今日、8月24日、8月29日のブログで問題にしてきた大浦湾の地盤改良工事について助言するという防衛局の「技術検討委員会」が発足した。
その委員名は次のとおりである。
私は、8月24日のブログで次のように指摘した。
「問題は地盤改良工事が技術的に可能かどうかということだけではない。最も重要な問題は、あの豊かな自然が残されている大浦湾の環境に致命的な影響を与える、こんな大規模な地盤改良工事が許されるのかどうかという環境面の問題である。報道によれば、有識者会議は土木工学の専門家だけで構成される。せめて形だけでも環境面の専門家を入れるのならともかく、もう結論は目に見えている。全くの茶番劇としか言えない。」
しかし今日、発足した技術検討会は、こうした環境面の問題を全く対象とはしていない。
また、8月29日のブログでは、「運輸省や建設省出身の大学教授を委員としてはならない」とも指摘した。
しかし、上の表でも分かるように、運輸省港湾技術研究所(当初の組織名)出身、また現職の研究者が3名もいる。防衛大学校教授を含めると8名中、4名がまさに国の立場そのものの教授たちである。それ以外の委員には、何の関係があるのか、道路舗装が専門という教授もいるから、こうした国の立場の委員らが主導権を持つことは目に見えている。
防衛局が設置した環境監視等委員会は、すでに、事業推進のための御用機関となってしまった。この技術検討会は、もっと露骨に、今後国が提案してくる地盤改良工事の設計概要変更申請にお墨付きを与えようとするだろう。
<追記>
その後、入った情報では、運輸省港湾技術研究所出身の清宮早大名誉教授が委員長になったという。調べると、彼は、大学を退官後、ジェコス㈱の取締役に就任している。この会社は仮設鋼材のリース会社で、JFEホールディングの子会社である。
JFEホールディングは、今回の工事で大浦湾のケーソンを製造すると言われているJFEエンジニアリングの親会社でもある。
そんな会社の取締役を技術検討会の委員長に据えたのだから、これはもうあまりに露骨な人事と言わざるをえない。