チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

2019年から、中城湾港から辺野古埋立土砂が搬送されていた! --- 埋立承認の際の「留意事項」違反

2025年01月15日 | 沖縄日記・辺野古

 昨年11月、県東海岸の中城湾港から大浦湾に、宮城島の鉱山の土砂の海上搬送が始まった。中城湾港は県管理の港湾だが、今回は、港湾整備のために国が一時的に管理している用地・岸壁に、沖縄総合事務局が辺野古受注業者への国有財産使用許可を出したのである。港湾法では「港湾は地方自治体の管理」とされており、国は港湾管理者とはなれないから、このような手法は「脱法行為」と言わざるを得ない(詳細は昨年11月25日のブログ参照)

 この問題について、「うりずんの会」(沖縄選出野党国会議員団)が沖縄総合事務局へのヒヤリングや資料要求を繰り返してきた。その結果、さらにとんでもない事実が明かになった。

 この国管理地からは、なんと2019年から辺野古への埋立土砂が搬送されていたのである。

 辺野古埋立承認申請の「土砂に関する図書」では、埋立土砂の採取場所は、県内では本部地区、国頭地区から海上搬送とされており、中城湾港の使用は想定されていなかった。埋立承認の際の「留意事項」により、「土砂に関する図書」の内容を変更するためには知事の承認が必要である。
 その後、設計変更申請書の「土砂に関する図書」で、県内では本部地区、国頭地区からの海上・陸上搬送に加えて、南部地区と宮城島地区から那覇港、中城湾港経由で海上搬送するとされた。国が、一昨年12月末に設計変更申請を代執行で承認したことにより、初めて中城湾港からの土砂搬送が可能になったのだが、実際には2019年から中城湾港を利用していたのだ。重大な「留意事項」違反である。

 

 

 下の表1が、2019年から今まで、沖縄総合事務局が中城湾港の国管理地からの辺野古への土砂搬送のための国有財産使用許可の一覧である。辺野古側の埋立工事を受注していた大成建設等のゼネコンが申請して、4ケ月毎に許可が出されている。

 申請書・許可書では、使用目的として、「キャンプシュワブへの石材等運搬」、「荒天時の船団避難」とされている。

 ここでは、「石材等」と記載されているが、防衛局は、埋立土砂を「岩ズリ」と称しており、「等」とは岩ズリのことであろう。当時、辺野古の工事では辺野古側の埋立のために土砂が搬入されていたが、これらは全て陸上搬送であり、海からの土砂搬入はなかった(護岸造成工事の際には捨石等の石材が搬入されたが、これは全て陸上側からの押し出し工法で造成された。昨年1月から海上ヤード工事が始まり、塩川港から捨石が海上搬送されてきた。当時は、石材の海上搬送はなかった。)

 一度や二度の使用ではない。2019年4月から連続して使用しているのであり、使用料は4ケ月で約550万円という高額だ。「留意事項」違反となる昨年1月以前の使用料の総額は約8200万円にもなっている(下表の1~15の使用料)

 沖縄県や報道機関が沖縄防衛局に対し、2019年から辺野古埋立土砂の海上搬送に中城湾港を使用していたのかと問い合わせているが、未だ回答がないという。

 沖縄県の担当者も、「代執行よりも前に中城湾港を使っていれば違反のおそれがある」とコメントしたようだが(2025.1.15 沖縄タイムス)、長期間に及ぶ極めて悪質な違反行為である。

 どのように弁明するのか、防衛局の回答に注目している。

 

 

 

 

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