最後の直6! スカイライン25T ターボに試乗しました。
※インプレは新車試乗当時のものです。
○概要
走りのセダンとしては日本一のブランド力を誇るクルマ、それがスカイラインだ。これまた平成元年にデビューした8代目が大ヒット。それまでの肥大化、重量化したボディから一転、コンパクトなボディに変身、鍛えられた足回りとエンジンで、久々のヒット作になった。しかし、これまたモデルチェンジで大失敗。再び大柄なボディとなった先代は、人気もガタオチ、行き詰まる日産のイメージそのものの一台だった。大体、それまで大柄すぎて人気が低迷していた所を、シェイプアップして人気が出たというのに、何故また肥大化しなければいけなかったのか?誰が考えても変な話だが、当時の日産は病んでいたとしかいいようがない。34モデルは、ヒットした8代目の栄光再び、ということで再びシェイプアップ、ルックスまで8代目を彷彿させるスタイルで復活したが、既にあれから10年、デビューから古臭い、いかにも未練がましいスタイルになってしまった・・・
○居住性★★★
これも、あまり時間がなかったのでちゃんとチェックしていない。しかし、こちらもシルビア同様、なんとなく安っぽい。まあ、セダンなので4人乗れるのは間違いない。
○動力性能★★★★
古臭い外見と反し、走りはしっかりしたものだった。まず、走りだしてスグに、ボディ剛性と足回りの剛性の高さが感じられる。シルビアと違い、なんとなく”しっかり”した感じが随所に感じられるのだ。左右に振ってみてもボディもアシもしっかり追従し、破綻のかげりも見えない。ハンドリングは、まさに切っただけリニアに曲がっていくかんじ。パワーも充分。しかし、パワーの出方はリニアすぎて、面白みに欠ける。8thスカイラインのドッカンターボの方が体感的には速くかんじられるし、おもしろかった。まあ、こっちの方が操りやすいし、速く走れるのは確かだが。
280馬力とカタログではうたっているが、かなりあやしい。少なくとも、インプレッサの方がパワフルだ。体感的には250馬力くらいに感じる。
○結論
当たり前だが、全てにおいて8thスカイラインを上回っているし、確実に速くなっている。しかし、その時代におけるインパクトという点では、現行スカイラインは8thの背中も足元にも及ばない。せっかくの新型エンジンも、現在の2Lターボクラスでは、際立った速さとは言えないし、個人的にはアルテッツァの6気筒の方がスムーズだと思う。外観も、スカイラインファン以外には子供っぽすぎて恥ずかしい。おそらく、今回のスカイラインの開発は、限られた素材と条件の中からスカイラインを復活させるとあって、かなり厳しいものだったのであろう。実情は分からないが、そう勘ぐりたくなる”ものたりなさ”を感じさせずにはいられない。素材や技術は決して悪くないのだから、なんとかガンバって欲しい、そう応援したくなるクルマだ。