先週は水曜日から金曜日まで東京に行っていたのだが、今週も月曜日、急遽、大阪へ飛んだ。今日(3日・火)、朝一番のフライトで那覇に戻り、なんとか博治さんと稲葉さんの公判に間に合った。
(開廷前の事前集会)
博治さんと稲葉さんは、昨年1月、キャンプ・シュワブのゲート前にブロックを積んだということで、10ヶ月も経ってから威力業務妨害罪容疑で逮捕され、起訴された。今日は2人に対して被告人質問が行われた。
2人の陳述は見事なものだった。博治さんは弁護士さんの質問に答え、基地に翻弄されてきた沖縄の歴史、さらに、何故、沖縄の人々が新基地建設に反対するのかを分かりやすく説明した。また、ブロックを積むに至った経過などを話した後、次のように訴えた。
「特に裁判官の方々に訴えたい。私は、政府によって被告席に座らされているが、沖縄の人々の思いを背中に感じながらこの裁判に臨んでいる。沖縄の人々の怒り、悲しみを分かってほしい。辺野古新基地に反対する沖縄の人々の思いを分かってほしい。私たちは日本国民なのか? 私たちには憲法は保障されているのか? 辺野古だけではなく、嘉手納基地の問題、オスプレイの強行配備、そして先島にまで自衛隊基地が造られ、全島が要塞化されようとしている。こういうせっぱ詰まった状況の中で、私たちはあくまでも非暴力の抗議行動を続けてきた。裁判官の皆さん、沖縄の私たちの叫び、悲痛な思いをなんとか受け止めていただきたい。」
聞きながら、涙が出てならなかった。陳述が終り、傍聴席から大きな拍手がわき上がった。
長い陳述を終えて法廷は休憩に入った。被告席から傍聴席に挨拶する博治さんの目も涙で潤んでいる。傍聴の人々の多くも涙ぐんでいた。
休憩後、稲葉さんの陳述に入った。稲葉さんは落ち着いた口調で、ブロック積前後の状況を説明した後、次のように話した。
「10ヶ月後に突然逮捕された理由が今も分からない。検察・警察の取り調べでは、何度も、『反対のためなら何をしてもいいのですか?』と問い詰められた。しかし、それは違うだろう。むしろ、この問いは、沖縄の人たちが政府に聞き返したい言葉です。
私は、長く外国で暮らした後、沖縄に来てまだ短いヤマトンチュです。それが今回、逮捕・起訴されたのだが、ヤマトンチュとして光栄なことだと思っている。今まで本土の人間として沖縄にかかわってこなかったことの罰かもしれません。」
今日の2人の陳述を聞くことができて本当に良かった。素晴らしい陳述だった。