チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

防衛局は、大浦湾での敷砂作業を行う前に、昨年実施した軟弱地盤最深部付近での土質試験結果を公表しなければならない! 今、慌てて大浦湾で様々な土質調査を行っているのは何故か?

2025年01月04日 | 沖縄日記・辺野古

 今年は、辺野古新基地建設事業にとって大変な年になるだろう。防衛局は、特に昨年後半から、なりふり構わずに強引な工事を次々と進めている。このままでは、大浦湾は壊滅的に破壊されてしまう。県民の頑張り、そして何よりも沖縄県の毅然とした対応が求められている。

 防衛局は、昨年末(12月18日)、駆け込むように大浦湾に砂を投入し、「地盤改良工事に着手」と大きく発表した。確かに地盤改良工事で砂杭を打ち込むためには、砂杭打設による軟弱土の撒き上がりを防ぐために、砂を厚さ1.5mに敷き詰めることになっている。しかし地盤改良区域(約66万㎡)全域の敷砂には約100万㎥もの砂が必要だから、わずか2時間ほど砂を撒いただけで、「地盤改良工事に着手」というのは、あまりの「過大宣伝」である。2024年のうちに地盤改良工事に着手したと発表することだけが目的だったのだろう。

 今年もまもなく、年末にいったん撤収した砂撒船(トレミー船)や台船等が大浦湾に戻ってきて工事が再開される。当面、C3護岸部で敷砂作業が続くと思われる。

 しかし防衛局は、敷砂の前に、昨年9月以降実施してきた軟弱地盤最深部付近での土質試験の結果を公表しなければならない。

 防衛局は昨年9月から、軟弱地盤最深部(B27地点)付近で、2隻の調査船で土質調査を実施してきた。この調査船は、防衛局が以前、B26地点やB28地点等の深場でのボーリング試験を行った際の調査船と同タイプ(傾動自在型工法)のものだ(昨年9月8日の本ブログ参照)。今回、B27地点付近でボーリング試験が行われたのである。

 設計変更申請の審査の中で、県は再三、B27地点付近ではコーン貫入試験を実施しただけで、地盤の強度を調べるボーリング試験を実施していないことを問題とし、防衛局にボーリング試験実施を求めた。しかし防衛局は、「離れた3地点のボーリング試験結果からB27地点の強度を類推できる」と強弁し、ボーリング実施を頑なに拒否し続けてきた。そのため県は、この問題を、設計変更申請不承認の最大の理由とした。

 ところが防衛局は、今回、受注業者も決まった段階になって、B27地点周辺でのボーリング試験を実施したのだ。防衛省も、「(今回の土質調査は)地盤改良に先立ち、護岸予定地付近の一部で土質調査を実施している」、「強度を評価する調査のやり直しではなく、『別の調査』という位置づけ」とコメントしている(2024.9.8琉球新報)

  しかし防衛局は、「今回の土質調査結果の公表は予定していない」(2024.9.8 琉球新報)と主張している。深場でのボーリング試験やコーン貫入試験は、1ケ所につき約2億円もの巨額の費用を要するものだ(2023 年11月14日、参議院外交防衛委員会での伊波洋一議員の質問に対する防衛省回答)。これだけの費用をかけて、最大の争点だったB27地点付近の地盤の強度を調べる試験を行っておきながら、調査結果を公表しないことなど許されない。基礎地盤、護岸の安定性にかかわるきわめて重要なデーターだが、都合の悪い結果が出ているとしか考えられない。

  (軟弱地盤最深部で始まったボーリング試験(2024.9.4 沖縄ドローンプロジェクト)

 また、昨年12月初めには、深田サルベージの多目的作業船「新潮丸」が大浦湾での作業を開始した。この船も、海底着底型ボーリング機「Unicom-1」の作業母船である。9月からの2隻の調査船以外でも、さらに土質調査が行われているのだ。防衛局はこれらの土質調査の全容と結果を明らかにしなければならない。

(12月に入ってきた「新潮丸」も土質調査船(深田サルベージのHPより)

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