作品紹介・あらすじ
「なんで生まれてきちゃったんだろうって、ずっと思っていました」
“ひとり”が当たり前になった時代に、映画監督・荻上直子がろくでもない愛すべき人々のアパート暮らしを描く、書き下ろし長編小説。
高校生の時に母親に捨てられ、知り合いの家や建設現場を転々とし、詐欺で入った刑務所で30歳を迎えた山田。出所後に海の近くの塩辛工場で働き始めた彼は、川べりに住みたいと願い、ムコリッタという妙な名前のアパートを紹介される。そこには図々しい隣人の島田、墓石を売り歩く溝口親子、シングルマザーの大家の南など、訳ありな人々が暮らしていた。
そんな山田に、役所から一本の電話がかかってきた。幼い頃から一度も会っていない父親が孤独死したので、遺骨を引き取ってほしいという――。
ずっと一人きりだった青年は、川沿いの古いアパートで、へんてこな仲間たちに出会う。友達でも家族でもない、でも、孤独ではない。“ひとり”が当たり前になった時代に、静かに寄り添って生き抜く彼らの物語。
読書備忘録
あ!そっか・・・島田さんに言ってなかったのね。山田さんのちょっとした隙に忍び込んだ悪い事!
職場もよかったのよ。山田さん!その山田さん!ここムコリッタで大丈夫?って思っていたけれど、みんな結局いい人だった。
大家の南さんが山田さんのお父さんの遺骨をこともなげに石で砕き始めた。南さんらしいわね。
島田さんのお友達の住職ガンちゃんもいい。
ピアニカでドーとかミーとか出してのお話しできなかった溝口息子も、もう大丈夫かなーなんて思った。
映画にしないの?
★★★★★