と英語学科3年の邵(しょう)さんが教えてくれた。最近、我が資料室は向かいの自習室ともども次第ににぎやかになってきて、日本語学科以外の学生も交じりだしたのだ。
こうなると、資料室の異様な湿気を何とかしたくなる。資料室には前前任者の大竹先生が寄贈した、たくさんの貴重な本がある。このままでは、湿気で数年以内に黴だらけになってしまうのは目に見えている。昨夏、エアコンを買ってくれないか、さりげなく新平老師に聞いたが、「僕たちの部屋にもそれはありません。事務職員さんの部屋はあるので、暑くてたまらない時は、事務室で涼みます。」と言っていた。資料室の壁に取り付けてあるオンボロエアコンは一度も作動したことがない。新平老師もそれが動いたのは見たことがないそうだ。
部屋の窓はドアの向かいに大きいのがある。その辺りはかろうじて、換気できるが、部屋は奥行きがあり、奥の窓は明かり取り効果だけのためで、枠にガラスが当てはめてあり、開閉は全くできない。従って奥の白壁は湿気とカビで毎日確実に少しずつ落下している。(永遠にここにいる訳じゃないから~)と、最初は切り捨てていたが、使い慣れてくるとやはり気になる。
中国語で「梅雨」を何て言うか聞くと、やはり「梅雨」(メイユイ)だそうだ。
揚子江中・下流域ではこの頃黄梅が熟すので「黄梅雨」とも言うらしい。日本語と中国語はお互いに真似したりもらったりしている言葉がたくさんある。これもその一つだろうか。どちらがもらったのだろう。
英語学科の邵さんは、
「このシーズンになると、お母さんは湿気を防ぐため、窓を閉め切って部屋の中の湿度が高くならないようにキープしています。」
と言う。でも、資料室は夜中閉め切ってあるのに、朝一歩部屋に入ったら、床といい、壁といい、結露で濡れている。机上の紙もジメラ~ッとしている。
乾いたモップでベトベトの床をから拭きすると、モップがじっとりと湿る。この夏は、思い切って資料室にエアコンを備えようかなあ。これから何年間もいるわけじゃないとは言え、こんなところで仕事はできない。学生達もせっかく勉強しに集まり出したのに、こんな悪環境では体に黴が生えてしまう。
給料の半額ぐらいで買えるなら…、う~む、と梅雨入りの日に思い悩むブルーはーとであった。