「とんど」というのは分かったのだが、燃え落ちた後に訪れたのが残念だった。町内の人が集っていて、実はこの後ろでは沢山の人たちが集って、餅や飲み物がふるまわれていた。ちょっと、よそ者が長居しにくい様子だったので、早々に退散した。
車に戻って自宅に向けて走る。田圃の間の道を走っていると、何とこれから火を付けようとしている「とんど」に出会った。
車を道の脇に停めて、カメラを持って田圃の中に入って歩いて行く。こっちのとんどに集った人は10人くらいかな。みんな楽しそうにしゃべりながら、火を付けて遊んでいる。これはもう、随分、酒が入っているな。カメラで写真を撮っていると、取材ですかなどと聞かれた。通りすがりでとんどの写真を撮りに車を降りてくるのは珍しいらしい。
とんどというのは正月のしめ飾りやお札などを燃やして無病息災を願う伝統行事なのだそうだ。この辺りでは今年は13日にすることになっているのか・・・・
ようやく、火が付いて燃え上がるかと思ったが・・・・
消えてしまった・・・・。
竹の棒に習字の半紙をつけて火にくべようとしている人がいる。何をしているのかと聞くと、火で半紙が高く飛んでいったら子供の字が上手くなるということらしい。でも、消えてしまった・・・・。
それでも、皆、楽しそうに冗談を言い合っていたが、その中の一人が、ちょっと待っていろ!といって軽トラに乗って走っていった。大体、見当はついたが、思ったとおり片手に石油の入ったビンを持って戻ってきた。何箇所かにかけて再度、点火。
今度は一気に燃え上がって・・・・
無事、半紙にも火が付いて飛んでいった。
竹が燃え上がり、爆竹が鳴り響くようなバチバチという音が続く。魔除けの御呪いとか。
あっというまにとんどは燃えて崩れ落ち・・・・
こちらもフェードアウトした。きっと皆、幼馴染なんだろう。正月に酒を飲んで、とんどで仲間と遊んでいるのだろう。羨ましいもんだ。あまり邪魔をしたらいけない。。
ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの・・・か。