以前書いた黒色ペンギンの池で、一ヶ月ほど前から変な音が聞こえるようになった。排水パイプがつまりかけか、パイプから空気がボコッと出て来るときに発する音かと思っていた。しかし、池の水が排水・循環している気配はまるでない。相変わらず、お掃除係の女性は廊下のモップがけ後、その池でジャブジャブモップを洗っているが、汚れは池の底に沈殿していくばかりだ。
3年の範さんが、
「先生、あの池で変な音がしています。知っていますか。」
と聞くので、排水パイプ説を唱えると、
「そうですか。それなら良いけど…。私は犬が池の中で鳴いているかと思いました。」
と突飛なことを言う。日本語学科随一の成績の彼女が、池の中に何日も犬が隠れていて、鳴いていると想像していたのが、私にしてみれば信じられない。
先日、日本語コーナーの準備のときに2年生の席さんとその池を通りかかった。また変な音が聞こえた。席さんに
「これ何だろうね。この間からずっと規則正しく聞こえてくるんだけど。」
と言うと、彼女は即座に
「蛙です。」
と言う。私はこんな蛙の声を聞いたことがない。
「南昌の蛙はこんな変な声でなくの?」
と聞くと、
「変な声じゃありません。あっちでもこっちでも、この声で鳴いています。」
と平然としている。
気がつくと、本当だ。今日など麦廬園キャンパスの広場にあちこち人工の穴があるが、その中から犬の鳴き声っぽい、パイプの空気漏れっぽい、およそ蛙の声らしからぬ変な音が、百家争鳴、ゴボッ、ゴボッと言っている。姿は未だ見たことがない。こんな声ならどんだけ見苦しい蛙だろうと想像し、できれば見ないまま秋を迎えたい気持ちだ。
範さんは、河北省出身だが、蛙はやはりケロケロケロと可愛く鳴くそうだ。そりゃ日本にだって、低い潰れた声で鳴く蛙も幾種類もあるが、そのどれとも異なる。生物の鳴き声と言うより機械音っぽい感じ。
所変われば品変わる。すごいなあ。
所変われば…と言えば、ここ江西省で沖縄の「豆腐よう」っぽい食品に出くわした。黄さんが「江西省が本場です。」と瓶詰めをくれたのだが、宿舎に帰って食べてみると、あらら、これは豆腐ようの激辛バーションじゃないですか。ねっとりとしたチーズっぽい味が懐かしく、立て続けに全家百貨(オールホームマート)で、買いまくっている。よく見ると江西省のみならず、桂林とか安徽省とか重慶とかあちこち産のがあって、当分これを次々買いまくることになりそうだ。先日、チーズのかわりに食パンに塗って、あとトマトや胡瓜を挟んでサンドイッチにしたら、またこれが美味しいのなんの。ヒットでしたわ。沖縄の超高級品価格に比べたら、驚くほど安価、日本でキムチ400g一瓶くらいのに入っているのが5,6元だ。
さらに、浙江省出身の楼さんは、「浙江省には、これの辛くないバージョンがある。」とのこと。と言うことは、浙江省と海を隔てた琉球は食文化でつながっていたに相違ない。
ところ変わっても、共通なものは結構あるもんだなあ。漬け物で「すぐき」にそっくりな味のも見つけたが、それはまた今度。
3年の範さんが、
「先生、あの池で変な音がしています。知っていますか。」
と聞くので、排水パイプ説を唱えると、
「そうですか。それなら良いけど…。私は犬が池の中で鳴いているかと思いました。」
と突飛なことを言う。日本語学科随一の成績の彼女が、池の中に何日も犬が隠れていて、鳴いていると想像していたのが、私にしてみれば信じられない。
先日、日本語コーナーの準備のときに2年生の席さんとその池を通りかかった。また変な音が聞こえた。席さんに
「これ何だろうね。この間からずっと規則正しく聞こえてくるんだけど。」
と言うと、彼女は即座に
「蛙です。」
と言う。私はこんな蛙の声を聞いたことがない。
「南昌の蛙はこんな変な声でなくの?」
と聞くと、
「変な声じゃありません。あっちでもこっちでも、この声で鳴いています。」
と平然としている。
気がつくと、本当だ。今日など麦廬園キャンパスの広場にあちこち人工の穴があるが、その中から犬の鳴き声っぽい、パイプの空気漏れっぽい、およそ蛙の声らしからぬ変な音が、百家争鳴、ゴボッ、ゴボッと言っている。姿は未だ見たことがない。こんな声ならどんだけ見苦しい蛙だろうと想像し、できれば見ないまま秋を迎えたい気持ちだ。
範さんは、河北省出身だが、蛙はやはりケロケロケロと可愛く鳴くそうだ。そりゃ日本にだって、低い潰れた声で鳴く蛙も幾種類もあるが、そのどれとも異なる。生物の鳴き声と言うより機械音っぽい感じ。
所変われば品変わる。すごいなあ。
所変われば…と言えば、ここ江西省で沖縄の「豆腐よう」っぽい食品に出くわした。黄さんが「江西省が本場です。」と瓶詰めをくれたのだが、宿舎に帰って食べてみると、あらら、これは豆腐ようの激辛バーションじゃないですか。ねっとりとしたチーズっぽい味が懐かしく、立て続けに全家百貨(オールホームマート)で、買いまくっている。よく見ると江西省のみならず、桂林とか安徽省とか重慶とかあちこち産のがあって、当分これを次々買いまくることになりそうだ。先日、チーズのかわりに食パンに塗って、あとトマトや胡瓜を挟んでサンドイッチにしたら、またこれが美味しいのなんの。ヒットでしたわ。沖縄の超高級品価格に比べたら、驚くほど安価、日本でキムチ400g一瓶くらいのに入っているのが5,6元だ。
さらに、浙江省出身の楼さんは、「浙江省には、これの辛くないバージョンがある。」とのこと。と言うことは、浙江省と海を隔てた琉球は食文化でつながっていたに相違ない。
ところ変わっても、共通なものは結構あるもんだなあ。漬け物で「すぐき」にそっくりな味のも見つけたが、それはまた今度。