チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

9月8日、陸上自衛隊勝連分屯地の保安林違法形質問題について、沖縄県農水部交渉 --- 県は、「復旧命令をすることは社会通念上適切ではない」と、自衛隊に忖度

2023年09月08日 | 南西諸島軍事強化問題

 今日(9月8日・金)は、今年度、地対艦ミサイル配備が予定されている陸上自衛隊勝連分屯地の森林法違反問題(保安林の違法な形質変更)について、「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会」の沖縄県交渉だった。県は農林水産部統括監、森林管理課長らが対応、市民の会からは、共同代表の山内末子県議、照屋寛之さんをはじめ7名が参加した。

(注)この問題については、下記のブログを参照されたい(他にも右側カテゴリー欄の南西諸島軍事力強化問題を参照してください)

 7月6日のブログ8月18日のブログ

 

 私たちは県に、事前に、「勝連分屯地内の保安林は米軍時代に伐採されたとしても、政府は返還された時点で森林に原状復旧する責任があったが、それを怠ってきた。さらに、その後、陸上自衛隊が保安林地区の土地の形質変更を行地対空ミサイルを設置する広場とした。森林法に基づき、違法に形質変更された箇所を森林に復旧するよう命じること」という要請書を提出していた。

 しかし県は今日、「市民の会」に対して、「米軍が改変した時点から現在に至るまで現に森林状態では無く、かつ森林に復旧することが著しく困難と認められること。災害等による民有地の受益の対象を害するおそれがない(これまでに把握される被害報告はない)ことから、当該保安林について、復旧命令等の監督処分をすることは社会通念上適切ではないものであり、自衛隊に監督処分を課すことも適切ではない」、「法律相談の結果、保安林の指定を解除するのが相当という意見を受けている」という、とんでもない文書回答をした。

 9月6日、県選出の国会議員らによるうりずんの会が、防衛省に勝連分屯地の保安林問題について申し入れたが、対応した小野田政務官は、まさに今日の県と同じ弁明をした。また、8月18日に我々がうりずんの会に同行して勝連分屯地の立入調査に入った時も、防衛局長はほとんど同じ説明をし、「沖縄県と調整していきます」と答えた。県と防衛局の調整が進んでいるとしか思えない。

 あまりの回答に唖然としたが、「市民の会」は次のように県に疑問を呈した。

・「森林に復旧することが著しく困難と認められる」というのは何故なのか?

・「これまでに被害報告はない」と言うが、先日の台風6号でも、勝連分屯地に隣接した米軍基地のレーダー施設が強風で吹き飛んだ(末尾添付の新聞資料参照)。そもそも違法開発して、その後に風害等の被害報告がなければ、違法行為は黙認されるのか?

・森林法違反の形質変更に対して、「原状復旧は困難」「被害はない」として、保安林指定を解除してしまえば、今後、県内の保安林の違法開発の摘発はできなくなる。

・宮古島での保安林違法開発の事例では、20年近く経過した後に発覚したが、県は原状復旧させたではないか? 何故、自衛隊基地の場合は、「復旧命令を課すことは社会通念上適切ではない」と言えるのか? 

 私たちは、7月6日にも森林管理課長らと話し合っている。その際、担当者は、「監督処分については、今回の場合のように、無断で開発された場所については、復旧命令しかないです」と明言していた。その点を質すと、県は今日、「その説明は訂正します」と開き直った。

 今回の県の回答は、保安林の重要性を無視し、自衛隊に忖度したものと言わざるを得ない。

 「市民の会」の追及に、県は最終的に、「今日、お示ししたのは、現段階での検討を踏まえた回答で、最終的なものではありません」と弁明し、再度の話し合いを約束した。「市民の会」は、次回は、副知事又は部長との面談を求めている。

 この問題でも、最終的には、デニー知事の毅然とした対応を期待する他ない。

 

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