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Brugge Style
あなたしか見えない
わたしは特定の場所で写真撮影をすることを自分に禁じている(勇気がないのだ)。
例えばレストランや、お店の中など。
シックなレストランで一皿出てくるごとに大撮影会になっているのを見かけることがあるが、「撮影してもいいですか?」と了解を得るのがマナーになっているようで、そういうみなさんを白眼視することはない。
そういうことではなくて...
わたしが撮影をしないのは、カメラのファインダーごしにのぞいていると「あなたしか見えない」状態になるからである。
カメラを構えて不自然な姿勢で静止し、被写体しか目に入っていない「自分」を斜め上から見ると、あまりにもみっともない。それに耐えられないのだ。
パパラッチや運動会の父兄が夢中になって被写体を追いかけている姿を想像していただくといいかもしれない。
中腰、横歩き、他の人の視線を遮っても気がつかない鈍感さ、突発的な動きと突然のためらい、フラッシュの強さ、息を止めているのか半開きになった唇、時に荷物を肘から提げたままだったりして...などなど。
先日、ある国の○太子が、外国で写真撮影中のお姿をとらえた写真を見た。たとえやんごとなき方がなさっても、どうしてもステキに見えない動作なんだな~。はっきり申しまして脇の甘い間抜けに見えます。
ちょっと話が違うのだが、ふと思った。
もしかしたら芸術家といわれるほどの写真家の方々はファインダーをのぞいていても「あなたしか見えな」くないのかもしれない。
写真の芸術論理については全く知らないが、何かしらテーマのある表現をする時に、対象物しか眼中に入っていないというのは致命的なミスなのではないだろうか。もしかしたら彼らはカメラの小さな窓から見えている空間以外のものもはっきり感知しているのかもしれない。非常に自覚的に。
自覚的...これが衆に優れたものの秘密?わたしには到底分からないけど。
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