小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

アイスランドの旅 その4 ゴールデンサークル

2019-09-16 14:09:20 | 旅行
アイスランドの旅 その4

2019-8-30
いよいよ今日はゴールデンサークルでアイスランドの自然とちょこっとお会いする日です。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

のっぺらぼうのflat平原と低い山にかかる雲がアイスランドのファンタジー。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

流れる川はただ、obviousバレバレの様相を呈する。船も来なし、土手もないしPlainだから、川はサケ釣りが地元の人の楽しみの一つ。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

馬や羊は普段は広い原っぱで放し飼い、好き勝手に暮らしています。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

まずは割れ目地帯、シンクヴェトリル国立公園に到着。ユーラシア大陸とアメリカ大陸の境界線であるギャオ、割れ目。この割れ目は年間2~3cmずつ広がっていきます。
この公園の近くにあるアイスランド最大の天然湖、シンクヴァトラヴァトン湖の横をバスは走る。じっくり見られませんでしたが、その静かでplainなたたずまいは、湖面撮影を渇望する当方にはあこがれの湖水がアイスランドに一杯ある予感を与えました。湖畔に泊まって、朝夕湖面と向き合ってみたい。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


スマホ
二つの大陸の間を歩きます。この割れ目の本当のだいご味は、この割れ目が、島中を横断して海中に没し、さらに海底を一直線に続いてゆく様にあります。このobviousバレバレの感覚がロマンであり、北欧神話の世界創生がリアルである気にさせるのです。

次に、グルトフォスの滝に向います。バス停からテクテク10分ほど歩くと巨大な滝が見えてきます。


スマホ


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

虹に注目。

これも地球の割れ目と氷河がつくるバレバレの景観です。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

アイスランドのコントラストがどうしよもなくplainな白黒のポートレートを作ります。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


スマホ
でかい中判カメラよりスマホンの方が、単なる情報伝達にはずっとみられる絵を作ります。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

バス停から滝までの道を戻ります。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

かなたには、おそらく、この滝の源流である氷河が存在するに違いありません。アイスランドでも氷河を見るのは容易ではないようです。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

次に、ゴールデンサークル最終地、世界4大間欠泉のゲイシールに到着。最も大きい間欠泉は数時間に一度の割合でしか噴出さないので、それより小型のこの間欠泉に人が集まります。ガイドさんはトラベラー・フレンドリーな間欠泉と表現していました。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

5~10分程度で噴き出します。それも連続2回噴き出すことが多い。高さは30~40m前後。といっても、インターバルも高さも連続回数もまったく同じでなく、生きている地球と会話しているようです。ベンチに座って一日中、この会話を楽しむこともできそうです。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

ちょっと工夫して、太陽をバックに間欠泉の水柱を絵にします。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

夕方過ぎにホテルに戻って、またロイガベーグル・メインストリートの探索にはいります。この収穫は一日目にまとめて述べています。夕食は、ホテルの近くのゲイシールというレストランにはいります。ゲイシールとは間欠泉のゲイシールと関係があるかもしれません。
家内はこの時は食欲不調に落ちいっているのでロブスター・スープのみ。 当方はあこがれのムール貝料理に挑戦します。


スマホ


スマホ

ムール貝は単純に大量のムール貝をスチームしたボストンのオイスターハウスで食した、スチームド・マッスル(マッスル=ムール貝)が始まりです。量が多いので、当方はバケツ・ムール貝とよんでいます。ベルギーではバケツ・ムール貝はフランス料理風のムール貝であり、それなりにおいしかったのですが、そのスープを飲みすぎて次の日、胃が不調に陥りました。アイスランドのバケツ・ムール貝はうまくないとは言いませんが、ムール貝は小ぶりで、ハーブか海藻かわからないが、余計な味が入り込みます。しかし、バケツ・ムール貝を食べたことには大いに満足しました。やっぱり、オニオンとニンニクだけの超シンプルなボストンのバケツ・ムール貝が当方の中ではベストです。

では、また明日。

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アイスランドの旅 その3 カフェ・ロキ

2019-09-15 11:00:40 | 旅行
2019-8-29 ロイガベーグル・メインストリート探検の続き


スマホ カフェ・ロキ

この日は、ハットグリムス教会のすぐそば、カフェ・ロキで夕食。あくまでカフェで、内装はカジュアルであるが、料理はおいしい伝統的料理を食べさせてくれます。そのかわり安いということもありません。何やら古い時代のこのあたりの何にもない殺風景な風景写真が飾ってありましたが、その意味は調べてもわかりませんでした。聞いてみればよかった。。カフェ・ロキのロキは当然、北欧神話のロキです。この写真は、最近の北欧神話ブームにのってカフェ・ロキという名を付けたわけではない、昔から、この場所でロキという名で、苦難をのりこえて現在があるのだと主張しているのかもしれません。カフェ・ロキは日本で神様の名をつけるお店、大黒屋とか恵比寿屋とかと同じ感覚で店の名としたのでしょう。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

家内はトラウト(マス)タルトとロキアイス、これはクッキーを砕いたものが入っている(クッキー・アンド・クリーム・アイス)。当方はポテトにエビがはいったものと、サーディン(ニシンかイワシ)の酢づけのオープンサンド、ロキアイスもついています。アルコールがちょっと低めのビールを頼んだら、どでかいグラスが出てきて全部飲めないほどであった。このビールで1000円弱ならまずまずか。以前、20年前にアイスランドに来たときはホテルの朝食で、酢漬けといおうか塩漬けといおうか、ピクルスといおうか塩からといおうかそんなイワシが何種類も並べてありました。超しょっぱいのに驚きました。いかにも伝統食品という感じ。今回のホテルの朝食にはちょこっと酢づけのイワシが野菜のピクルスと並んでおいてある程度。時代は変わったのでしょう。この現代のピクルス・イワシはちょっと甘味を感じる点に違和感がありますが、当方の好み中の好み。エビ・ポテトサラダもおいしいし、ロキアイスもおいしい。値段はレストランと変わりありませんが、ボリュームが大きい点で割安かもしれません。とにかくここは推薦。なお、アイスランドのレストランではどこでも水はただ。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


スマホ


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

町にはストリート・アートがいっぱいあります。コカ・コーラは高いので有名。
日本の感覚で買うとびっくりする。スーパーで、コカ・コーラ中ビンが500円と書いてあると、さすがにムムムとなります。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

ファクサ湾にでる。ここには有名なサン・ボイジャーの彫刻があります。
彫刻家ヨン・グンナル(Jón Gunnar)のデザインで、アドベンチャーの魅力、発見の楽しみ、前に向かう大切さや夢と現実の橋渡しを表現しています。「太陽への頌歌(ode to the sun)」と呼ばれているレイキャビクの最も有名な彫刻。
これは当方がアイスランドで探している特異なアートに入るかもしれません。どうやら、アイスランドは彫刻に大きな意味があるような気がしてきました。町のあちこちにある彫刻が、彫刻の意味を教えてくれているように思います。箱根の彫刻の森では彫刻に何で色がないのかと文句をならべていたが、ここでは色がないことが気にならない、というか色があると違ったものになってしまう。
彫刻は町中に、その雰囲気をガラッとかえるために置かれる、あるいはモニュメントのために、それ以前はえらい方の銅像のために作られた。そのニーズのために作品は作られ、そのニーズには色はかえって邪魔になる。そのニーズは周囲との対比とバランスが重要であり、公共性が要求される。個人のスキキライで作るわけにはいかないのだ。だから色は邪魔になる。
もう一つ、のっぺらぼうのflat溶岩台地にのびる温水のパイプラインはそれだけで十分アートです。彫刻は何もない空間にヒトの存在を主張するもっとも力強い存在なのです。しかるに、彫刻はアイスランドでその存在意義が輝くのです。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


スマホ


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

雲をかぶった低い山と、サン・ボイジャーはアイスランドの象徴的風景でした。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

ファクサ湾において、レイキャビックからみえる、魅惑の山はスナイフェルスネス半島らしい。後述するがこの半島はレイキャビックからそう遠くないところだが、フォトジェニック・スポット満載の写真家あこがれの穴場であるそうです。しかし、このようにいつも雲をかぶっていると、きれいな写真を撮るのはそう簡単ではなさそうです。



ファクサ湾を海沿いにハルパ・コンサートホールに向かって歩くと、その海風に、さすがに手がかじかんできます。温度は氷点下までいってはいなく一桁台と思うのですが、体感的には風は大敵です。この季節は3~13℃で推移しています。アイスランドは年間通して、あまり雪が降らず、あまり氷点下にならず、低値安定の気温なのです。これは近くをとおる暖流のせいです。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

ハルパ・コンサートホール、このモダンな施設は、様々な形をしたガラスパネルに囲まれ、そのデザインはアイスランドの玄武岩の風景をイメージしています。夜にはガラスパネルにはめられたライトが色とりどりに変化し国旗を模したりオーロラをイメージしたイルミネーションが演出されます。音響効果は素晴らしく、アイスランド交響楽団やアイスランドオペラの演奏が楽しめます。2007年〜2008年の経済危機の影響を受け、建物が完成するのに4年かかりました。当初は、コスト削減のために建設が中止されることが懸念されましたが、完成以来、資金を取り戻しています。現在は、海外からのアーティストのコンサート、バレーやコメディーなどの多様なパフォーマンスが行われるほか、人気のエアウェイブス(Airwaves)やソーナル(Sónar)といった音楽フェスの会場にもなっています。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

ハルパ・コンサートホールでワルキューレのポスターをみつけました。ニューヨークのメット・オペラハウスで昨年、ワルキューレのブリュンヒルデを歌ったソプラノ、クリスティーン・ガーキーがそのまま出演しています。わずか30万人の2/3が集中するといえどたかだか20万人のレイキャビックため、あるいは全国の国民のためといえどもたかだか30万人の為にこれだけりっぱなコンサートホールが用意されるとは、この国のスタンスが見て取れます。むろん出来上がるまでには数々の難関があったのでしょう、しかし出来てしまえば、ちゃんと回っている。国民のためにflatな行動をするアイスランドflat行政の象徴にも見えます。そして、ちゃんと元をとっている。日本のどこかの赤字を垂れ流す、flat感覚に乏しい(目線が庶民とflatでない官僚と自分をflatにみられない、しがらみに縛られる庶民)バラマキの無駄な箱物とは大違い。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

情報として、なぜかこのハルパ前を起点として、レイキャビック町中をめぐる無料の循環バスがでています。我々は使いませんでした。


また明日。明日はゴールデンサークルです。
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アイスランドの旅 その2 ブルー・ラグーン /  北欧神話

2019-09-14 14:10:21 | 旅行
アイスランドの旅 その2
2019-8-29


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm

ツアーバスで国際空港そばのブルーラグーンに向います。遠くから湯気が見えますが、これは大規模な地熱発電施設で、この海底2000mからくみ上げた地熱海水の二次利用で、5000平方キロメートルの大規模な露天温泉が作り上げられています。アイスランドには各地に温泉が湧き出ています。ブルーラグーンは人工的に作り上げた温泉で、あたかも冷たくて泳げない海のかわりに、国民の為に人工の海水浴場をつくったという感じです。


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm

ブルーラグーンへの道は鬼押し出しを思わせるような溶岩ゴロゴロの間を抜く道を5分ほど歩くのです。

水着に着かえてシャワーをあびてから露天風呂に入ります。まずは顔に泥パック。当方はヒリヒリするので早々にギブアップしました。情報として、家内が心配していたメガネは自己責任で持ち込むことが出来ました。よかった、よかった。水辺ではフロートを腕に付けた小さな子供が水浴びをしています。こんな不透明なところでおぼれたら、到底見つけることはできません。とっても自己責任の国だなと思います。日本は甘ったれすぎているのでしょう。


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm

我々のブルーラグーン・ツアーには一杯の飲み物がついています。当方はレッドワインを一杯。飲んでしまってから写真を撮ろうということになって、ロッカーまで戻ってFujifilm X-T3を持ち出しました。 皆さんGoProらしきアクションカメラや防水スマホを持ち込んでいます。でかいキヤノンの一眼レフを持ち込む中国系の集団もいらっしゃいました。大丈夫ですかね? すべて自己責任です。なぜか、中国系の方はみんなでジャンプして撮影、インド系の方は女性の後姿を攻めるという特徴があるのが面白い。
アイスランドはきちっとしたことと、ラフなところが同居している。Plainなだけに、過去のしがらみや権力者のしがらみなしに、一人一人のFlatな人間視点で合理的なシステムを組んでいる所のように思えます。

プラスチックのカップに温泉の水をいれてワインのふりをして撮影。


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm

飲み物を売っているブースの周りには人が集まって、みんなで、ワイワイ、パーティーです。
まったく町中のパブのごとくです。温泉で男女が酒をぐびぐび飲む。これも自己責任。


温泉サイドで、家内は海苔巻き、当方はサンドイッチを買って昼食です。アイスランドの地の果てで、大露天風呂を見ながら海苔巻きを食べる図は何とも不思議な気分です。

午後3時ころにホテルに戻ります。まだ、時間は十分あるので、ロイガベーグル・メインストリート探索を続けます。


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm

我々のホテル、ミッドガルトセンターホテルはロイガベーグル・メインストリートと、町中を走る全てのバスの起点、終点であるバスターミナル、フレンムルのすぐそばです。このターミナルには、フードコートが隣接しています。このフードコートは最近できたもので、本格的料理を手軽に食べられるので、連日大変にぎわっています。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm ミッドガルトセンターホテル


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

ホテルの中庭には温泉プールといおうか、露天風呂といおうかそんなものがあって、いつも誰かが入ってその特別な感覚を楽しんでいました。

町を遠出するバスは殆どツアー会社が経営するバスで、この遠距離バスターミナルは町の南側に集中しています。早朝は別のようですが、大型バスは町中に入れずに、小型の乗り継ぎバスがホテルで客を拾ってまわり、ツアーバスターミナルで大型バスに乗り換えます。フレンムルのバスターミナルは北側にあり、ほぼ町中近距離用です。当方はこれを南側のツアーバスターミナルと混同していたので、あぶなく大きなミスをするところでした。ちなみに近距離用バスチケットは一律値段で、スーパーマーケットで買います。運転手にわたすと、時間を打ったレシートをわたされ、これで1時間15分以内は何度でもバスにのれます。実際はこの時間は適当なようで、郊外に出かけたときは帰りの料金はいりませんといわれました。切符がないときは現金を運転手にはらえばいいのですが、おつりはありません。

この2本立てバスターミナル・バス運営システムは結構日本でも役立つかもしれません。地方の赤字バスをコンパクトな街中バス中心にして自動運転化する。遠距離バスは郊外にターミナルを設けて、遠距離バスツアーを倍増させる、当然ツアーの目玉もどんどん整備せねばならない。これでこそ外人向けの観光が日本中に広がり、同時に地域の人の足が確保される。遠くの観光にマイカーで渋滞と格闘する必要もないし、疲れる全行程バスツアーで、通り一遍の観光しかできないということもなくなる。京都のような無茶苦茶な交通混雑が緩和され、人の住む町は静かになる。だから人が集まり、ビジネスが回る。2種のターミナルは面倒かもしれないが、日常の生活が向上することの方が重要です。

当方は、地方創生のかなめは、公共交通手段にあると思っています。日常の生活と郊外の非日常の生活の双方の質を上げて、生活が楽しくできなければ、90歳すぎても小さな軽自動車で山道を運転しなければならない地方にいくら仕事があっても、移住したい人はいないのではないでしょうか。
こんなことを考えさせるのが、plainなアイスランドなのです。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

バスターミナル脇のビルにあるストリート・アート。誰の絵か分かりません。

ロイガベーグル・メインストリート探検には北欧神話の理解が必須です。
北欧神話の骨格は以下の通り。実体は面白い話が、枝葉のように無数に入り組んでいます。これだけシンプルに北欧神話をまとめるに当方は大変な努力をしたのです。面倒かもしれませんが、読まなければ損です。

第一章 世界が出来るまで
太古の昔、宇宙には巨大な裂け目があるだけだった。その北には氷と霜の国、南には炎の国があった。氷と炎がぶつかって裂け目にしずくがしたたり、そこから最初の生物である巨人ユミルが生まれた。その後、最初の人間と巨人達が生まれ、その間の子、三兄弟オーディン、ヴィり、ヴェーが生まれる。彼らは力を合わせてユミルを殺し、ユミルの体などから海、土、山、天、太陽、月など世界を作る。この時に人間を作り、大地の真ん中の国、ミッドガルドに住まわせる。この時に巨人族は滅びるが、一組の夫婦が脱出して、ヨツンヘイムに住む。
これが後々のアース神族と巨人族の最終決戦ラグナロクにつながる。
第二章 ヴァルハラのアース神族
ミッドガルドの中心、アースガルドに3兄弟とその一族がアース神族として住む。オーディンはアース神族の最高神で宮殿ヴァルハラの王座にすわる。馬は8本足のレイプニル、槍は百発百中のグングニル。オーディンは片目とひきかえに知恵を、クワーシルの霊酒を手に入れ詩を世にもたらし、苦行によりルーン文字を手に入れる。
ワルキューレという乙女達を戦場につかわして、戦死した勇者の霊を集める。
トール(英語読みソー)はオーディンの息子、アース神族最強の雷神。投げれば必ず命中し手元にもどってくるミョルニルというハンマーによって無数の巨人を打ち倒し、神と人間の国を守っている。
別の神族でアースガルドと和議を結んだニヨルド、その息子フレイ、双子の妹フレイヤがアースガルドに合流する。フレイヤはワルキューレの先頭に立ち、死者の霊を集める。
ロキは巨人族であるが、オーディンの義兄弟となり、アース神族に加わる。
イドウンは青春のりんごを持つ女神。神々はこれを時々食べて若さを保つ。イドウンは青春のりんごと共に巨人族に連れ去られアース神族は窮地に立たされるが、ロキがこれを取り戻す。一方ロキはバルドルを殺したことで罰をうけ、受け皿に満杯になり漏れ出す度に毒にもがき苦しむことが地震となるといわれる。このロキとアース神族との確執が最終戦争ラグナロクにつながる。
バルドルはオーディンの息子で、光の神。彼の見た悪夢を心配した母フリッグが、世界のあらゆるものにバルドルを傷つけないという約束をさせた。しかし、唯一幼いために契約できなかったヤドリギがあることを知ったロキは、バルドルの盲目の弟ホズルにこの木を投げさせた。これに貫かれてバルドルは死に、最終戦争ラグナロクが近づいた。
ウトガルトはヨツンヘイムに住む巨人の王。
スルトは炎の国のムスベルヘイムの入り口を守る巨人。ラグナロアでは炎の巨人達を引き連れておしよせる。
ロキは女達に3匹の魔物を生ませた。恐ろしく凶暴な狼フェンリル、とてつもなく大きな大蛇となるヨルムンガンド、死の国の女王ヘル(地獄)。 戦死でなく、病気や老衰で死んだ者はヘルに行く。これらはアース神族によりなんとか封印されていた。
第三章 最終戦争ラグナロク
バルドルの死によって世界は光を失い、3年もの間冬が続いた。太陽と月はフェンリルの子の狼に飲み込まれ、あらゆる封印は吹き飛んだ。解き放たれたロキは巨人族を、ヘルは冥界の亡者を、スルトが炎の巨人たちを率い、フェンリルとヨルムンガンドもアースガルドに押しよせた。アース神族と巨人族の激しい戦いの結果、スルトが投げつけた炎の剣によって世界は火の海につつまれ、海の底に沈んでいった。
しかしその後、新しい陸地が浮上し、新たな太陽が生まれ、バルドルもよみがえった。ヴィダルなど数名の神は生き残り、アースガルドの跡地に住まいを建て直した。また男女1組の人間が森の中で生きのび、彼らの子孫が地を満たした。

ワーグナー、「ニーベルングの指環」ではオーディンはウォータン、その妻フリッグはフリッカ、トールはドンナー、イドウンはフライア、ロキはローゲとして登場する。ワルキューレや宮殿ヴァルハラはそのまま。神々と巨人族が地下の小人族の持つ、強大な力を持つ指輪を取り合う。北欧神話では世界は三層(九つの世界)で構成されている。上層は神々や人間の国、中層の巨人や小人の国、下層は死者の国などとなっている。ニーベルングの指環では神々の国、巨人の国、小人の国の三層になっており、ウォータンはその全制覇をねらって、指輪を手に入れたかった、それが達成できずにやけになり放浪生活に入る。そのためにヴァルハラは堕落してゆく。堕落したヴァルハラを浄化するためにブリュンヒルデがロキに頼んで(ここははっきりしないが、ブリュンヒルデの意志が前面にでる)火を放つ顛末になっている。ヴァルハラは焼け落ちるが、最後に再生を暗示する旋律がふっと現れるところが北欧神話の再生と重なる(神々の黄昏)。
「ニーベルングの指環」ではウォータンと人間の間の子達が近親相関で産んだ子、ウォータンの孫にあたる英雄ジークフリートとワルキューレのメンバー、ブリュンヒルデが話の筋の中心となる。不死身のジークフリートは背中の唯一の盲点を刺されて死ぬが、バルドルの盲点を刺されて死ぬ話が移行したと思われる。このあたりはいかにもワーグナー好みで、彼が北欧神話をもとに創作したのだろう。わけわからん怪物ばかりで、かっこいい男と女が登場しなければ話にならないから当然かもしれない。



ロイガベーグル・メインストリートの探索では、北欧神話トール(英語読みソー、アベンチャーおよびマイティー・ソーという映画に登場 )、オーディンの名を付けた店に出くわします。トールではルーネ文字でロキとかいた木製ネックレスを娘用に家内が購入。ロキは美形の神なので娘がファン。


スマホ


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-31 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-31 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

さらに、ジュエリーの店、グルトブージンでは銀製の知恵という意味のルーン文字のネックレスを自分用に、トールのハンマーを娘用に家内は購入。その後、帰りがけの空港で、安いトールハンマーとワルキューレのそれぞれネックレスを購入。
ルーン文字とはゲルマン人がゲルマン諸語の表記に用いた古い文字体系ですが、2~3世紀にデンマークで生まれたとされています。つまり古代北欧文字が原点で、ゲルマンにもノルマンにも伝わっているということです。アイスランドには移住したノルマンがすでにルーン文字をもっており、ゲルマンのルーン文字が時代とともに変化していったのに対して、アイスランドのルーン文字は原型をとどめているので、研究者はさかんにアイスランドのルーン文字を研究します。北欧神話ではオーディンがルーン文字を手にいれたことになっているので、ルーン文字は北欧神話の一部なのです。漢字のように文字が発音だけでなく意味をもっています。アイスランドではルーン文字を書いたぐい飲みのような陶器も売っていて、ルーン文字はあちこちで見かけます。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm グルトブージン

日本のアイスランドの案内書にグルトブージンが出ていたのを、この店の人が感激して、スマホで本のこの店のページを撮影。ディスプレイはごちゃごちゃですが、いろいろいわくありそうなジュエリーが並んでいて楽しい。いわくを理解しないと、ただ高価なだけですが。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

グルトブージンとか66ノース近くの分かれ道は真っすぐハットグリムス教会に続き参道のようです。この道はアート・ストリートの様相もあり、何やらちょっと気取ったジュエリー、絵画、陶器などの店がならびます。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

当方にはPlainなアートというよりは、どこにでもありそうな気どり方がかえって興味を半減させています。どうみても富士山の形をした陶器とか、ウインドウの撮影禁止の札とか。

ハットグリムス教会はアイスランドで最も高い建物の一つです。このルーテル教会は、建設に41年もの歳月を要し、1986年に完成した新しい教会です。その名前は17世紀のアイスランドの詩人であり牧師であるハトルグリムル・ピエトルソン(Hallgrímur Pétursson)に由来します。教会の美しい外装は、プロテスタントデザインのシンプルさ、スバルティフォスの滝(Svartifoss Waterfall)にある六角形の玄武岩の柱状節理と雷神トールのハンマーの形をモチーフにデザインされたということで、またトールが登場します。面白いですね、キリスト教の教会に原始宗教の痕跡をまぎれこますとは。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


2019-8-30 撮りなおし Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-30 撮りなおし Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

この教会のエレベーターでトップに上るとレイキャビックの町を360度見渡せます。一人1000円弱ですが、必見でしょう。


2019-8-30 撮りなおし Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

これは、次の日に当方が一人で再び上って撮影しなおした写真です。前日は夕方でもう日がかげっており、曇り気味でもあったので、写真が不満だったのです。この日は天気はよかったのですが、夕方でまだまだ光線が足りません。振り返るとアイスランドでの撮影は、そのコントラストの強さに悩まされています。人の顔は真っ暗か真っ白か、白黒2分割か、まともに撮れません。景色も対象に合わせるとせっかくの空の色がとんでしまいます。ダイナミックレンジの設定をうまく変化させるべきだったとかフラシュを使うべきだったとか、自分の技術の未熟を後悔しています。夜も遅くまで明るいのですが、写真にすると寝ぼけた写真となり魅力なくなります。日本とは同じようにゆかない。すべての状況でそれなりに撮れるスマホのほうがいい写真になるので、ショボンです。


2019-8-30 撮りなおしFujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

このようなアイスランドのあちこちにある低い山に雲がかかるさまが、いかにも神々が住む山あるいは怪物が住む山で、映画のような物語が展開されているに違いないと想像をかきたてられるのです。


2019-8-30 撮りなおし Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

23mmと45mmを比較すると、やはり45mmの方が説得力がある。ただ広角による印象の希釈だけが原因でないような気がするのです。彫りの深さの違いといいましょうか、23mmにはUVフィルターを付けるべきかもしれません。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

これは撮りなおし前日(2019-8-29)の撮影で、コントラストを抑えて影の部分を明るく修正しています。ねぼけてしまいます。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

これも前日。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm

教会は外側も中側もシンプル。ヨーロッパのごてごてしたゴシック建築を見慣れた方には拍子抜けしてしまうでしょう。アイスランドのplainの象徴であるかのように、ハットグリムス教会はとっても合理的な存在です。どこからでもこいつを目印に町を歩けるし、展望台はよい観光資源であるし、内部はでかいディスプレイが供えられた、よい集会所なのです。しかもグッドなフォルムのアート彫刻なのです。


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm

前日の写真。Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mmなら少しは眠くなくなるかとおもったのですが、やはりアイスランドのコントラストに対応することはできていません。アイスランドの撮影は無茶苦茶季節と天候と時間に左右されるようです。

今日はここまで、明日は2019-8-29の続きです。


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アイスランドの旅 その1 ノルマンの軌跡/アイスランドとは

2019-09-13 13:08:43 | 旅行
アイスランドの旅 その1
2019-8-28~9-2


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm

2019-8-28 デンマーク・コペンハーゲン経由でアイスランド・レイキャビックへ降ります。日本から15時間ほどかかります。コペンハーゲンからレイキャビックが結構かかるのです。



なぜアイスランドかという問いに答える為に、まず、アイスランドを中心にすえて、ノルマンの軌跡を追ってみましょう。
ノルマンの軌跡
<東に向かったヴァイキングは現在の「ロシア」という国の基礎を築きました。西に向かったヴァイキングは北アメリカ大陸にまで達しました。途中でアイスランドに入植し、グリーンランドという極寒の地でも何世代か過ごしました。南はスペインやイタリア、コンスタンティノープルやエルサレムにまで至りました。>とネットに書いてあります。
当方はノルマンの追っかけを結構やっていて、当方が実際に経験したノルマンの軌跡は以下の通り。
ノルマン(ヴァイキング)はフランスに侵入し、ノルマンディーを事実上占領する。ノルマンディーのヴァイキングは12世紀初頭、突如地中海のシチリア島に移動侵入、ここで、これまでのギリシャ・ローマ文化、イスラム文化の融合体にさらにノルマン文化を融合させる。このノルマン・シチリア王国は立派だったのですが、スペインに完全に文化ごと破壊された。この融合文化は一部南イタリアに侵入する。この融合文化は12世紀ルネサンス、その後のルネサンス文化としてフランスを含めヨーロッパ中に広がった。シチリア・ノルマン融合文化が南イタリアからハンガリーなどの中欧に飛び火したかはわからない。もともと中欧の文化にはギリシャ・ローマ文化、イスラム文化の融合体、ビサンツ文化があり、ノルマン文化が南からあるいは北から侵入した痕跡があるか、現状ではわからない。 
一方ノルマンはイギリスに侵入し、ロンドン塔の石城壁の石はノルマンが持ち込んだといわれ、カンタベリーにはノルマンの丸い大きな墓などノルマンの痕跡がいっぱいある。このようにイギリスではノルマンと先住民ケルト人系ブリトン人、ゲルマン系アングロサクソンがしのぎをけずり、最終的にはアングロサクソンが勝利した(この辺は無茶苦茶複雑で、当方には理解す可能)。
ノルマンに大きな大国(ハーラル一世による王国統合)が出来た時に、その支配を嫌ってノルマンの一部がアイスランドに移り住んだ(870年のころ〉。無人のアイスランドは何もない火山の島。アイルランドの文化は大半はノルマンだが、一部9世紀末から10世紀にかけて、ノルウェー人とスコットランドおよびアイルランドのケルト人がフェロー諸島を経由して移住した。この移住は人数的(2万人)にはたいしたことないかもしれないが、文化、経済産業面ではそれなりの影響を与えたかもしれない。 当初国土の1/4には森があったが、住民は森をつぶして燃料にしたり、牧草地として、羊を飼って生き延びた。このためにアイスランドは木のない、一面の溶岩台地とちょぼちょぼはえる草をはむ、羊、小型の馬、山羊くらいしか動物(家畜)のいないのっぺらぼうの島となった。アイスランドが何となくイギリスの匂いがするのはイギリス系の移住のせいかもしれない(これは全くの私見)。現在はこぎれいな家の周りにそれぞれが木を植え、国家的にも要所に木を植えているので、多少の木はあるが、森といえるものは存在しない。
ノルウェーの支配を受け、その内(1000年ころ)にキリスト教に改宗を余儀なくされる。これを契機として、それまでの原始信仰は表舞台から消滅してしまった。これがいかに大きな変化であったかは国立博物館に行って理解した。 新エッダの記述もこのキリスト教流入による、文章記述の文化の流れでバラバラの古エッダがまとまって来たと考えられる。 後述するようにキリスト教流入は大きな意味があったのだ。支配はデンマークにうつり、第二次大戦後はイギリスやアメリカの支配下にあったが1944年に完全独立し、アイスランド共和国ができた。自国軍隊はもたないが、NATOの傘下の重要拠点であった。現在、アメリカ軍は完全撤収している。ユーロ圏には入っていないが、協定でビザなして入国できる。自国軍のない国、格差のない国、男女平等が徹底している国、ただし、現状は消費税が高く、さらにクローナ下落で物価が異常に高い。大半の商品が日本の2倍の値段がすると思えばいい。
北海道と四国を足したくらいの面積の島に30万人の住民が暮らしている。ちなみに北海道の人口は540万人、港区の人口は昼間94万人、夜24万人である。漁業と金融業で豊かな国であるが、2008年の世界金融危機で国自体が破産寸前になった。その後通貨クローナの下落で、かえって魚、アルミなどの輸出産業がもうかり、V字回復して今日に至る。
一方、アイスランドとグリーンランドは1423km(青森から鹿児島直線距離よりちょっと多い)すぐ近くであり、古い時代からグリーンランドンに侵入、さらにアメリカ大陸に侵入している。アイスランドのDNAがアメリカ大陸に侵入しているという証拠も見つかっている。
さて、日本は南方系縄文人に大陸系弥生人が侵入し支配した。DNAは融合し現在に至る。一部の縄文人は北海道に逃げアイヌとなった。そのアイヌの不思議な文化がさらに北方の住民の影響を受けたことは間違いない。その不思議な文化は北方の住民、その先のアイスランドやノルマンのDNAが侵入しているような気がしてならない。しかし、日本へのノルマンの影響は全くわからない。

アイスランドの旅で感じたアイスランドは
Flat 平らかな
Plain 簡素な、あっさりした
Obvious あからさまな、バレバレの
の3つの言葉で言い表せます。
小さな政府は、民間と政府のあいだがflatな気がします(これは他の北欧の国にもいえる)。
貧富の差が少なく、かなりflatです。土地も山が低く、大半はのっぺらぼうのflatです。
ハットグリムス教会はデザインはよいですが、ただのコンクリ―の塊で、他のヨーロッパのゴシック建築の教会に見られるゴテゴテした飾りは一切ありません。王族に由来するごてごてした飾りの建物はありません。芸術もビジネスも全てが何もない所から生まれるいずる過程のように飾り気のすくないplainです。
大地の裂け目や川一つとってみても地殻の活動は、のっぺらぼうの大地にあからさまなobviousバレバレの様相をみせます。

当方は20年ほど前に会社から製薬協の主催する世界一周のゲノム創薬視察旅行に参加した。この際にアイスランドを訪れています。かなり隔離された集団の30万人の家系図、遺伝子サンプル、医療情報等がまとまっているアイスランドの特異なメリットを駆使したゲノム創薬ベンチャー、deCODEを訪れたのです。現在もdeCODEはゲノム解析による病気の解明に先進的枠割を果たしています。この視察旅行はこの後、世界のゲノム創薬の流れを受けて製薬業界の大規模な再編成が起きるクリティカル・ポイントだったのです。この時は1泊が2泊でありアイスランドをほとんど知ることが出来ませんでした。


Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF23mm


Fujifilm X-T3+Zeiss touit 12mm

しかし、飛行場に降り立った時に見た、この奇妙な像と月面のようなのっぺらぼうの溶岩台地はここに何か特別な感覚から生まれたアートがあるような気がして、もう一度ちゃんと見たいという願望がありました。

普通だったら、こんな殺風景なところに家内が興味を示すはずはないのですが、ひょんなことで家内の興味がこの島にあったのです。後程くわしくのべますが、北欧神話はゲルマン神話となり、ワーグナー楽劇にはこのゲルマン神話が題材として取り上げられることが多いのです。最大の作品「ニーベルングの指環」を作るにあたって、ワーグナーは変化してしまったゲルマン神話の源流をたどって、アイスランドに残る北欧神話のルーツを調査しているのです。アイスランドの北欧神話はサガ(Saga)、「物語/語られた出来事」(もともとはSay(かたり)の意味)に記されています。またエッダ(Edda) は、北欧神話の初期(ヴァイキング時代)の形態を伝える文書群です(古エッダ(9〜13世紀))。アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンが1220年頃に詩の教本『エッダ』を著した(新エッダ)はサガと並び北欧神話研究における重要な資料の一つとされています。ワーグナーの楽劇、「ニーベルングの指環」の4部作ラインの黄金、ワルキューレ、ジークフリート、神々の黄昏には続々と北欧神話にまつわる人物や物語が登場するのです。ワグネリアンの家内にとってアイスランドはワーグナー巡礼の旅のひとつなのです。
北欧神話はワーグナーを持ち出さなくても、我々には大きな関係があります、グリム童話、白雪姫と小人、ムーミン、サンタクロース、さらにヒット映画ロード・オブ・ザ・リングやアベンジャーズ、マイティー・ソー、アニメでは最近のヴィンランド・サガ、当方はよくわからないコンピューター・ゲームの数々は北欧神話オンパレードなのです。

今回の旅は実質わずか丸3日の滞在です。アイスランドの全貌の1%も知ることは難しい。本来はワイルドな自然がアイスランドの売りなのですが、本格的冒険旅行は家内には無理と判断して、① 大規模露天温泉、ブルーラグーン、② 自然をちょっと見るゴールデンサークル、最終日は③ 首都レイキャビック探検というアイスランド初心者コースを選択しました。はたして、この短い期間に、それぞれの目的、<特異なアート>と、<ワーグナーの痕跡>が見つけられるのだろうか?
当方にとってゴールデンサークルは2回目ですから、レイキャビックに焦点を合わせました。もしまた来る時があったら、レイキャビックはすでに卒業しているようにしたいと思ったのです。

以下が訪ねたところの地図です。


レイキャビック ライキャルトルクとフレンムルの間が約1km


ブルーラグーンとゴールデンサークル

2019-8-28 午後6時過ぎにホテルに到着。
初日から、ロイガベーグル・メインストリートの夜を探索。


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

まず、絵柄を持ち込んだストッキングにちょっと期待がわいてきます。


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-28Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-30 Fuifilm X-T3+Zeiss touit 12mm


お店に置いてあったカードをいくつか載せます。詳細わからず。このアーティストの作品はあちこちで見かけます。上のカードの左下がルーン文字のはいった陶器。真ん中が氷河イメージろうそく立て、右が、人気の鳥パフィン。


これこそアイスランドのアートという気がします。

ざっとみたところヨーロッパより日本の陶芸の強い影響を受けているように見えます。アイスランドにいるわずかな家畜、馬、羊、山羊や溶岩、氷がテーマとなっている点はなんとかアイスランドのアイデンティティーを表現したいという思いがにじみ出ています。特異なアートまではいきませんが、何もない所からアートがどう生み出されるか、そのplainな活動は参考になります。


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm


2019-8-28Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

ジュエリーのディスプレイにも岩、溶岩が多用されています。


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

明日行くブルーラグーンのパック用泥が売っていました。


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm

10時、閉店ギリギリにスカンジナビアというレストランに入いります。


2019-8-28 スマホ

家内はスカンジナビア風ハンバーガー、当方がロブスター・オープンサンドを注文。アイスランドはオープンサンドが幅を利かせています。値段は日本の倍ですが、味は悪くない。魚の味を知っている国という印象を持ちます。スカンジナビア風ハンバーガーも結構いける味です。味のベースが日本と大きな違和感がありません。しかし、日本あるいはコペンハーゲンよりバターあるいはヨーグルト(あるいはスキール、ヨーグルトとバターの中間のようなもの)のようなこってり系の味付けをするのが、当方には似て非なるもの的にもろ手を挙げて喜ぶというところまでゆきません。


2019-8-28 スマホ

野菜は、自国での地熱温室栽培のせいか、どちらかというと割安の感があります。新鮮なきゅうり、トマト、ウリなどは朝のビュッフェに豊富に出てきます。パンは文句なくうまい。


2019-8-28 Fujifilm GFX50S + Fujifilm GF45mm レストラン、スカンジナビア

では、また明日。


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