ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

JR九州、来週土曜日(3月14日)のダイヤ改正で32駅を無人化へ

2015年03月08日 01時52分02秒 | 社会・経済

 昨日(3月7日)も「JR九州の株式上場後も固定資産税・都市計画税の軽減措置は継続する?」(17時34分53秒付)としてJR九州の株式上場にまつわる話を掲載しましたが、今回は、2015年1月18日20時7分35秒付の「JR九州が株式上場に向けて駅の無人化を進める」の続編と言うべき内容となります。

 朝日新聞社が、昨日の18時47分付で「JR九州、新たに20駅を無人化へ 鹿児島線など8路線」として報じていました(http://www.asahi.com/articles/ASH365S2YH36TIPE01N.html?iref=comtop_list_biz_n03)。この記事には、3月14日に行われるダイヤ改正に合わせて無人化される20の駅が表で紹介されています。これらと、昨年(2014年)12月に発表された香椎線の12駅を合わせて32駅が無人駅となる訳です。

 香椎線については、既に海ノ中道駅および雁ノ巣駅が無人駅となっています。その他の駅には駅員が配置されているのですが、今度のダイヤ改正では、鹿児島本線と接続する香椎駅、および篠栗線と接続する長者原駅が駅員配置駅として残るものの、起点の西戸崎駅、西鉄貝塚線と接続する和白駅、終点の宇美駅などが無人化されます。同線の直営駅は香椎駅および長者原駅のみですから(しかも、両駅とも香椎線に所属していません)、業務委託駅が新たに無人駅とされることになります。香椎線は、香椎~宇美の区間が1968年の「赤字83線」にも入ったことがあるほどで、国鉄分割民営化の頃までは非常に不便な路線であったとのことです。同線の宇美駅から少し離れた場所であったとはいえ、やはり宇美駅を通っていた勝田線(吉塚~筑前勝田)も「赤字83線」に入っていました。勝田線のほうは、結局、第一次特定地方交通線に指定されて廃止されてしまいましたが、路線の区間としては香椎線より有利であったはずです。しかし、詳しいことはよくわからないのですが勝田線が廃止され、香椎線は残りました。

 さて、その他の20駅です。上記朝日新聞記事の表をそのまま書き写す訳にもいきませんので、形を変えて紹介します。

 まず、路線別では次の通りです。

 鹿児島本線:3駅(佐賀県2、熊本県1)

 日豊本線:4駅(大分県2、鹿児島県2)

 長崎本線:2駅(佐賀県1、長崎県1)

 佐世保線:1駅(佐賀県)

 筑肥線:1駅(佐賀県)

 筑豊本線:6駅(福岡県)

 日田彦山線:2駅(福岡県)

 指宿枕崎線:1駅(鹿児島県)

 〔大分県内では日豊本線の熊崎駅と上臼杵駅(いずれも臼杵市)が無人化されることとなります。これにより、大分駅から日豊本線の単線区間に乗り、大分市内で最後の駅となる幸崎駅を出ると、佐志生駅から宗太郎駅までの間は、臼杵駅、津久見駅および佐伯駅(いずれも直営駅)を除いて全て無人駅となります。〕

 県別では、次の通りです。

 福岡県:20駅

 佐賀県:5駅

 長崎県:1駅

 熊本県:1駅

 大分県:2駅

 鹿児島県:3駅

 以上の駅は、いずれも業務委託駅です。乗降客数で判断されたものと思われますが、詳しい基準は示されていません。ただ、今回のダイヤ改正では無人化されなかった業務委託駅の中には、無人化される駅よりも乗降客数が少ないという所もあるかもしれません。

 また、今回無人化される32駅の分布を見ると、福岡近郊区間にある駅が多いのも特徴です。

 国鉄時代から、大都市近郊区間として東京、大阪および福岡が設定されていました。福岡近郊区間は、次の路線・区間から構成されます。

 鹿児島本線:門司港駅(福岡県北九州市門司区)~鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)

 日豊本線:小倉駅(福岡県北九州市小倉北区)~行橋駅(福岡県行橋市)

 日田彦山線:城野駅(福岡県北九州市小倉南区)~今山駅(大分県日田市)

 筑豊本線(全線):若松駅(福岡県北九州市若松区)~原田駅(福岡県筑紫野市)

 後藤寺線(全線):新飯塚駅(福岡県飯塚市)~田川後藤寺駅(福岡県田川市)

 篠栗線(全線):桂川駅(福岡県嘉穂郡桂川町)~吉塚駅(福岡県福岡市博多区)

 香椎線(全線):西戸崎駅(福岡県福岡市東区)~宇美駅(福岡県糟屋郡宇美町)

 博多南線(全線):博多駅(福岡県福岡市博多区)~博多南駅(福岡県春日市)←この路線のみJR西日本

 福岡県内の上記20駅はもとより、佐賀県の1駅(田代駅)も福岡近郊区間内にあります。従って、約3分の2が同区間内にある訳です。

 これをどのように解釈するかについては、いくつかの見解がありえます。まずは福岡近郊区間内で乗降客の少ない業務委託駅を無人化し、その後に区間外にも広めようということでしょうか。もっとも、近郊区間外では既に無人駅が多いはずで、業務委託駅はそれほど多く残されている訳ではない、とも言えるかもしれません。しかし、たとえば特急列車が停まる駅でも業務委託駅は存在しており(具体例を記すのは差し控えます)、乗降客が少ない所もあるでしょう。否、特急が停車するかしないかは関係のないことで、乗降客が少ないとなれば無人化される危険性も高くなります。簡易委託駅の完全無人化も考えられるところです。

 いずれにせよ、福岡近郊区間内の業務委託駅を無人化することの意味は、殊の外大きいものと言えます。また、直営駅を業務委託駅とすることも考えられます。今後の動きに注意する必要があります。

 〔余談ですが、特急列車が停まる無人駅の例としては、豊肥本線の立野駅(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)、久大本線の湯平駅(大分県由布市)があげられます。また、特急列車が停まる簡易委託駅の例としては、豊肥本線の赤水駅(熊本県阿蘇市)および豊後荻駅(大分県竹田市)、久大本線の田主丸駅(福岡県久留米市)および豊後中村駅(大分県玖珠郡九重町)があげられます。〕

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秋月城址へ行く(7)

2015年03月08日 01時29分10秒 | 旅行記

 〔今回は、「待合室」の第301回(2009年2月17日から24日まで)として掲載した記事の再掲載です。かなりの時間が経過したこともあって、一部を修正しております。なお、写真撮影日は2008年9月7日です。〕

 

この場所に城の建物があったのか、当時からこのような並木道であったのかわかりませんが、山奥へ続くような細道がありました。奥のほうに登り坂があります。

 慰霊塔です。元々何のために建てられたのかについては、解説らしいものがあったと思うのですが、撮影しておりません。1876(明治9)年に起こった秋月の乱で没した人々のためのものでしょうか。それとも、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦のいずれかの戦争によって没した人々のためのものでしょうか。

 かつて、ここに秋月城の天守閣などがあったのでしょうか。現在は公園のようになっており、ここで子どもたちが遊んだりすることもできます。まさに「兵どもが夢の跡」です。右側のほうに秋月中学校の校庭がありますが、上の写真の場所と校庭はつながっており、これと言った仕切りらしいものはありません。

 城址の中にある秋月中学校の校舎です。運動会などでお馴染みのテントがいくつも置かれていましたので、運動会が近かったのかもしれません。灰白色の校庭は少し狭そうです。それよりも、やはり校舎を見るべきでしょう。竣工から何年経っているのかわかりませんが、今も2階建て、昔ながらの建築であるように見えます。ここに鉄筋コンクリートの3階建てか4階建ての校舎を建ててみても似合いません。きちんと、真平でない屋根が付いているところがいいでのではないでしょうか。

 一通り歩いて、自転車を置いた場所に戻ります。今は涸れていますが、ここに堀がめぐらされていたことがすぐにわかります。用途を失い、苔などが生えていますが、これも独特の雰囲気をかもしだしています。

秋月城の主であった黒田家の職制が書かれた案内板がありました。

さて、ここから自転車に乗り、今度は秋月八幡宮を目指します。

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