チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

9月28日(火)、本部塩川港のベルトコンベア設置許可問題について、北部土木事務所と11回目の交渉!(質問事項全文掲載)

2021年09月26日 | 辺野古/ 本部塩川港・安和桟橋

 沖縄県が、辺野古への土砂海上搬送を加速する本部塩川港へのベルトコンベア設置を許可したことに対して、県民の疑問の声が沸き上がっている。

 ベルトコンベア設置の港湾施設用地使用許可は、月単位の許可なので、10月分の許可を出さないよう求める北部土木事務所との交渉が9月28日(火)に設定された。4月末依頼、11回目の交渉となる。

 以下、要請書の全文を掲載する。

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北部土木事務所長様                 2021年9月21日                                   

   本部塩川港でのベルトコンベア設置許可問題に関する質問と要請                                                          

                         本部町島ぐるみ会議                                       

 

  本部塩川港でのベルトコンベア設置許可問題について下記のとおり質問します。また、来月分の港湾施設用地使用を許可しないよう申し入れます。

                  記 

1.港湾使用の実態について

1-1. 北部土木事務所は、「今回の許可により、申請者だけが港湾を利用できるということではなく、他の利用者は、他のバース、荷さばき地を利用できる状態であることから、特定の業者に優遇した不平等な取扱いには該当しない」という答弁を繰り返している。

 しかし現在、本部塩川港では、B1、B2、B5、B6のバースが辺野古への土砂海上搬送のために使用されている。また、B3、B4の後ろの荷さばき地は段差や北部土木事務所が港湾施設用地使用許可を出したタイヤ洗浄装置や水タンク、沈殿池等があり、荷さばき地としては利用できない。「他のバース」とは何処のことをいうのか、説明されたい。

「他の利用者は、他のバース、荷さばき地を利用できる」という説明は撤回すべきではないか?

 

1-2. 8月19日以後、現在までのベルトコンベア稼働日数を明らかにされたい。4月以降、月のうち3分の1ほどしか使用していないにもかかわらず、月をとおして許可を出すことに問題はないのか?

 

1-3. 本年7月分以降のベルトコンベア設置のための港湾施設使用許可申請書には、「シップローダ関連機材台風避難図」が添付されている。そこでは、台風時にはベルトコンベアや鋼製桝、濁水処理桝等を港の奥の部分に移動するとして、「実際の避難時においては、別途港湾施設用地使用許可の申請を行う」と記載されている。

 7月以降、台風が2回接近した。その都度、ベルトコンベア等は上記台風避難図に記載された場所に移動されたが、その際、港湾施設用地使用許可は出されたのか? 

 

1-4. 開示されたベルトコンベア設置の港湾施設用地使用許可申請書(本年8月分)のシュワブ埋立工事配置図(P4~P8)のプラフェンス・小堤工の位置の色塗り部分が不明確で、その位置・延長がよく分からない。次回の意見交換の前日までに、それぞれの位置が明確に分かる図面を提出されたい。 

 

2.港湾施設用地使用許可の法的根拠について

2-1. 今回、本部塩川港でベルトコンベア設置について港湾施設用地使用許可を出した個所は、「荷さばき地」(F-4-11)である。

 港湾法第2条第5項では、「港湾施設」を、「水域施設、外郭施設、係留施設、臨港交通施設、荷さばき施設(荷さばき地等)、旅客施設、保管施設、船舶役務用施設、港湾公害防止施設、廃棄物処理施設、港湾環境整備施設、港湾厚生施設、港湾管理施設」とし、その敷地を「港湾施設用地」と定義している。

 沖縄県港湾管理条例施行規則第6条には、「荷さばき地」、「港湾施設用地」とあるが、それぞれの定義を説明されたい。港湾法の定義とは異なるのか?

 

2-2. 2018年2月~6月当時、今回と同じ荷さばき地にベルトコンベア等が設置された。それは、県の港湾施設用地使用許可ではなく、本部町長の荷さばき地使用許可によるものであった。また当時は、コンテナハウスやタイヤ洗浄装置等についても、本部町長が荷さばき地使用許可を出していた。

 以前はベルトコンベア等について、本部町長が荷さばき地使用許可を出していたにもかかわらず、2018年7月以降は、県が港湾施設用地使用許可を出すようになったのは何故か? 従前の措置との整合性に問題はないのか?

 

2-3. 荷さばき地の使用許可は、沖縄県港湾管理条例に基づき、本部町長の権限である。

 この点については2018年3月、沖縄県監査委員が、「本件港湾の施設の使用許可に関する事務は、本部町の事務となっていることから、荷さばき地としての申請に対して、どのような設備の設置を認めるかは、一義的に、設備の形態、設置の理由、必要性等を個別具体的に検討して、本部町長が荷さばき地としての許可が適当かを判断するものだと解される」(監第914号)としているとおりである。

 今回、北部土木事務所は、「移動できない固定物の設置なので港湾施設用地使用許可とした」という説明を繰り返している。「移動できない固定物は港湾施設用地使用許可」とする根拠を説明されたい。港湾法、港湾管理条例にその根拠があるのか? 

 

2-4. 北部土木事務所は8月25日、「本部町はシップローダを使用した資材の積込みに関し、荷さばき地としての許可は適当ではないと判断しています。それを受けて、県が港湾施設用地使用許可を出しました」、「本部町から疑義が生じているという話がありました」と説明した。

 本部町からこのような「判断」・「疑義」が、何時、どのような形で北部土木事務所に示されたのかを具体的に説明されたい。

 また、そのことを示す本部町との協議文書の存否について、北部土木事務所は8月25日、「確認したいと思います」、「再確認します」と答えた。協議文書の存否を説明されたい。

 

2-5. 北部土木事務所が所管する他の港湾でも、ベルトコンベアや固定物等の設置は、港湾施設用地使用許可を出しているのか? その事例を説明されたい。

 また、北部土木事務所の所管以外の県の港湾で、そのような事例があるのかについても、港湾課に照会した上で回答されたい。 

 

3.年に842万円も軽減された港湾使用料の疑問

3-1. 港湾施設の使用料は沖縄県港湾管理条例第8条に基づく別表第2で定められている。今回のベルトコンベア設置については、「種別:港湾施設用地使用料」の「区分:港湾機能施設用地その他」で使用料を算出したというが、ここでいう「港湾機能施設用地」の定義を説明されたい。

 

3-2. 従来の荷さばき地使用許可を今回、港湾施設用地使用許可に変更したため、使用料が年額842万円も減額され、その分が県の損害となっている。辺野古への土砂海上搬送は今後、数年続くことから、県の損害総額は莫大な額となる。県民として到底、納得できない。

 この問題について北部土木事務所は次のように説明してきた。

 ・「私もこの差額は大きいと思う」(6月15日)

 ・「私もこういう差が出ることは初めて分かりました。現在、港湾課と確認・検討しているところです」(6月29日)

・「使用料のあり方については、今、いろいろと精査しているところです」(同)

・「引き続き港湾課と確認し検討を行っているところですが、内容が条例や規則の解釈にかかわることから時間を要しています」(8月25日)

 北部土木事務所は、今回の措置について「問題はない」と主張しているのではなく、「確認・検討」の必要があると認めている。しかし、検討作業が始まってすでに3ケ月が経過したが、未だ、その検討結果が出ないまま、同様の計算方法で使用料が決定されている。

 検討作業が何故、このように遅れているのか? 検討作業の結論が出ないまま、毎月、許可を出し続けているのは何故か?

 

3-3. 今回は、荷さばき地の使用であるから、沖縄県港湾管理条例第8条に基づく別表第2の「荷さばき地使用料」に基づき、使用料を算定すべきではないか? 

 

4.数々の違法行為、許可条件違反行為。「港湾施設使用許可に係る審査基準」との矛盾

4-1. 今回、ベルトコンベアが設置されて以降、申請業者は次のような、違法行為・許可条件違反行為等を続けている。我々が指摘しても、北部土木事務所は、「指導する」、「改善させる」と繰り返すだけである。

 しかも、粉じん発生の事例のように、7月29日には、「このような実態については我々も確認しなければならない。問題があれば保健所とも連携して指導していきたい」と答えながら、翌30日には、何の確認・指導もしないまま8月分の許可を出すなど、きわめて無責任な対応を続けている。

 問題があった場合は、少なくともそれが改善されるまで、翌月分の許可を保留するなどの毅然とした対応をとるべきではないか?


  1. 申請書では小堤工(大型土嚢)の開口部は、エプロン部分以外には幅8m×2ヵ所とされているにもかかわらず、3ヵ所以上の開口部を設けていることが多く、北部土木事務所から再三、指導を受けた。

  2. 北側の港湾道路部分に許可範囲をはみ出してプラフェンスを設置し、北部土木事務所から指導を受けた。

    3. ベルトコンベアや重機を移動させる際、キャタピラの下に鉄板を敷く等の養生を行わず、舗装面が著しく破損する事例が続き、北部土木事務所から再三、指導を受けた。

   4. 1日に1000台ものダンプトラックの進入により、港の入口部の港湾道路の舗装が大きく破損していること。

   5. ベルトコンベア設置についての大気汚染防止法に基づく一般粉じん発生施設設置届出書には、「散水車による散水」と記載していた。しかし、現地では散水を全く行わないため、凄まじい粉じんが舞い上がるなど、大気汚染防止法違反の状態が続いていた(我々の指摘により、北部保健所が追加の対策を指示し、高圧洗浄機を設置した)。

    6. 当初の申請では、港湾施設用地の寸法・面積を間違って記載し、隅切り部分も無視していた(本年4月分の申請書は南北幅:86m、面積3096㎡だったが、5月分以後は南北幅84.6m、面積3014㎡に訂正した)。

    7. 7月、8月の2回、台風時にベルトコンベア等を港の奥に避難させたが、それに伴う港湾施設用地使用許可を取得していない。

 

4-2. これらの違法行為は、本来なら土木事務所の職員が見つけ、是正させるべきものだが、全て我々が指摘したものである。何故、土木事務所の職員が見つけることができなかったのか? 

 ベルトコンベアが設置された本年5月以降、北部土木事務所の職員が本部塩川港に来た日数、業務内容を明らかにされたい。

 

4-3. 県港湾管理条例第7条に基づく「港湾施設使用許可に係る審査基準」では、「港湾施設等が損傷又は汚損されるおそれがないこと」、「環境を悪化させるおそれがないこと」等と定めている。上記の数々の違法行為は、これらの審査基準に抵触しないのか? 

 

5.濁水対策について

5-1. 本部塩川港では現在、1日に約1000台ものダンプトラックが入っている。北部土木事務所は、これらのダンプトラックのタイヤ洗浄後の処理水は、「沈殿池に入れて、上澄み液を放流している」というが、実際には降雨時等はすぐに港内に放流されている。このタイヤ洗浄装置や沈殿池も、北部土木事務所が港湾施設用地使用許可を出したものだが、ベルトコンベア設置には濁水処理プラントが必要というのであれば、沈殿池にも同様の濁水対策が必要ではないか?

 この点について北部土木事務所は、6月24日、「タイヤ洗浄後の汚濁水については、流出水の濁度を測定し、適切に処理するよう事業者を指導します」と回答した。

 しかし、ベルトコンベア設置の港湾施設用地使用許可書には、「使用許可範囲内から濁水処理水を排出する際には、浮遊物質量を測定し、記録を行うこと。港湾管理者が求める場合にはその記録を提出すること」という許可条件が付けられているが、タイヤ洗浄装置や沈殿池の港湾施設用地使用許可書にはそのような許可条件を付けていない。同様の許可条件を付けるべきではないか?

 

5-2. ベルトコンベア設置の港湾施設用地使用許可書の許可条件にある「浮遊物資量の測定記録」の提出を求めたことがあるか? その内容を説明されたい。 

 

6.その他

6-1. 本部塩川港の警備員は、休憩時に不織布マスクを使用する者も出てきたが、業務中は今も感染予防には全く効果がないマウスシールドだけである。

 この問題について、北部土木事務所は8月25日、「事業者には4回指導した。防衛局にも4回要請した」と説明したが、その後、どのように指導してきたのか?  文書による指示は行ったか?

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