



端々しい感性と肌理細やかな心理描写で注目される著者が紡ぎ出す、ポジティブな気持ちになれる物語。看護師、会社員、母親。その淡々とした日常に突然おとずれる、言葉を失うような、背筋が凍るような瞬間。どん底の気持ちを建て直し、彼らが自分ひとりで人生に決断を下すとき何を護り、どんな一歩を踏み出すのか。人生の岐路に立つ人々を見守るように描く、12編の傑作短編集。

”解説”を読んだら(次の段落、自分で「越境」ぶりを発見した方は飛ばして下さい)と書いたあった。
あーやっぱり。と思ったのだけれど、まだまだ「越境」していたのね。気づきませんでした。
アンデスの声 / 転がる小石 / どこにでも猫がいる / 秋の転校生 / うなぎを追いかけた男 / 部屋から始まった / 初めての雪 / 足の速いおじさん / クックブックの五日間 / ミルクティー / 白い足袋 / 夕焼けの犬

むずむずしはじめて、評判の台湾の先生のところまで一人で行ってみる。その、むずむずっていうのがね・・・
その先生に「流しなさい」「泳ぎなさい」と言われ通常、5日分しか出ないお薬が、わざわざ日本から来たってことで2週間分出してくれた。で、「流してしまえ」とバリまで会社休むことにして行っちゃう。
いいねっ!そうだ、そうだっ!

公園に足の速いおじさんが住んでいる。と、聞いた。そのおじさんは水のみ場の玉を守っているらしい。ってことから、もしや・・・?
お母さんは新婚旅行でスペインに・・・弟探しに?
おかあさんに聞くと「ぜったいに生きている」
玉と俊足とスペインとガウディとアメリカとおばあちゃんのハンバーグ・・・わからないで終わっちゃた。

ぴんと来る。なるほどね。
2月に生まれたのだけれどオーストラリアで生まれたから、お名前 真夏。うるう年2/29生まれの高野君の指導社員。
トラぶった高野君に、いても立ってもいられない元指導社員はミルクティを淹れて上げる。
わが息子は何にも言わないけれど、ちゃんと社会人しているのかしら?なんてキュンとしたわけ。

病院の屋上からの景色が目に浮かびます。
そうね、病院ってそういうところね。
で・・・?って感じのお話もあったけれど・・・
