小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

新幹線途中下車の旅 瀬戸 その3

2012-08-08 19:33:59 | 旅行
新幹線途中下車の旅 瀬戸  その3

次は柿右衛門。ヨーロッパの王侯貴族の要求に対応して、柿右衛門窯から始まった柿右衛門窯様式のベースは、1670年代に始まった、傷もゆがみもない完ぺきな乳白色素地の完成です。濁し手(ニゴシデ)と呼ばれる乳白色で温かみのある素地を生かしながら、繊細優雅な色絵を施したものが、典型的柿右衛門窯様式です。染付や黒の輪郭線が無いのが特徴で、この様式が有田全体に広がった。ヨーロッパで大変な人気であった。1690年代に柿右衛門窯が急速に消滅したために、それを補うためにヨーロッパでマイセン窯などが発生し、今では日本人がマイセンの陶磁器にあこがれているという状況になっている。


色絵草花鶴文輪花皿 備前・有田窯 1670~1680年代

こうやって見ると、たしかに柿右衛門は美しいが、どうも当方の方向とは違う。 この繊細さが武骨な当方には縁のない方向に見えてしまう。


色絵破魔弓熨斗文(ハマユミノシモン)皿 備前・有田焼 1690年~1730年代
当方はどちらかというと、こういう素地の空間を生かさずに、びっちりとダイナミックに迫ってくる方がいい。


色絵山水草花文小碗 1700~1740年代

1685年ころから、ヨーロッパの宮殿でよく見かける大型の壺などの室内装飾品が沢山輸出された。赤や金が多用されて豪華絢爛になって行く。当方はあまり趣味で無いので、この最も円熟期の柿右衛門様式はパス。 小碗だけ載せます。このあたりから、また染付が混じり込んでくるところが魅力的。

最後に鍋島を少し載せます。
鍋島というのは鍋島藩が将軍家に献上や幕閣への贈答として、厳格な基準に基づいて焼かせた御用品です。1690~1720年代に最盛期を迎えます。1726年には幕府が色絵は華美であると言って禁止して、鍋島焼は終焉をむかえました。 鍋島藩とはすなわち佐賀藩、または備前藩です。 当然、鍋島焼は有田磁器の影響下にあります。 その高度な技術もそうですが、なにか近代的デザイン感覚を感じてびっくりすることがあります。


色絵唐花文変形皿 備前・有田 1650年代

まだ鍋島の形にハマっていない初期の鍋島。


色絵三瓢文皿 1690~1720年代 
なにかデザインが斬新でしょ。

9時30分の開館から11時30分まで駆け足で見て、それから尾張瀬戸まで向かいました。 リニモで一駅、愛知環状線で数駅、名鉄瀬戸線で2駅と乗り継いで、尾張瀬戸につきました(陶磁器資料館から尾張瀬戸まで直通バスがあるのですが、本数が少なくて利用しにくい)。 こちらが、瀬戸焼の本拠地です。このまえ、多治見に行ったときに駅前書店でかった、<東海 陶磁器の里ガイド、やきもの小さな旅>という本にしたがって動いています。まずは愛知県陶磁器資料館で陶磁器の全体像を把握せよとあります。これはやりました。そして、尾張瀬戸の瀬戸市美術館を訪ねよとあります。
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新幹線途中下車の旅 瀬戸 その2

2012-08-07 20:42:21 | 旅行
新幹線途中下車の旅 瀬戸 その2

たまたま<初期伊万里、柿右衛門、鍋島>という展示会をやっていました、瀬戸に来て、なんで九州なのだといわずに、機会あるごとに少しずつ勉強です。常設展示も立派で、おそらく、もっとも充実した陶磁器の資料館でしょう。 きちんとした高度なセンスが全館を覆っています。 多治見のセラミックパークとはちょっと雰囲気を異にしています。あちらは、セラミック研究所の影響が濃厚な感じで、こちらは資料館という役割を果たしています。
資料館、美術館、博物館はみんな撮影禁止ですから、どうしようもない。 屋外とわずか撮影できるところの写真と、カタログからの写真で印象をのべましょう。









華麗なる美の競演<初期伊万里, 柿右衛門、鍋島>展覧会のカタログから、当方が気になる焼物を選んで載せています。 皆さんに焼物の面白さを伝えようという目的ですので、コピーのご勘弁を。 日本で、1610年代に有田で初めて磁器が焼かれました。その技術は朝鮮陶工から導入されたものですが、手本は当時日本に大量に輸入されていた中国陶磁器でした。備前・有田の焼物は染付、色絵などのバラエティーに富み、日常に使うものとして人気を博しました。備前・有田の磁器が日本各地へ供給され、国内だけでなく東南アジアやヨーロッパ諸国へ輸出されました。まずは初期伊万里といわれる磁器です。作っているのは有田でも伊万里津から運び出されたので伊万里焼というのだそうです。


佐賀県重要文化財 染付山水文水指 初期伊万里の中でも最初期の作品。小溝窯の製品と考えられる。三段の凸凹がなんとなく魅力的。


染付唐獅子文大皿 備前・有田窯 山辺田窯


国・登録有形文化財 色絵菊鳥文輪花皿 備前・有田窯、 1640-1650年代
輪花状の口縁部と中央の菊,鳥、の対比が美しい。


色絵捻文丸文繋ぎ大皿 備前・有田焼 1640-1650年代 有田の色絵は1647年ころに始まるが、その初期の一つのタイプとして、黒線で文様の輪郭を引き、その中を緑、黄、青、紫で塗るタイプ。中国景徳鎮窯の祥瑞の影響を受けている。なんとなく中国っぽいといって、やっぱり日本である。


青磁染付鳥文葉方三足大皿 備前・有田窯 1660-1680年代 
染付と青磁の組み合わせは魅力的。エッジのフォルムといい、なにか当方の方向に近い。底に3本の足がついたお皿である。 これに彫をいれると当方の狙う所に近いものが出来そうだ。とても参考になる。


色絵菊龍文鉢 備前・有田窯 1655-1660年代  外側も内側もびっしりと模様を描くのは当方の好み。これも中国っぽいけどやっぱり日本。色がきれい。


色絵桜花文瓢形瓶 備前・有田焼 1655-1670年代 京都風の意匠で、仁清手と呼ばれる。ユーザーがこんな、瀟洒なやつをほしがったのだろう。
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新幹線途中下車の旅 瀬戸 その1

2012-08-06 20:11:34 | 日記
新幹線途中下車の旅 瀬戸 その1

少々古い話ですが(6月23、24日)、途中下車の旅です。久しぶりに京都往復の旅となりました。 相変わらず、京都についても楽しい気分となりません。



仕事を終えて、久しぶりに長い間支えていただいた上賀茂神社におまいりに行きました。 これで3回目になる、桧皮(ヒワダ)を収めて、なにかとてもすっきりした気分となりました。いつもの京都の気分に滑り込んだのです。

今回の旅はリコーGXR + マウンA12 + フォクトレンダーカラースコパー 35mm F2.5 PII一本です。この組み合わせは気軽なスナップ写真の旅にぴったり。フォクトレンダーカラースコパー 35mmは安くて、コロコロと小さくかわいらしい、それでも質感があって、とっても愛すべきレンズです。





とても複雑なくぐり方が書いてあります。その通りくぐって、願い事がかないますように。



帰りは、名古屋で降りて栄で一泊、次の日に、瀬戸市を中心に陶磁器の美術館をめぐりました。まずは愛知県陶磁器資料館。 栄から地下鉄東山線で藤が丘へ、そこからにニアモーターカーのリニモに乗り換えて愛知県陶磁器資料館で降りて600mで着きます。 







栄から40分くらいかな。リニモ沿線は緑がきれいで、リニモもきれいで、快適です。 名古屋の栄もきれいになったし、名古屋を見直してしまいました。殆ど東京のようです(そういうとおこられるでしょうが)。 この地域は愛知万博のために整備されたリニモと愛知万博公園、およびその周辺ですが、トヨタの工場もあって、とても良い環境整備であると思いました。そんなところの緑の中に愛知陶磁器資料館があります。 ここは一日でも楽しめる、推薦の場所です。リニモなど聞きなれないかもしれませんが、このリニモはとてもよい乗り心地でした。そう本数が多いわけではありませんが、十分に足になります。だいじょうぶ、訪ねてみてください。 
9時30分開館ですが,早く着いたので、資料館の広い庭をいろいろ撮影します。どうせ、館内は撮影禁止ですから。











とっても自然のなかにこの資料館は建っています。
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高速バスで、河口湖風景写真、撮影の旅 その4 (最終回)

2012-08-05 19:53:34 | 日記
高速バスで、河口湖風景写真、撮影の旅 その4 (最終回)

レトロバスで大石公園に着いたのは3時すぎ。真夏の太陽が照りつけて、目が回ります。


ペンタックスK7、ペンタックス15mm limited

これ何の花だか分りますか? いつも撮影してしまいます。 なすの花です。


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro



ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro


ペンタックスK5、ペンタックス100mm macro

最終からひとつ前の河口湖駅行きレトロバスにのったら、バスの女性運転手さんが富士山が出てきましたよとおしえてくれました。 出発をちょっと待ってもらって富士山を撮影。またすぐ雲に隠れてしまいました。

やはり、苦労して山を歩かないと自然は撮れない。1700円につられたのが失敗のもと。富士急富士山特急で大月へ、そこから中央線の鈍行で帰る。車窓の山々の風景はとてもいい。天気も夕日が素敵に山を照らす。やっぱり鉄道がいい。このあたり、中央線はなじみがなかったが、これからはちょくちょく訪れよう。今日は一枚も使える風景写真は撮れなかった、なんとも失敗の旅でした。しかし、失敗ですが、旅はいかないよりはいったほうがいい。 ちゃんと楽しい思い出の引き出しにしまわれました
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高速バスで、河口湖風景写真、撮影の旅 その3 (ペンタックス風景写真教室編)

2012-08-04 16:02:09 | 日記
高速バスで、河口湖風景写真、撮影の旅 その3(ペンタックス風景写真教室編)

ペンタックス主催、米美知子さんの風景写真教室へ行ってきました。 当方は風景写真を撮ったことが無いと書きましたが、この教室で、それが事実であることがわかりました。ビギナーさんのための講座かと思ったら、なにやら集まってきた18人の大半は互いに知り合いで、いかにも長年写真を撮ってきた、密かに自信満々の方々でした。 それに2/3はフィルム写真を撮っている方です。そういえば、ペンタックス645のフィルム版は雑誌に載ったり、フォトコンで見る風景写真のほとんどをたたきだしている定番カメラでした。 大半はフィルムですから、スライドで持ち寄った写真3枚づつを写して、先生が批評を述べるのです。ここをこうした方がいいとか、修正が無い写真は先生が<合格>というと、みなが拍手して、3枚とも合格の方もいました。なるほど、この合格の言葉が聞きたくて、渾身の作を持ち寄るのだ。これはセミナーというよりは一種ファンクラブみたいなものだな。 当方はPCが壊れて、写真のストックは現状みな使えません。たまたま、陶芸の材料にと思ってプリントしてあったA4プリントを持っていったのですから、先生にみせるのもはばかれる状態でした。3枚ともいろいろご批判を伺いました。生徒さんに対するいずれのご批判ももっともであると思います。思い出すままにいくつか書いてみましょう。1)横写真の場合は、ポイントとなる対象を真ん中に置かずに少しずらす。縦の場合は真ん中に置く場合もある。2)2種の色調帯、たとえば、野原と空は半分に分割しない。どちらかを多めにする。3)2種の色調帯の明るさが大きく違う場合は、ハーフNDフィルターで必ず調整する。4)花を撮る場合は、雰囲気にのみこまれずに、画面で目立つ部分は慎重に気を配る。たとえば元気のない花がはいっていないか、邪魔な棒とかはいっていないか。雰囲気で撮るな。5)画面を分ける色調帯があったら、直線的分割より、曲線が入った方が魅力的になる。6)アジサイや、森の木は濡れていた方がいい場合が多い。雨上がりを狙え。7)霧を上手く使う。たとえば、山に対してクレアー過ぎるすそ野の町を霧でぼかす。8)シルエットは多用(画面に占める部分として)するな。これは当方に対する批判。9)海は、岩に流れる波の筋とか、岩にぶつかるしぶきをシャッター速度を落として撮る。シャッター速度をはやくして波の動きを止めてはいけない。これも当方に対する批判、10)ただ明るい空は、必要ない。 空の入れ方は十分注意せよ。11)花をとるときに、場合によっては脚立をつかう。俯瞰する必要がある場合がある。12)PLフィルターを調節して、葉っぱのてかりを調節せよ。13)美しさがなければならない。14)視点をひくもののリズム、流れが大事。15)立ち位置を変えてダイナミックさを追求する必要もある。特に大木をとるとき。16)人の目を信じるな。カメラの眼と人の眼は違う。

どれも、ごもっともなご意見です。ここに集まっている方の習性がわかってきました。有名な撮影ポイントの一番いい時期をねらって撮影旅行を行う。朝夕をねらうから、泊まるか、早朝ねらい。 上に書いたことを念頭に置きながら、撮影三昧。おそらく、飯より写真が好き。かれらが狙うことは風景を撮ること。当たり前というけど、当方は風景を撮っていなかった。一番いい場所と時に一番きれいな景色を写真におさめるのが目的。 当方は風景の中から使えるパターンを探して記録するのが目的。これはとんでもなく違うことがわかりました。かれらは写真でその元の風景の美しさを表さねばなりません。当方にとって風景はどうでもいいのです。 自然の作りだす、無限パターンを記録しているだけなのです。ある意味、かれらは全体、当方は部分を相手にしているとも言えます。どうしても、当方はメジャーな流れに合いません。 でもやってみます。上記の教えに従って、一番いいところに行って、一番いい時に、その一番うつくしい風景を撮ってみましょう。 運と腕がマッチしないと撮れないでしょうけれども。当方のスタンスを崩すつもりはありませんが、自然の持つ美しいパターンは、それだけを取り出しても、人をひきつけるはずですから。
<雰囲気にのまれるな>という言葉が一番印象的でした。

三脚は当然のこと、PLフィルター、NDフィルター(半分暗くなっているフィルターで、空と地面の明るさを調節したりする。こんなの当方はしらなかった)、脚立、傘(逆光防止)など。道具立てもたいへんだ。こんなファンクラブの方と一緒に撮影旅行に行けるくらいに準備して、プロとの撮影旅行に参加してがんばろう。そうしないと、ペンタックス645Dレデュース版ミラーレスが出ても宝の持ち腐れだ。しかし、彼ら風に風景写真をとるとしたら、ズームレンズでないと無理かもしれない。自然のなかではフレーミングを自由に選べないから、単焦点では何本もレンズが必要で、付け替えている間に光や、雲が動いてしまう可能性がある。性能のいいズームなら、漫然とで無くドラマ性(脚色性)をあたえればいい写真がとれることは経験済みだ。脚色優先なら、対応力の高いズームの方がいい。連写も必要だ。風や波のゆらぎや、水の流れの最適条件を探すのに連写が必要だ。 だんだん、白ペンキおじさんの行動がわかってきました。


さて、風景写真の話はまた後にして、河口湖にもどりましょう。

生中でいい気持になって、ふらふらと遊覧船にのって撮影をトライ。 20分間、涼しい風にふかれて、酔いさまし。撮影は大した収穫なし。


ペンタックスK7、ペンタックス15mm limited


ペンタックスK7、ペンタックスDA200mm


ペンタックスK7、ペンタックスDA200mm


ペンタックスK7、ペンタックス15mm limited


ペンタックスK7、ペンタックス15mm limited


ペンタックスK5, ペンタックスDA200mm

さらにレトロバスにのって、対岸の大石公園まで。ラベンダーも終わって、富士山も見えず。撮影するものもない。ブルベリーソフトクリームはおいしかったが、それ以外になにもない。なにか、湖と木々の絡み合いが撮れるかと思ったが、河口湖はデリケートな自然を撮るには向いてない。紅葉台まで行こうと思ったがもう時間がない。
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