内容紹介
高齢者医療の現場を知る医師でもある著者の「認知症介護」小説。 テレビ、新聞・雑誌で話題になった『老乱』につぐ第二作。
45歳の矢部好太郎は有料老人ホームから認知症の父・茂一を、一念発起して、自宅マンションに引き取ることにした。 認知症専門クリニックの宗田医師の講演で、認知症介護の極意に心打たれたからだ。勤めるコンサルタント会社には介護休業を申請した。妻と娘を説得し、大阪にいる弟一家とも折にふれて相談する。好太郎は介護の基本方針をたててはりきって取り組むのだが……。 隣人からの認知症に対する過剰な心配、トイレ立て籠もり事件、女性用トイレ侵入騒動、食事、何より過酷な排泄介助……。ついにマンションでは「認知症対策」の臨時総会が開かれることになった。 いったい家族と隣人はどのように認知症の人に向き合ったらいいのか。 懸命に介護すればするほど空回りする、泣き笑い「認知症介護」小説。
読書備忘録
これはちょっと・・・と読んでいたが、ほんとにこんなに明るくいられたらいいのにな~・・・
マンションのお隣の娘ちゃんがいい味出していた。お隣もいろいろありましたものね。大変さはよっくわかっていたのね。ほんとは・・・
弟夫婦がいいわー・・・!知識もあるし相談相手にはぴったり。兄弟で話し合いができるってのもいいし、冷静に話を聞いてくれるのもいい。
義母はおむつに手を入れて、やってしまっていた人・・・入院していたから、お小言を聞くだけだったからよかったものの、お家でやられたとしたら、以前の関係なんかもあるから、どうなったかはわからない。という怖さもあった。
親の介護と言うより、すでに自分たち夫婦の心配をしないといけない世代。どんな年寄りになるかわからないのが怖い。はい、あなたはこういう年寄りね。はい、あなたはこの手の認知症になります。なぁんて事がわかればいいのにと、訳の分からないことを思ったりしている。
ほんのちょびっとの私のヘルパー時代・・・ガスはね・・・ヘルパーが入ったとわかるとご近所は真っ先に火の始末の心配をした。利用者さんが火を使えないようお願いされ、ガスの元栓どころかプロパンのお家は、外のそこまで止めて帰ってきた。見ています、ご近所は・・・見守ると言うより、見ていました。帰り支度をしていると、ガス止めた?と聞きに来た方もいましたし・・・
”進行を抑える薬があるから早期発見!と聞いていたからそう思っていたけれど、製薬会社がそう宣伝しているだけで、実際にはほとんど効果はない。”
”もともと認知症の進行スピードは人によってバラバラです。それをいっしょくたに治験しても、とても意味があるとは思いません。”
厚労省が薬を認可するのは、満足なデータの出る薬がないからで、ベター・ザン・ナッシングというやつ・・・質問した泉が絶句した。
私たちの番だわね!
★★★★☆