11月1日(火)、早朝のフライトで東京へ。午後1時から衆議院議員会館で開催された辺野古埋立土砂搬出反対全国連絡協議会の防衛省、環境省交渉に参加した。
防衛省は整備計画局の担当者、環境省は自然環境局の室長、課長らが出席。国会議員らも、衆議院本会議が開催され、TPPも緊迫している時だったが、衆議院からは近藤昭一さん(民)、赤嶺政賢さん(共)、参議院からは伊波洋一さん、福島みずほさん(社民)、武田良介さん(共)、山添拓さん(共)、相原久美子さん(民)、石橋通宏さん(民)らが参加された。
交渉の主な内容は、①「生物多様性国家戦略」と辺野古埋立の関連、②土砂搬出地の海域の6割が環境省が指定した「重要海域」に選定された海域に面している問題、③「埋立土砂の供給業者に所要の調査を義務づける」というがその具体的内容、④岩ズリは洗浄可能か、⑤9月の国際自然保護連合の決議をどう捉えるか等だった。
防衛省は、「土砂の供給業者に所要の調査を義務づける」という答弁に終始し、環境省も、「事業者が十分な対策を実施していくべきもの」というような無責任な態度に終始した。
埒があかないので、奄美大島から来られた大津幸夫さんが、持ってきた岩ズリを防衛省、環境省の職員らの前に突きつけた。「那覇空港の埋立では、石材を120秒ほど洗浄したというが、こんな細かい土を含んだ岩ズリの洗浄は不可能ではないか!」と追求したが、実際の岩ズリを突きつけられて、彼らは全く何の回答もできない。
(奄美大島の岩ズリを政府職員に突きつける阿部悦子共同代表)
交渉の中で、防衛省の担当者は、「今年度から3ケ年で土砂購入費として816億円予算計上している」ことを明らかにした。県外からの土砂の「埋立土砂の採取運搬費、埋立作業」の費用という。しかし、辺野古の埋立は、もし本体工事が始まったとしても、初年度に大浦湾の最奥部の護岸造成、2年目に辺野古ダム周辺の土砂による埋立が行われ、県外からの土砂持ち込みはその後になる。今年度から県外からの土砂搬入など全く不可能であるにもかかわらず、このような巨額の予算をつけているのは何故なのか? さすがに業者との契約はまだだというが、辺野古新基地建設事業では埋立護岸の工事なども全く展望もないのに業者との契約を済ませたものが多い。国は、裁判の中でも、「辺野古新基地建設事業ではこれだけ多額の契約を終えているから、中止すれば損害が大きい」などと主張してきたが、この816億円の予算計上もそのためのものだろう。