昨夕、本部町は突然、港湾使用許可のための審査基準を町役場の掲示板に張り出した。辺野古への石材海上搬送のために本部港の使用許可を出すための準備だ。
また、昨日、沖縄県が辺野古への石材海上搬送のための中城湾港の使用を許可した。県が奥港の使用許可を出したことに対して県民の大きな反発が起こったばかりなのに、再度、県所管の港湾の使用許可を出したことは認められない。
今日(8日)は早朝から本部町へ。本部町島ぐるみ会議の皆さんと一緒に、本部港の管理について、町長への質問状を提出した。現在の港湾管理行政はあまりに杜撰であり、まず、それらの問題をきちんと整理した上でないと、新たな許可などあり得ないというものだ。
(総務課長は不在というので、担当者に質問状を手渡した)
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以下、本部町への質問状を転載する。
本部町長 高良文雄様 2017年12月8日
本部港(塩川地区)の港湾施設使用に関する質問状
本部町島ぐるみ会議
日々、「太陽と海と緑のまち」本部町の発展のためにご努力いただいていることに敬意を表します。
さて、本部町が管理業務の一部を沖縄県から移譲されている本部港(塩川地区)の港湾施設の使用について、下記のとおり質問します。
1週間以内に、文書での回答をもとに、私たちとの話し合いに応じられるよう要請します。
記
1.本部町は本年11月30日、「那覇空港滑走路工事及びシュワブ傾斜堤護岸工事の為」として、本部港(塩川地区)の12月分の荷さばき地の使用申請を許可されました。
本部町行政手続条例第5条では、「審査基準を定めること」、「審査基準を機関の事務所に備付けその他の方法で公にしておかなければならない」と定められています。今回、審査基準が制定されていないにもかかわらず、上記の荷さばき地使用を許可した理由をご説明ください。
2.また、12月分の岸壁使用許可申請についても、離島、那覇を仕向地としたものについては口頭で許可したと説明されました。
しかし、沖縄県港湾管理条例第7条を受けた同施行規則第6条では、「港湾施設の使用の許可を受けようとする者は、---申請書を知事に提出しなければならない」と定められています。申請書を提出させることなく、口頭で許可をしたという今回の措置は、これらの定めに抵触していますが、このような措置を取られた理由をご説明ください。
3.沖縄県港湾管理条例第8条は、「(港湾施設の)使用料は前納しなければならない」と定めています。ところが今までの本部町との話し合いでは、本部町は使用料を前納させていないと説明されています。こうした措置は条例に抵触しており、条例どおり、使用料を前納させるよう改められるべきと考えますが、ご見解をお示しください。
4.現在、本部港(塩川地区)のかなりの部分は、「塩川Pca製作作業所」の看板が出され、安和港桟橋工事のためのプレキャスト製品(スラブ)製作用地として使用されています。名護市の安和港桟橋は、民間企業の専用港ですが、公共施設である県所管の港湾が、民間企業の施設の工事のため作業場とされていることは理解できません。
ところが本部町は、この民間企業の作業場に対して、本年10月20日以降、荷さばき地の使用許可を出されており、12月分についても、「安和港桟橋工事の為」として5800㎡の荷さばき地使用許可を出されました。しかし、荷さばき地使用許可とは、貨物の積卸し・荷さばき等のための一時的な使用を対象としたものであり、このような民間企業の作業場は港湾法で定められている港湾施設には該当しないことは明らかです。沖縄県港湾課も、現地を確認した上で、「港湾施設の利用法としては適正ではない」という見解を示しています。
何故、このような民間企業の作業場に対して荷さばき地の使用許可を出されたのか、その法令上の根拠をご説明ください。荷さばき地の使用許可の対象とならないことは明らかですから、使用している業者に対して、撤去を求めてください。
5.さらに現地には、現在、北部港運(株)の事務所を含め数棟のコンテナハウスや、トイレ施設、タイヤ洗浄のための洗浄装置などが設置されています。これらが港湾施設であるとするのであれば、県港湾管理条例、同施行規則に基づき、知事に港湾施設用地の使用許可を受ける必要がありますが、その手続はされていません。
本部町は、これらの施設の所有者に施設を撤去させ、必要な場合は沖縄県に申請手続を行うよう指導すべきと考えますが、ご見解をお示しください。
6.以上、述べてきたように、現在の本部港(塩川地区)の港湾施設使用手続には、県港湾管理条例、同施行規則に抵触する多くの問題があります。
本部町は、まず、これらの問題を全て整理した上でないと、新たな港湾施設使用許可の手続に入ることはできないと考えますが、ご見解をお示しください。
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午後、大急ぎで那覇に戻り、県庁へ。昨日、県が中城湾港の使用許可を出したことに対する沖縄平和市民連絡会としての要請・抗議行動だ。急な呼びかけだったが、10人ほどが集まった。
(沖縄県港湾課の担当者に要請書を渡す)
以下、知事宛に出した要請書を添付する。
県港湾課に要請書(抗議文)を提出した後、県庁記者クラブで会見。要請書(抗議文)の説明をし、記者からの質問を受けて考えているうちに、今回の中城湾港の使用許可の意味がますます明確になった。
知事は、奥港の使用許可を取り消すのではないかと言われている。しかしそれは、奥港から石材搬送をひとまず再開させて様子を見る、その結果、環境への悪影響が確認されれば使用許可の取消しもあり得るということにすぎないのだ。奥港の使用許可取消しが近いのなら、石材搬送のための台船は無くなり、中城湾港での燃料補給や乗組員の休憩等はない。近いうちに奥港からの石材搬送が再開されるのだから、それに伴う中城湾港の使用が必要になるというのだろう。
このような対応は許されない。知事は、奥港の使用許可、中城湾港の使用許可をただちに取り消さなければならない。このままでは、民意は知事から離れていく。
夕刻、南風原町で開かれた加藤琉球大学名誉教授の「大浦湾海底に活断層か?」という講演会(南風原島ぐるみ会議主催)へ。13日の防衛省交渉の一つのテーマが活断層問題だ。この問題についての防衛省への質問事項作成には加藤先生にも随分、お世話になった。