チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

伊波洋一、高良鉄美両議員が追求。防衛省は、陸上自衛隊勝連分屯地で、保安林に指定された地域で4件の工事をしてきたことを認めた! 県は毅然と原状回復=森林への復帰を指示すべき

2023年04月10日 | 南西諸島軍事強化問題

 政府は「台湾有事」を煽り立て、南西諸島各地に地対艦ミサイル部隊の配備を行っているが、沖縄島では初めての地対艦ミサイルがうるま市の陸上自衛隊勝連分屯地に今年度、配備される。しかも勝連分屯地は、南西諸島各地の地対艦ミサイル部隊を統括する連隊本部となる。

 この問題について、高良鉄美参議院議員が質問主意書を提出した。政府は4月7日、「陸上自衛隊勝連分屯地に2023年度中に第7地対艦ミサイル連隊本部及び本部管理中隊に加え、12式地対艦誘導弾を保持する1個地対艦ミサイル中隊等を含む合計200人程度の部隊の配備を計画しており、そのために必要となる隊庁舎、車両整備場等の施設を整備中である」という答弁書を閣議決定した

 最近のブログ(右側カテゴリー欄の「南西諸島軍事強化問題」参照)で、この勝連分屯地の南東部一帯は保安林に指定されているが、すでに森林はなく、道路・広場等の基地施設に形質変更されてしまっていることを指摘してきた。防衛局は、「1973年に米側から返還された時点において、すでに開発され、森林は存在していませんでした」と弁明しているが、国は米側から返還された時点でこの一帯を森林に原状回復する責任があった。しかも自衛隊はその後、勝連分屯地の保安林に指定された地域をさらに形質変更しており、森林法違反であることは明らかである。

 

 伊波洋一参議院議員が、この問題について照会したところ、防衛省は3月30日、同議員に次のように回答した。

<質問1>これまでの勝連分屯地の保安林に関し、県とどのような調整を行ってきたか?

<回答>

*勝連分屯地内の保安林について、3月14日、沖縄県、防衛局及び現地部隊は、事実関係の確認を行うため、勝連分屯地内の現地調査を実施することについて調整会議を行い、速やかに現地調査を行うことで合意した。

*その後、3月16日に分屯地内の保安林の現況を確認し、現在、防衛局が実施している隊庁舎建設事業エリア内に、保安林は存在していないことが判明した。

<質問2>1973年に自衛隊駐屯地となって以降の、保安林にかかる工事は?

<回答>

現時点において、施工範囲が保安林にかかっていることを確認できた工事は下記のとおり。

・「勝連(23)訓練場新設等土木その他工事」(H24.3.24~H25.3/31)

・「勝連外(23)訓練場新設等電気その他工事」(H24.3.24~H25.3.31)

・「勝連(23震災関連)法面整備工事」(H24.3.23~H25.6.30)

・「陸自那覇外(24補)構内線路整備工事」(H25.4.26~H26.3.31)

 

  すなわち、現在、実施している「隊庁舎新設等建築その他工事」等は保安林地区にはかかっていないが、2012年から2014年にかけては、保安林に指定された範囲で4件の工事を施工したことを認めたのだ。

 森林法第34条2項では、土地の形質を変更する行為は禁止されており、第37条では、「知事は第34条に違反した者に対し、--- 復旧に必要な行為をすべき旨を命ずることができる」とされている。現に沖縄県でも、宮古島や伊計島等での森林法違反行為に対しては、事業者に原状回復させてきた。沖縄県は、今回の勝連分屯地での違反行為に対しても、防衛局に対して、毅然と原状回復を命じなければならない。

 おそらく防衛局は、「すでに森林ではないのだから、保安林の指定を解除するべきだ」と抵抗しているものと思われる。

 しかし、この一帯は海岸部に近く、「風害の防備」のために指定された重要な保安林である。林野庁のホームページでは、「海岸に近接するもので、林帯の幅が150m未満の保安林は、『第1級地保安林』であり、原則として解除は行わない」とされている。勝連分屯地の保安林は、幅が50mほどしかなく、解除はあり得ない。

 ましてこのような場所に地対艦ミサイルを配備することなど論外である。

 (赤線部分が保安林に指定された範囲。右側の広場にミサイルが配備されるものと思われる)

 

 

 

 

 

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