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rodin and the art of ancient greece
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大英博物館で開催中のRodin and the art of ancient Greece「ロダンと古代ギリシャの芸術」へ行ってきた。
ロダンとの最初の出会いは70年代だっただろうか、日本でロダン展が開催され、母に連れられて複数回見に行った。「考える人」が目玉だったのはよく覚えている。当時の私にとっての美はブーシェやフラゴナールだったので、大人がなぜ緑色のジャイアントをありがたがるのかさっぱり理解できなかった。
ロダンは作品数が多く英国でもたくさん見る。パリのロダン美術館は、立地も建物も美しいので一時(特に娘がベビーカーに乗っていた時期)よく行った。
それでもこうしてあらためて見ると、知と美の圧倒的な豊かさに驚かされる。
今回の大英博物館の着眼点は、ロダンが影響を受け、師と仰いだ古代ギリシャの彫刻、特にペイディアスのパルテノン神殿作品をロダン作品と並列して両者のphantasia(ファンタジア・想像力)を浮き彫りにする。
ペイディアスはペリクレスと親交を持ち、パルテノン宮殿の総監督をしたという彫刻家だ。
オリンポスの神々を現前させることができると謳われたペイディアスの想像力をキケロはこのように説明する。
「直感的想像力、それを古代ギリシャ人はphantasiaと呼んだ。彼は彼の心にある途方もない美の幻影に集中し、その本質を直感し、再現する」と。
ロダンは実際にはアテネを訪れることはなかったがロンドンを訪れ、大英博物館蔵のパルテノン神殿(<略奪博物館、この話は別項で)の彫像を親しく研究したそうだ。
地獄の門のモチーフをここまでくわしく説明した展覧会は初めてだったし、知らなかったことも多かった。
ロダンの作品がしばしば頭部や足や腕を欠いているのは、時間にさらされそれらを失ったギリシャ彫刻を模倣しているとは初めて知った!
そしてロダンのデフォルメのバランス感覚には完全に圧倒された。
この後、サドラーズでアクラム・カーン(Akram Kahn)のダンサーとしての最後のソロ作品Xenos「異邦人」英国プレミアを見たのだが、身体のデフォルメのバランス感覚という点では、カーンの才能もすばらしいと思った。
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