小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

アイスランドの旅 その5 レイキャビック

2019-09-17 11:06:55 | 旅行
アイスランドの旅 その5  2019-8-31 最終日
今日は最初に、行きにくい郊外のアウルバイル野外博物館にチャレンジする。これは家内がアメリカ・ボストンで、プリマスプランテーション歴史ミュージアムを訪ねた時の印象が強く影響しています。17世紀、アメリカへの移住者が上陸したマサチューセッツ州プリムスにプリマス・プランテーションを再現した歴史ミュージアムがあって、そこで当時の生活を再現しているのです。当時の衣装を身につけたスタッフたちが当時の古い言葉をはなし、当時の生活をそのまま行っている。この時はツアーでなくて、勝手にバスでいったので、結構苦労したのですが、充実した施設で、大変印象的でした。アウルバイル野外博物館もきっとそんな感じだろうと思ったのです。フレンムル、バスターミナルから12番で45分くらいかかって着きます。現地のお兄さんが急行バスでいって、一駅歩いた方が早いと教えてくれたのですが、早く行っても開いていないので、鈍行で行きました。プリマスプランテーション歴史ミュージアムとはスケールが違いますが、そりゃ国のスケールが違うからしょうがない。結論は、当時の衣装を身に着けたガイドのおじさん、おばさん、若い女の子のキャラクターの魅力に尽きます。いかにも、ノルマンから移住してきた、当時のキャラクターの代表のような方がよりすぐられて働いています。屋根にわざわざ草をはやして寒さを防ぐ家とか、家畜と同居して寒さを防ぐとか移住当時のまずしい苦難の道がつづられています。北欧神話やワーグナーの痕跡は見つけられなかったのですが、これはこれでいいんじゃないですか。


Fujifilm X-T3 + Zeiss touit 12mm


Fujifilm X-T3 + Zeiss touit 12mm


Fujifilm X-T3 + Zeiss touit 12mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

このおじさんは野外博物館の名物ガイドさん。


Fujifilm X-T3 + Zeiss touit 12mm


Fujifilm X-T3 + Zeiss touit 12mm


スマホ


Canonμ

アイスランドのお土産に、ずっとニット帽を探していたのですが、高いわりに使えそうなものが見つけられないでいました。ここのショップで、ここのガイドさんの手作りというニット帽を買ってしまいました。7000円もしましたが、冬のカワセミ撮影で我慢大会をする時に耳をカバーするニット帽は使えるかもしれないと思って買ってしまいました。きっといい記念になるでしょう。

町中、フレンムルに戻って、またバスで国立博物館に行きます。ここでも北欧伝説やワーグナーの痕跡は見つかりませんでした。ここではアイスランドのキリスト教への改宗の影響の大きさを見せつけられました。キリスト教への改宗のせいかどうかはわかりませんが、それ以前の古いアイスランドの歴史を表す物的遺物そのものが殆ど無いので、我々の目的にあう展示は有りようがないのです。
当方は小さい時からの教育で、キリスト教は善であり、その他の宗教、例えばイスラム教やユダヤ教は悪のように教えられてました。しかし、世界を旅すると、キリスト教こそ世界の土着の文化を破壊するどうしようもない存在のような気がしてくるのです。権威を振りかざすゴシック建築教会がヨーロッパから周囲へ拡大してゆく様、すばらしい土着の文化が消されてゆく様に当方は舌打ちします。キリスト教がストイックに他の宗教を認めないという性格と、 キリスト教圏の国々の獰猛な攻撃性がこうさせるのです。 日本がキリスト教禁止令を施行したのは正しい断行だったのでしょう。

次にアイスランド国立美術館に向かいます。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

アイスランド国立美術館では特に気を引く作品には出会わなかったのですが、
1956年にレイキャビックうまれで、ニューヨークで活躍してレイキャビックに帰ってきた、Hulda Hakonの回顧展をたまたまやっていて、この回顧展の彼女の作品は当方にとっても意味がありました。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

同じような図形の繰り返しによる強い印象付け、絵画と彫刻のクロスオーバーである、平面立体(レリーフ)、額まで使った表現、これらはちょうどここに来る前に作り始めた当方の陶器コンセプトだったのです。Hulda Hakonの作品を見て、当方の現在の方向性に確信が持てるようになりました。当初アイスランドに期待した、特異なアートとは言えないかもしれませんが、直近の当方の課題に直球の回答を得たのです。
アイスランド国立美術館のあと、近くの現代アートの美術館、レイキャビック美術館へ入ります。面白くないとは言いませんが、特にここで述べることはありません。新しいアートは、情報交流が発達した現代では、単に世界中にある既存概念の打破というジェネラルな方向になって、アイスランドの特異なアート感覚が希釈されてしまうのかもしれません。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

レイキャビック美術館のラウンジにエッロという方の本がおいてありました。これが一番アイスランドで有名な現代アーティストらしい。


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm

国際空港の壁に大きく飾ってあった絵がエッロの絵でした。ネットでも情報がなくて、詳細わからず。当方のさがしているアイスランドの特異なアートとは思えないのですが、まあいいんじゃないですか。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm レイキャビックの真ん中にあるチョルトニン湖


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

レイキャビック美術館に行く途中は、チョルトニン湖、市庁舎、国会議事堂などの目玉スポットがならんでいます。湖畔にある、目立つ彫刻はマグナス・トマソン(Magnús Tómasson)の政治的な作品「無名の官僚へのモニュメント(Monument to an Unknown Bureaucrat)」だそうです。我々に写真をとってくれと頼んだ外人観光客はロック・マンといっていました。

美術館の後に訪れた最終地、オスキュフリズ(Öskjuhlíð)の丘のペルトラン。これはレイキャビックの町中に地熱で温めた温水を送るドーム状の給水施設です。2017年には氷河洞窟を模した博物館がオープンし、展望デッキからは無料でレイキャビクの町が一望できます。時間の無い我々はアイスランドの本当の自然に接するチャンスは微々たるものです。そこで、このペルトランで、氷河とオーロラを体験してしまおうと思ったのです。我々みたいなちょこっとアイスランド観光という方にはぜひ訪れるべきスポットでしょう。アイスランドの自然がまるわかりします。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Canonμ

ペルトラン入り口のトールビョーグ・パルスドッティル作「ダンスライクール/ダンス」(1970年製作)。これまたアイスランド彫刻のおかげで、彫刻の意味を教えられました。
ペルトランの氷河洞窟とオーロラ・プラネタリウムを体験すると計5000円かかります。しかし、ペルトランはアイスランドの自然を知るには、必見の場所でした。ここで得られるものを、実際に体験しようと思ったら、これは大変な労力が必要なのです。

ペルトランでのアイスランドの自然探求はまた明日。
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