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わたしの家には、謎がある―双子の妹は、その存在を隠して育てられた。家族の秘密を辿ることで浮かび上がる、人生の意味、時の流れの不可思議。生きることの孤独と無常、そして尊さを描き出す、大島真寿美の次なる傑作。
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作家になった豊世の孫である、るみ子が祖母から聞いた話を記録した。それは祖母の双子の妹、嘉栄の秘密。
お手伝いさんのお駒さんの、身篭る人がわかってしまう不思議な能力・・・これはホラー?と一瞬思った。
140歳を超えた嘉栄は姉の孫のるみ子より長生きしているわけだから、記録をみつけて読み、化け物扱いされていると憤慨し附記として書かれている。この嘉栄附記がギュッと詰まっていてよかった。
ふと現実に戻ると、先天的遺伝子異常を原因とする早老症のひとつプロジェリア症候群があるのだから、逆になかなか年をとらないというのも・・・
葛藤の日々が描かれています。すごいな!この話・・・
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