内容紹介
おじいさんの家で過ごした日々。それは、ぼくにとって唯一無二の帰る場所だ。ぼくは時おり、あの頃のことを丁寧に思い出す。ぼくはいつだって戻ることができる。あの、はじまりの夏に――。おとなになってゆく少年の姿をやさしくすこやかに描きあげ、野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した感動作。
読書備忘録
映像が広がって、田舎のない子供のころの夏休み、佐原の祖父の親戚の家で、田舎ねぇーのかかわいそうだなぁーと言われながら過ごした日々を思い出した。
伊能忠敬はそのころ知った。
うちの子達も田舎がないから、森に家を建てた。
が、
人がいないから田舎じゃないのよね。
夏休みになると遊んでいた友達がみんな田舎に行っちゃうから、遊ぶのは兄弟二人きり。
可哀そうだからあちこち連れて行った。
そんなことを思い出しながら読んでいた。
母親がみどりさんと一緒に何かを始めるんで転校の話が出たときには、どうする?えだいちっ!
そのお母さんは若いころ夫を亡くしてきっとどうかしちゃったのかもしれない。
そのせいでえだいちは仕事も変わらざるを得なかった。
母親とみどりさんの話が出てくるとわさわさした。
「水槽の世界」かぁ・・・
おじいさんも先生も周りにいい大人たちがいた。
そして何より、押野との出会いがキラキラした子ども時代の思い出となった。
「どんなことも静かに受け入れていくのがぼくの人生で日常だ」
★★★★★