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シャンパーニュの日は暮れて




北フランス、シャンパーニュ地方の葡萄畑に落ちる夕日。


先日も書いたが、フランスというのはつくづく葡萄畑の多い国だと思う。


南フランスの人から聞いた話によると、南では葡萄は植えさえすればいくらでもできるのだそうだ。古代ローマやそれ以前から。

かつてフランスでは水よりワインのほうが安い、と言われたのは、南フランスでどんどこワインが製造できるから...だと。

一方、北フランスでは比較的手をかけないことには葡萄はおいしく実らない。

そこで品種改良や研究が進み、ワインの質の向上(と価格の高上)にもつながっているのだと。


まるでディオニソスとアポローンの対比のよう。


おもしろいことに、最近では北で醸造を極めた名手たちが規制の自由な南に来て、さらにワイン道を極めんとするケースも増えているのだとか。




葡萄はキリスト教世界では神聖な果物だ。

赤ん坊のイエスが、将来、十字架状で血を流す運命にあることを示すモチーフとして絵画にしばしば描かれる。人間の罪をあがなうイエスそのものの象徴なのである。


またイエス自身が「まことのぶどうの木」に自分を喩え、すべての人間はその枝であり、実を豊かに結ぶようになっている、と言う。
キリスト教に詳しくない人でも知っている「求めよ、さらば与えられん」の部分である。

つまり葡萄園は天国そのものなのである。

それがこんなにもおいしい飲み物を生むのか。




Blanc de Blancの中の夕焼け。
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