通信機能やセンサーなどを取り付けた電柱のことで”スマートポール”などとも呼ばれるようです。
関西電力送配電など12社(※1)は、2022年4月18日から22日の期間に兵庫県三田市においてスマート電柱の実証実験を行ったようです。今回の実験は、関西電力時代のものも含めると3回目となるようで、(1)付近を走行中の車両のドライバーに注意を促し安全運転を支援したり、(2)街の見守りを支援したりする機能の検証を目的として行ったようです。
安全運転支援機能の検証では、交差点周辺の電柱に路側機として歩行者や駐車車両などを検知できるセンサーや通信機器(ITS専用周波数使用)を取り付け、検知結果を交差点付近を走行する車両の車載器へ通知(即ち、路車間通信※2)するようにしたようです。歩行者飛び出しや駐車車両の存在等危険な状況の時に車載器経由で車両のドライバーへ音声で通知したりするようです。
また、見守り支援機能の検証は、電柱に近距離無線通信規格「Bluetooth」の受信機を取り付け、モニターになってもらった人のシューズや運転する自転車に貸与した「Bluetooth」端末をつけてもらって実施したようです。電柱に接近すると端末が電柱(の受信機)とがつながるため、そのタイミングで電柱付近を通過した時刻やシューズを履いた人の歩数などのデータをクラウドサーバー上へ収集し、それを基に見守りをしたり運動促進を支援したりするようです。
スマート電柱は地域の安全確保やその他の課題を解決するためのインフラとして有益な手段になり得るものと考えられ、今後も類似の実験が行われたりサービスが開始されていくものと思われます。
なお、交差点における事故を回避する狙いで路側機との路車間通信を利用する技術(サービス)として、トヨタによる「ITS Connect」(2015年10月~)やホンダの「信号情報活用運転支援システム」(2016年5月~)などが知られています。
プレスリリース(2022.3.18、関西電力送配電他)のサイトは、https://www.kansai-td.co.jp/corporate/press-release/2022/0318_1j.htmlです。
※1)関西電力送配電(株)の他、(株)アシックス、京セラ(株)、(株)シマノ、神姫バス(株)、積水樹脂(株)、(株)ソニックス、豊田通商(株)、日本信号(株)、パナソニック サイクルテック(株)、(株)パナソニック システムネットワークス開発研究所、(株)フジクラの11社が参加しています。
※2)安全運転支援機能の検証では、スマート電柱とは直接関係しませんが、車両と自転車とが車車間通信を行うケースも含めて行ったようです。