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macaron tower




わたしは「女の腐ったみたい」(思いっきりポリティカリー・インコレクト)な性格だが、好みはさほど女(の子)っぽくない。

例えばソフィア・コッポラ描くマリー・アントワネットのお茶の時間を夢に見るよりも、李白の酒宴を夢に描く方である。

酔っぱらって「荒城の月」を朗々と歌ったり、漢籍を暗唱したりするエピソードに現れるように、渋い爺さん系がわたしの心を70パーセント占めていて、残りの30パーセントが12センチのハイヒールやシルクシフォンのドレスや、薔薇の花束を溺愛する中年女だ。

でも、マカロンタワーが象徴する「女の子の夢」に抗えるほど爺さんでも中年でもない。
マカロンタワーの夢夢しさは、わたしの中の渋い爺さんも許容範囲のかわいらしさなのである。ゴテゴテしていないところが。



次の比較的規模の大きいパーティーを催す時にはラデュレのマカロンタワーをセンターピースにするとメモしていたら(わたしはメモ魔)、娘のパーティーがめぐってきた。
コミュニオン。
カトリックの堅信式で、共同体の正式メンバーとして承認されるという意味合いのある、カトリック人生で結婚式に継ぐ大きな行事だ。現在その準備のために西に東にの毎日。



マカロンタワーは絶対にラデュレ製でならねばならない、コンピューターがMacでなくてはならないように、と鼻息荒く夫に力説し手配させるも、やはり配達不可能、引き取りも不可能(当日パリまで車で片道3時間弱は無理)と結論せざるをえず、まるで結婚相手ルイ16世を知った時のマリー・アントワネットのようにがっくりきてしまった。

トランプのタワーのように吹っ飛ぶマカロンタワーの夢...

一分間ほどがっくりした後、ベルギーの著名なパティスリーに片っ端からメールを出した。
これが実現しないとなると、わたしの夢も果て、正真正銘の枯れた爺さんになってしまうだろう...などと思いつつ。


案外簡単に返事が来た。それもすぐ。


ブラッセルの Wittermer(ウィッタメール)。
アントワープの Del Ray(デルレイ)。

両方ともお菓子が好きな女の子は誰でも知っている店だ。


両店とやり取りをしたところ、やはりネックは「マカロンは湿気を吸う性質なので当日引き取るべし」という点だった。
ブラッセルか、アントワープか、共に片道1時間、誰を派遣するか...(逆に在ブラッセル、アントワープの方にはおすすめです)


結局、ブルージュの馴染みのパティスリーにお茶のついでで何となく聞いてみたところ、あっさり自信満々で引き受けてくれた。

なぜ初めからブルージュのパティスリーに聞かなかったかと言うと、灯台元は常に暗いというのもあるが、何だかできるだけ華やかな都から取り寄せたかったんですよ!マカロンタワーはただのお菓子ではなくて「夢」だから!


さあどんなマカロンタワーが出来上がるのだろう...

夢がトランプタワーのように崩れないよう、2週間後までわくわくそわそわするしかない。


ハナシに落ちがなくて申し訳ないです(笑)。


...


このブログには役立つ数値的な情報が妙に少ないことは知っている。
わたしのようにマカロンタワーを夢見ている人に役立ってほしいので簡単なメモを。
単位はユーロ。3日から一週間前までにはオーダー。マカロンの配色は選べる。

ウィッタメールWittermer
シンプルな台のタワー/「英国式」の台付きタワー
30 macarons: 45.00 / 70.00
50 macarons: 75.00 / 110.00
90 macarons: 110.00 / 160.00
180 macarons: 200.00 / 280.00


デルレイDel Ray
40 macarons (+/- 35 cm): 64.00
90 macarons (+/- 45 cm): 129.00

写真はデルレイが添付してくれた見本。わたしのイメージに対してはこれでは小さすぎる。これなら家で工作できそう...
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