1月19日(日)、大浦湾に地盤改良工事のためのサンドコンパクションパイル工法作業船(SCP船)が大浦湾に入った。昨日(20日・月)にはもう1隻のSCP船も来た。金武湾には、さらに3隻のSCP船が待機しているというから、合計5隻にもなる。
確かに計画では、C1護岸部では同時に3隻、C3・係船機能付護岸部では2隻のSCP船を並べて地盤改良工事を行うことになっている。それでも地盤改良工事には約2年を要する。「工期9年3ケ月」という工程は、それだけ急いで改良工事をしてやっと可能になるのだ。
しかし、地盤改良工事の前には、汚濁の拡散を防ぐために、海底に厚さ 1.5mの敷砂をする必要がある。昨年末の御用納めの日に敷砂のためのトレミー船が大浦湾に入り、今も敷砂作業を行っているが、まだほんの少ししか進んでいない。起伏の多い大浦湾海底部に均一に厚さ1.5mの砂を敷き詰めるにはかなりの期間を要する。敷砂を終えた場所から順次、改良工事に入るとしても、まだまだ、同時に5隻ものSCP船で作業できるような状態ではない。それにもかかわらず5隻のSCP船を持ち込んでいるのは、工事が進んでいることを見せつけて諦めを誘うためとしか思えない。
あるいは、敷砂が不十分なまま地盤改良工事に着手することも考えられる。そうなれば、大浦湾一面に深刻な汚濁が広がる。
また現在、大浦湾では海上ヤード工の捨石投下、A護岸工の鋼管矢板打設、浚渫工、敷砂のためのトレミー船、地質調査船「新潮丸」等の工事・調査が行われている。防衛局は、工事の遅れにあせり、次々とあらゆる工事に着手しているのだ。大浦湾の環境は今、壊滅の危機に瀕している。
(サンドコンパクションパイル工法作業船(2025.1.20 沖縄ドローンプロジェクト撮影))
上の写真の右側は、A護岸の打設箇所である。約1000本の鋼管矢板を打ち込む必要があるのだが、5ケ月が経過した時点で、まだ60本ほどにとどまっている。それに、数日前から鋼管打設の作業船は現場を離れ、作業は止まってしまっている。
先日には、鋼管矢板の打設状況の異変も確認されている。想定外の問題が発生している可能性が高い。
大浦湾で進む工事の全容(この手前に海上ヤード工がある)(沖縄ドローンプロジェクトの写真に加筆)