カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

もういちど屋久島へ・縄文杉~白谷雲水峡

2010-05-13 | ヤマのこと


3日目、今日はもう下山だけなのでちょっとゆっくり5:20の出発。
途中、朝日が昇るところが木々の間から見えた。なんとなく今日は天気がよさそう。



まずは「新高塚小屋」から「高塚小屋」までの1時間歩き。
途中に巨木がいくつも現れ、この森の主が近いことを知らされる。



6:12、「高塚小屋」到着。
ここで泊まった方たちは多分もうほとんどが出発したのだろう、静かな朝の空気が流れていた。
雰囲気が良い場所だな~、でも混雑したらどこにテントを張るのだろう?と思うくらい予想よりこじんまりしていた。

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(左:携帯トイレブース・あちこちにあります。
 右:登山口のトイレの中にある回収箱・残念ながら中には2つしか入っていませんでした)

話はそれますが、ここ屋久島の山も自分を含め完全にオーバーユース。なかでもトイレの問題は大きい。
私たちが泊まった2箇所の小屋もトイレは1個のみ。
断続的にトイレ待ちの列が出来、朝は30分待ちがあたりまえの状況になっていました。
屋久島の山岳部のトイレは人力で汲み取り、背負って搬出を行っています。
今回私たちは2日間の一部、携帯トイレを使用し、持って降りました。
(モンベルO・D ガベッジバックに入れるとGOOD)
自分のし尿を担ぐだけでも結構な重さがあって驚きます。
他人のし尿を背負って下ろす皆さんの努力を考えると、進んで携帯トイレを使用しよう、という気持ちになります。

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「高塚小屋」を越えると、見覚えのある階段が・・・



お久しぶり、の「縄文杉」もう説明不要ですね。




動かないものを動画で・・・?とも思ったのですが雰囲気が伝われば
前回見たときは大混雑の中だったけど、朝の縄文杉は静かにゆっくり見れてやはりいいですね♪
以前より大きい、と感じたのはそんな理由もあったからかもしれません。



縄文杉の脇を流れる水は、本当に清らかで冷たくて・・・
キラキラと朝の光を受けてより一層輝いて見えました。


 
さあ、今日はもうに下界降りてしまう。楽しみながら歩きましょう~~


途中から見えたバルタン星人「翁岳」昨日はあそこを歩いてた・・・
予想通り今日はピーカン1日ずれてたら・・・う~ん、やっぱりちょっと悔やしい。


 
「大株歩道」を夫婦杉、大王杉、と越えていくと見つけた!ここだー!
昨日、ガイドさんが「急な階段、覚えてる?あの先時間帯によってはすれ違いで大混雑するから、
”自然探索路”と書かれた所を入っていけば、ウイルソン株の横に出ます。混雑にあわなくてすみますよ♪」
と教えてくれた分岐だ。
まだ混雑はないみたいだったが、せっかくなので行って見る事に。


 
かなり細い道をリボンに導かれ進んでいくと(エアリアの地図にはありません)とってもいい雰囲気


エアリア地図に「巨木の森」とだけ書かれていたここは、本当にただ静かに、
巨木たちが生き生きひっそり過ごしていました。

 
何度巨木を見上げただろう?この旅で。
ガイドさん、ありがとう。ステキな場所を教えてくれて。



約30分の寄り道の末、ウイルソン株の脇に出るとまだ8:10なのにもう混雑していました。
途中ですれ違った日帰り組第一陣は7:30頃、皆さん早いですね。

株の中から「ハートマーク」に見える撮影ポイントがあり、順番待ちをしていました。
地元ガイドさんがいらしたので聞いてみたら、やはり4年前にはそんな話はなくて、
誰かがそう言ってからさらに混雑することになったそうです。私も撮りましたけど



ああ、思い出の「翁杉」

 
・・・を過ぎるといよいよ本格的な混雑が始まりました。
縄文杉を目指す皆さんは団体サンなので、待ち時間が長くなります。
ここを通るときは、待ち時間も含めて考えないとなりません。


 
8:50「大株歩道入口」到着。長い長いトロッコ道の始まり。何組の団体さんとすれ違ったでしょうか?


 
歩いて歩いて・・・三代杉を過ぎ、小杉谷荘跡地あたりに新しいトイレが出来ていました。



やっぱりトロッコ道長っ!
よく歩いたなぁ、前は・・・と感心して足の裏が痛くなった頃、やっと「楠川別れ」に。
さあ、いよいよ最後の目的地への登りです。


 
最初は緩い傾斜、まるで北八ヶ岳の森を歩いているような感じですが、
徐々に傾斜を増して、さっきまで下り一辺倒だったカラダがビックリして汗びっしょりです(~_~;)
でも森特有の「ひんやりと冷たい空気」がじわじわと肌を冷ましてくれます。
ヤクシカやヤクサルも静かに自分のことに専念しています。



shucreamさんも仰ってましたがこのエリアが「もののけ度 NO1
カラダ中ミドリイロになりそうです!


「辻の岩屋」は大きかった。ほ~~~んと、気持ちいい森!

 
楠川別れから1時間ほどで「辻峠」到着。
前回白谷から「辻峠」に来たときに、見下ろしていた「楠川別れ」へのこの道。
あの時は「ここから先は私には歩けない道」と思っていたから、
今回繋ぐことができて嬉しかった。

一休みし、ザックをデポして思い出のあの場所へ。


木々の間をぬって10分登ると、「太鼓岩」到着。
今日は快晴!素晴らしい展望が広がっていました。

   (photo by 2006)
昨日歩いた宮之浦岳が見える。快晴だとあちら側からは何が見えたのかな?
前回は強風と高所恐怖症で怖くて腰引けだったけど、今日は無風なのでしっかり岩の淵まで行けました。
まだ山の右も左も解らなかったあの日の事、懐かしく思い出します。

景色をしっかり目に焼き付けて、戻ります。ここから先はもう稜線を見ることは出来ません。

 
「辻峠」からしたはいわゆるもののけの森になりますが、
今日は乾いてしまって、苔たちもイマイチ元気がない様子・・・。
山は晴れ、森は霧や雨のほうがいい、と自分勝手なことを考えたりします。


もののけの森、という表示の場所?だったかな?
そこには観光客がたくさん群がっていたのでスルー、です。
以前は私もその中にいた一人なんだ・・・あの頃はそれで満足だったけど。
目的が変わると見えるものも違ってくるものですね。


 
「白谷小屋」を覗きます。
前回もそう思いましたが、中は広くて良いのだけれどトイレのニオイが充満して辛そうです。
逆ルートで歩くなら、ここが1泊目になるのでしょう。

 
「原生林歩道」は結構長い。バスの時間に間に合わないと困るので「楠川歩道」を行きます。

さつき吊橋を渡り・・・残り時間を岩に座って飛流落としを眺め、身支度を整えて・・・


そしてたくさんの観光客と混じって、ゴールへ。
14:10発のバスへの長い列が出来ていました。

バスは2台だけ出ましたが、それに乗れないと次は16:00まで待たなければならないそうです。
ぎゅーぎゅー詰めで「宮之浦港」近くまで降りていきました。



「宮之浦入口」で下車し、懐かしい「観光センター」に寄り道し、またしても三岳を買い込み、
缶ビールを買って2日間の山旅の終わりに乾杯しました。

2泊を無人小屋&エスケープルートのない山&携帯の通じない山で過ごすことが
初めてだったので、正直かなり緊張していた私。
常に誰かに依存して生きていると、こういう時ホントビビリーになります。
とにかく怪我をしないように、転ばないように(出口近くでお約束通りコケましたが
気をつけて歩いた二日間。
ここでやっと、本当の緊張から解放された気分でした、軟弱ですな~

 
海からの湿った風に吹かれながら、バス待ちのベンチで飲むビールの味は格別なものでした。
海岸線を眺めながらバスに揺られ、今宵の宿へと向かいました。



【5/3:3日目】新高塚小屋5:20→縄文杉6:40→大株歩道入口8:50→楠川別れ9:50
辻峠10:40→太鼓岩往復・11:30→白谷小屋12:30→白谷雲水峡入口13:40 バス14:10→宮之浦入口


しつこくまだ続きます。


【1日目:淀川登山口→淀川小屋編
【2日目前半:淀川小屋→黒味岳→宮之浦岳編
【2日目後半:宮之浦岳→新高塚小屋編
【4日目:記録編