毎年のことだが、町の中ほどを流れる川の土手で、仲間と花見をすることになっている。今年は、生憎、皆の都合がつかず、結局二人だけでの花見になってしまった。行ける者が勝手に集まるので、行ってみなければ誰が来るかも分らない。冷酒とビールを多めに用意して、肴と一緒に持っていったが、最後まで二人。
この土手に植えてあるのは、桃色で小振りな花を付ける枝垂桜。一重と八重があり、例年、一重から咲き始める。今年の花見のタイミングは一重が盛りを過ぎ、八重が満開。良いタイミング、そして朝から気温が上がり4月とは思えないような陽気だ。
随分と沢山用意した酒が、二人だというのに減ってゆく。寝っころがって空を見る・・・。
随分と綺麗に晴れ上がったものだ。空は雲ひとつなく、青い。その中に上品な桃色の枝垂桜。
カラスがトンビを追いかけている。意地の悪い奴だ。トンビはなんておおらかなんだろう・・・。
寝転んだまま、後の方を見ると大きな犬が遊んでいる。
川原を少し、歩いた。
多分、スズメノエンドウ
・・・。
マツバウンラン
目立たない小さな花たち。
結局、用意したものは全部、飲み、食べてしまった・・・。
橋の向こうはソメイヨシノ。あっちも満開だ。
気持ち良く飲んだので、家に歩いて戻った。