本部塩川港では本年4月から、辺野古埋立の土砂海上搬送を加速させるためにベルトコンベアが設置された。ベルトコンベアの設置許可については、沖縄県北部土木事務所との交渉を続け許可の取消を求めているが、さらに新たな問題が明かになった。
末尾の写真を参照されたい。ベルトコンベアの稼働時、凄まじい粉じんが舞い上がっているのだ。
ベルトコンベアは大気汚染防止法で一般粉じん発生施設とされている。設置にあたっては知事への届出が必要で、環境省令で定める構造並びに使用及び管理に関する基準を遵守しなければならない。その基準では、「フード及び集じん機が設置されていること」、「散水設備によって散水が行われていること」、「防じんカバーでおおわれていること」のどれかに該当することとされている。
しかし、このような対策が講じられておれば、末尾のような凄まじい粉じんが舞い上がるはずはない。そのため、7月30日、沖縄県北部保健所を訪ねた。末尾の写真は、26日に県の環境保全課に渡したのだが、すぐに所管の北部保健所にも送付されていた。
写真を見た保健所の担当者も、「ずいぶん粉じんが舞い上がっていますね」と驚いた様子だった。
今回のベルトコンベア設置については、昨年2月、琉球セメント㈱が沖縄北部保健所に大気汚染防止法に基づき、一般粉じん発生施設設置届出書を提出している。その届出書では、「一般粉じん発生飛散防止のための装置」として「散水車」とされている。
本部塩川港では本部町島ぐるみ会議のメンバーが常時、監視を続けている。しかし、5月にベルトコンベアが稼働して以降、今までに散水車がベルトコンベアの土砂に散水をしたことなど一度もない。散水車は港内の道路に散水しているにすぎない。大気汚染防止法届出の内容が全く遵守されていないのだ。
これは大気汚染防止法第18条の3の「基準順守義務」に違反する。同法第18条の4では、「知事は、一般粉じん発生施設を設置している者が前条の基準を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて当該一般粉じん発生施設について同条の基準に従うべきことを命じ、又は当該一般粉じん発生施設の使用の一時停止を命ずることができる」とされている。この知事の命令に従わない場合は、懲役・罰金という罰則規定もある。きわめて厳しい法令なのだ。
30日、北部保健所の担当者は、「このような状態では業者を指導する」、「今後、このようにベルトコンベアが舞い上がっている場合は、保健所に電話をしてください」と約束した。
大気汚染防止法違反は明らかである。県は毅然と業者を指導し、ベルトコンベアの使用を一時停止させなければならない。