってデジタルむきの新しいスタイルもとれず、なんとなく中途半端な作風に陥っているように見えます。しかし、最後の写真のように、さすがにプロはデジタルカメラに順応しつつあるように見えます。
何度もいいますが、フィルムカメラの良さを再現しようとする方向はフジフィルム・デジタルカメラ自体に関してはいい影響を与えていると思えます。しかし、フジフィルムのプレゼンで登場する写真家はフィルム時代の付き合いから選ばれてくるのでしょうし、フジフィルム主催の写真展はフィルム時代の付き合いの審査員が選ぶのでしょうから、フィルム感覚とデジタル感覚のギャップがもろに見えてきます。これが、当方には決していい印象を与えないのです。フィルム時代の感覚を引きずった写真家のプレゼンはどうしてもしっくりこない。彼らがデジタルカメラに順応するのにもう少し時間が必要なのでしょうか?
フィルム
フィルム
フィルム
中判カメラ、フジフィルムGFX-50S
このような全面細密な表現がGFX50Sに向いているように思える。
フジフィルムX-H1
やっとデジタルカメラに順応してきたかなと思える絵。
次に辰野 清氏 <FUJIFILM GFX50Sが魅つめた風景>
著名な写真家であり、素晴らしい写真であるのですが、どうしてもFUJIFILM GFX50Sの優位性の表現が迫ってこないのです。この方もフィルムカメラ出身で、まだ本当にデジタル中判カメラを使いこなしていないのでないかと思ってしまう。
この写真はトークショウの写真ではなく、GFX50S用の立て看板です。この看板や、トークショウから推測するにGFX50S中判カメラの魅力を引き出す光景の一つは、細かい葉っぱや花の集合体、全体を細密に描写することにあるように思えます。辰野清氏は中判カメラの階調性や高感度におけるノイズの低さ、画面全体にわたる細密性を述べています。その通りと思いますし、それを表す絵を示しているのですが、<オー>という驚きを持って見られる写真が少ない。GFX50Sそのものがその程度なのか、写し手がGFX50Sを使いこなしていないのか? Sonyα7RIIIのシーカヤックからドロ-ンまで持ち出した柏倉氏らのプレゼンに比べて、過去の延長線上から突き抜けない旧体然としたフジフィルムのプレゼンは不満です。
デジタルカメラはメカ的にフィルムカメラ画質に回帰しようとするのは、フィルムカメラの方がある面で画質がいいのですから、その方向はOKです。しかし、デジタルカメラの使い方をフィルムカメラに回帰するのでは意味ないと思うのです。
それでも当方はGFX50Sを買いだと思っています。命をすり減らしたに違いない4か月にわたる直近のバルキーな仕事を完成させて、当面の資金、100万円を用意しました。最近はソニーよりフジフィルムの色調に魅かれるし、ソニー中判カメラの噂も一向に伝わってこない、GFX50Sに手振れ補正が付くのもそう遠くはないかもしれないが、といって、まだ新バージョン発売には1年以上先になるだろうし、花鳥風月用カメラは不便な方がいい写真が撮れるという気もするし。どのタイミングで100万円をなげだしたらいいのか? 今回のCP+のトークショウでは明日にでも買おうという気にはさせてくれず、いまだぐずぐずしています。
FUJIFILM GFX50S
CP+2018レポートは以上です。
今年のCP+は以下の3つにフォーカスして情報収集しました。
1、ソニーαの活用へのヒントと最新情報
2、交換レンズ、特に中国製レンズの情報
3、フジフィルム中判デジタルカメラ、GFX 50Sは買いか? 買いのタイミングはいつか?
1、ソニーαの活用へのヒントと最新情報
昨年のCP+2017に続いて、柏倉陽介が写真を撮り、この光景を打田武史がプロモーション動画とするという、コンビの講演を聞きました。今度は小笠原での撮影です。写真は当方と同じ、Sony α7RIIIでの撮影。柏倉氏のネーチャーフォトがSony α9ではなくSony α7RIII 中心に撮影されていたことに、成熟したSony α7RIII への信頼を感じました。やはり高画素数とAFや連写の高速化、そして高感度特性の向上がこの成熟・信頼を生んでいることが感じられます。これは当方のSony α7RIII に対するこれまで使ってきた感想と一致します。Sony α9はまだ初期トラブル/練れていない部分が取りざたされており、もう少し待ちましょう。現状、ハイアマ用カメラはニコン・キャノンと比較してもSony α7RIIIがベストバイと思います。
残念ながら、Sony α9のプレゼンは聞けませんでした。プレゼン自体がとても少なかったように思うのです。Sony α7RIII より前に発売されているのに、これも不思議です。現状では、ソニー自体があるいは写真家がSony α7RIII の方をより信頼しているのかな??
柏倉氏は目的地に行く途中で何気なく撮った写真であるが、これがベストショットと言っていましたが、当方もこのような写真が最も好きな写真の一つです。
柏倉氏はシーカヤックで撮影、打田氏がそれをドローンにSony α7RIIIを載せて撮影しています。柏倉氏のスチール写真と、打田氏の動画がほとんど同じ画質・色調で表現されることを打田氏が称賛しています。
ドローンによるフルサイズ撮影
Sony α7RIIIの機動性を称賛するショット。
小笠原に行きたいな。片道、船で25時間を乗り切る意欲が無くならない内に。
これは高橋裕也氏のポートレート作品の一枚。Sony α7RIIIの白の階調性のメリットを追っています。
2、交換レンズ、特に中国製レンズの情報
当方は中国製のLaowaに大変興味があります、当方はまず最初にこのブースを尋ねました。会社の設立者は熱心なフォトグラファーたち。マクロ撮影が大好きで自分たちの欲しい最高のマクロレンズを作るために2013年に会社を設立しましたとあります。こんなレンズがあったらいいなと思うレンズをLaowaが作っているのです。中国製レンズ、サムヤンと違って、Laowaは高品質・高価格帯をねらっています。
いくつかの広角レンズ、15mm F4, 15mm F2, 12mm F2.8, 3本を発売しています。ソニー・フルサイズマウントもあります。当方の興味はどこまで被写体に近づけるかです。ソニー・マウントでワーキング・ディスタンス(レンズ前面から被写体までの距離)は15mm F4が0,47cmと圧倒的に近寄れます(Wide Macroという名前がついています)。これは実際にブースで確かめました。15mm F2, 12mm F2.8はいずれも5cmくらいで、これも他のレンズよりは圧倒的に近寄れますが、なんといっても15mm F4の0,47cmが魅力的。ほとんど被写体とレンズは接触する状態まで近寄れます。シフト機能搭載も搭載しており、デストレーションをまっすぐに修正できます(当方はシフト機能に興味ありません、広角レンズはデストレーションがあるから面白いのです)。 他の2つはシフト機構無しで、極めてZEROに近いディストーションをうたっています。マクロレンズも面白い。60mm F2.8 MACROはマクロ撮影で、0.1倍から2倍(1:2)の範囲で撮影可能。エクステンションチューブやテレコンバーターを使用しなくても倍率を可変でき、シチュエーションに合わせ瞬時に倍率を変更できます。これも、これまでのマクロの問題点を解消しています。遠景、マクロ、さらに超マクロまでを切り替えることができるのです。マクロは遠景がまともに撮れないので、遠景が撮れるマクロを探しまわったこと、またマクロが不十分でさらに接写リングを付けたりはずしたりして撮影したこと等々これまで当方が苦労してきたことが、これ一本で解決できるかもしれません。105mm F2 ‘The Bokeh Dreamer’は魅力的ボケをたたき出すアポダイゼーションフィルターを持ち、フィルターをかましてもF3.2と明るく、10万円切る値段で買える。ちなみに、ソニーのアポダイゼーションフィルター付きレンズ、FE 100mm F2.8 STF GM OSS.は14万円、フィルターをかますとF5.6と暗い。
LAOWA 15mm F4 Wide Angle Macro with Shift
さらに面白いのは、ファイバースコープから生まれたRelay lens。最大撮影倍率が2倍。その長い形状から撮影の難しい場所、例えば岩のすきま、アリの巣などを撮影できます。また水中の撮影も可能。防水キャップの先端にはLEDライトが付いています。
当方ばかりでなく、結構、ヒトが集まっていました。中国製だからと毛嫌いしないで、内容が面白ければ人は集まるものだと思いました。
つぎはZeissのブース。まずは、かわいいお姉さんが持つ3Dビュアー(と思うのですが)で客を集めています。 当方は興味ないので通り過ぎ。Zeiss はTouit, Loxia, Batis, Milvus, Otusと並びます。Milvus, Otusはソニーマウントが無いのですが、ニコンマウントこそが、ヘリコイド付レンズアダプター(KIPON N/G-S/E Mレンズアダプター)を用いた超接近を可能としてソニーミラーレスで活躍できるのです。しかし、手に持って、値段は無論、その重さに最初から戦闘意欲を消失。Touit、3種はすでに全て持っていて、非常に満足しています。 ソニーマウントAFであるBatisは18mm を買いましたが、いろいろ疑問があって、現在その後、25mmへの展開計画がスロ-ダウン。今回は以前興味なかったLoxiaを重点的にいじりました。21mm, 25mm, 35mm, 50mm, 85mmいずれも興味あります。ZeissはやっぱりMFだよ。Loxiaは軽量小型でZeiss画質をたたき出しているのがいい。当方の軽量化の流れにLoxiaは考慮の対象となると思いました。
Loxia 2/50
次はコシナのブースへ。
ここで興味があったのは、コシナ・フォクトレンダーHELIAR-HYPER WIDE 10mm F5.6。コシナ・フォクトレンダーの超広角レンズはこれ以外にULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 IIIとSUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 IIIがある。当方はULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6の一つ前のバージョンIIを持っているが、バージョンがIIIとなっても暗いのはかわらない。いずれのレンズもやっぱり暗いのがつらい。Laowaなどの中国製が明るい超広角レンズや個性的レンズを出してきて、またZeissがAM, FM種々様々なレンズを次々にしてきて、高級レンズ分野は競争が激しくなり。コシナは一時のようなSonyαが生み出したミラーレス特需が減少しているように見える。もっとも、出口のメーカー名は色々違っても、実際作っているのはコシナかもしれないので、裏で儲けているかもしれない。
当方が最もビックリしたのは VM-E Close Focus Adapterと組み合わせて使うことを前提としたレンズHELIAR (ヘリアー)40mm F2.8。 沈胴スタイルの超小型レンズ(132g)。超小型、超軽量ですが、VM-E Close Focus Adapterが必須(レンズにはヘリコイドが付いていなくて、このアダプタヘリコイドで焦点をあわせる)ですから、アダプター重量を足して+120g=252gとなり、 一般的な50mmレンズと同じ重さになってしまいます。 認知度の低い、ほとんど市場に出まわらないレンズで、気にはしていましたが、購入の検討をしたことなかったのです。しかし、実際に覗いてみるとこのレンズはビックリするような不思議な立体感を生み出します。HELIAR (ヘリアー)40mm F2.8は4万円くらい。しかし、必須のVM-E Close Focus Adapterが3万円くらいしますから、合計すれば決して安いレンズではありませんが、すでにVM-E Close Focus Adapterを持っている者にとっては、これはぜひ手に入れたい、とっても興味あるレンズです。ほんとマニアックの極地だよ。
HELIAR (ヘリアー)40mm F2.8
当方がなぜレンズを探し回るかというと、ヒトと違う写真を撮る近道だから、新しい色と形を発見する一つの手段だから。超広角レンズを使いこなしている方はまだまだ少ないと思いますよ。超広角レンズと超マクロレンズでの超接近撮影が当方のテーマの一つなのです。
3、フジフィルム中判デジタルカメラ、GFX 50Sは買いか? 買いのタイミングはいつか?
最後に、いよいよフジフィルムのコーナーへ。 小松ひとみ氏の自然からの贈り物というプレゼンを聞きました。この方の目的はフジフィルムの新製品カメラX-H1の宣伝なのですが、スライドの1/3はフィルム撮影の絵でした。フィルムで育ったカメラマンがデジタルに移って、ずいぶんと時間が経っているのですが、このような写真家の絵はフィルムカメラの絵とデジタルカメラの絵にいまだギャップを感じるのです。だからこそ、彼らはどうしてもフィルム撮影の写真を出してしまうのでしょう。申し訳ないが、彼らの絵はフィルム撮影のほうが全然いい。事前に練りに練ってプランを立て、現場でも練りに練ってワンショットを作り上げるフィルム撮影と、なんの障害もなくスパスパ撮りまくれるデジタル撮影は本質的にとり方が違ってくるはずです。フィルム育ちのカメラマンはデジタルカメラになって急に制限がなくなると、昔の練りに練ってというスタイルをとれなくなり、といってデジタルむきの新しいスタイルもとれず、なんとなく中途半端な作風に陥っているように見えます。しかし、最後の写真のように、さすがにプロはデジタルカメラに順応しつつあるように見えます。
何度もいいますが、フィルムカメラの良さを再現しようとする方向はフジフィルム・デジタルカメラ自体に関してはいい影響を与えていると思えます。しかし、フジフィルムのプレゼンで登場する写真家はフィルム時代の付き合いから選ばれてくるのでしょうし、フジフィルム主催の写真展はフィルム時代の付き合いの審査員が選ぶのでしょうから、フィルム感覚とデジタル感覚のギャップがもろに見えてきます。これが、当方には決していい印象を与えないのです。フィルム時代の感覚を引きずった写真家のプレゼンはどうしてもしっくりこない。彼らがデジタルカメラに順応するのにもう少し時間が必要なのでしょうか?
フィルム
フィルム
フィルム
中判カメラ、フジフィルムGFX-50S
このような全面細密な表現がGFX50Sに向いているように思える。
フジフィルムX-H1
やっとデジタルカメラに順応してきたかなと思える絵。
次に辰野 清氏 <FUJIFILM GFX50Sが魅つめた風景>
著名な写真家であり、素晴らしい写真であるのですが、どうしてもFUJIFILM GFX50Sの優位性の表現が迫ってこないのです。この方もフィルムカメラ出身で、まだ本当にデジタル中判カメラを使いこなしていないのでないかと思ってしまう。
この写真はトークショウの写真ではなく、GFX50S用の立て看板です。この看板や、トークショウから推測するにGFX50S中判カメラの魅力を引き出す光景の一つは、細かい葉っぱや花の集合体、全体を細密に描写することにあるように思えます。辰野清氏は中判カメラの階調性や高感度におけるノイズの低さ、画面全体にわたる細密性を述べています。その通りと思いますし、それを表す絵を示しているのですが、<オー>という驚きを持って見られる写真が少ない。GFX50Sそのものがその程度なのか、写し手がGFX50Sを使いこなしていないのか? Sonyα7RIIIのシーカヤックからドロ-ンまで持ち出した柏倉氏らのプレゼンに比べて、過去の延長線上から突き抜けない旧体然としたフジフィルムのプレゼンは不満です。
デジタルカメラはメカ的にフィルムカメラ画質に回帰しようとするのは、フィルムカメラの方がある面で画質がいいのですから、その方向はOKです。しかし、デジタルカメラの使い方をフィルムカメラに回帰するのでは意味ないと思うのです。
それでも当方はGFX50Sを買いだと思っています。命をすり減らしたに違いない4か月にわたる直近のバルキーな仕事を完成させて、当面の資金、100万円を用意しました。最近はソニーよりフジフィルムの色調に魅かれるし、ソニー中判カメラの噂も一向に伝わってこない、GFX50Sに手振れ補正が付くのもそう遠くはないかもしれないが、といって、まだ新バージョン発売には1年以上先になるだろうし、花鳥風月用カメラは不便な方がいい写真が撮れるという気もするし。どのタイミングで100万円をなげだしたらいいのか? 今回のCP+のトークショウでは明日にでも買おうという気にはさせてくれず、いまだぐずぐずしています。
FUJIFILM GFX50S
CP+2018レポートは以上です。