春の日

春日今ローソク島に灯りけり

遊覧船で隠岐の島のローソク島を廻った。運良く晴れていたので、期待された。時間を合わせて、船長が調度良いところで船を止めた。波が結構あり、上下に大きく揺れたが、ローソク島に春日が灯る瞬間を写真に撮ることができた。自然の造る芸術に、心から感動した。

　




浸食の岩の間より春日かな



色増して春の夕日や隠岐の海


　

八重桜

塀越しに見上げてゐたり八重桜

八重咲きの桜の総称。もとは山桜から変化したもの。花期が遅く、ぼってりとした花が枝にぎっしりと咲く。奈良の元興寺の塀越しに、見事な八重桜を見上げていた。朝日を受けて、少し濃いピンクの花が青空に美しかった。

　




八重桜の下にはしやぐは女どち


　

桜桃の花」

元興寺裏桜桃の花咲いて

バラ科の落葉小高木の西洋実桜の花。四月頃、五弁の白色の小花を密生して開く。実は成熟してさくらんぼ（夏の季語）となる。奈良の元興寺を訪ねた。寺の裏に回ると桜桃の花が満開となっていた。青空に白花が美しかった。

　





桜桃の花や青空なる奈良に


　

春の筍

春筍の苔の中より天龍寺

竹類の地下茎から出る新芽のことで、春に出てきたもの。晩春から掘り採られて出荷されるのは、地表に出る直前のもので、柔かくて美味しい。京都の寺では、竹林に近い苔の庭から筍が生え出ていた。どこか奥ゆかしい趣があった。

　




竹林の径春筍のそこここに


　

夕燕

渡月橋辺りを翔けて夕燕

ツバメ科の鳥の一種、または、ツバメ科の鳥の総称。春、全国に飛来し、人家の軒先などに営巣して子を育て、秋に南方へ帰る。飛びながら昆虫を捕食する益鳥。渡月橋近くでは、夕方燕が何羽も飛んでいた。上流よりも下流の方が多かった。

　



渡月橋



雨止んでバス停にをり夕燕