THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

HARLEY-DAVIDSON好きも要注目!

2012-05-31 16:38:56 | free form space

シカゴは映画音楽にも数多く関わっています(ソロやセッションワークも含)。

「青い恋人達」「セカンド・チャンス」「ベスト・キッド2」「ナイト&ザ・シティ」ETC・・・

中にはボツになったり不本意な使われ方をした作品もありましたが、まあそれはそれで置いといて、なんと言ってもシカゴがもっとも積極的に参加した作品がここに紹介する「ELECTRA GLIDE IN BLUE」です。

よほどの初期シカゴ・フリークでなければ馴染みがない映画だと思います。

私がこの作品のことを初めて知ったのは「CHICAGOⅤ」の解説によってでした(というかほとんどの日本のファンがそうだったと思います)

「今、ジェームスWガルシオが中心となって映画を製作しているんだよ。イージーライダーのような感じの作品になると思う」

アメリカン・ニューシネマ作品が続々と公開されてヒットしていたあの時代(明日に向かって撃て、俺たちに明日はない等)、「グライド・イン・ブルー(日本でのタイトル)」も公開の運びとなりました。

まずはある音楽雑誌の後半にあった映画紹介コーナーに白黒写真で初お目見え。

ガルシオやピーターの姿が写っていました(並んで紹介されていたのがチャールズ・ブロンソン主演「狼よさらば」)

それからは新聞広告を切り抜きまくり札幌でのロードショーにはケンジと2人で喜び勇んで見に行きました。

地下1階のその映画館、現在はライブハウスになり健在です(ここではマドンナやU2やジャッキー・チェンの映画も見たなあ)。

何故かライブでもないのに最前列に鎮座(´∀`*)してドキドキ。

そしてテープレコーダー持参(!)で食い入るようにありがたく映画鑑賞しました。

その後、わが町でも公開された時には、学校が終わると速攻で連日映画館通い。

友人たちも誘って盛り上がりました。

たまに遅れて到着すると、もぎりの人に「2本立てだけどもうグライド・イン・ブルーしか見れないよ」、でも「いいんです。それが見たいから」と言って入場。

当時、この映画のサウンド・トラックLPも発売されていました。(豪華写真集、デラックス専用紙袋、大型モニュメント・バレー・横長ポスター、ハーレー・ダヴィッドソンのイラストポスター、見開きジャケットに詳細な解説や台詞入り)。

そしてこのアルバムから感動のエンディングテーマ「テル・ミー」がシングルカットされて北海道ラジオリクエスト番組にもちらっとランクインしました(ローリング・ストーンズのタイトルと一緒なんておこがましい・・みたいなトンチンカンな評を書いた人もいましたが)。

ただレコードに、この曲の歌詞は載っていましたが対訳がついていない・・・。

クラスメートで音楽&バンド仲間、バイク好きでも有名だった友人を映画に連れて行ってあの薄暗がりの中で日本語の歌詞を横で読んでもらい私がメモをとるという荒業もこなしました(今、改めて見てみるととても簡単な歌詞なんだよね)。

その後、何度かテレビ放映もされて(カットシーンもありましたが)、めでたくVHS,LDソフト化。

遂にはDVD発売の運びとなりました。

さて肝心の映画本編なのですが、1974年劇場公開(113分)、デビュー前からずっとシカゴをバックアップしてきた「8人目のシカゴ」名プロデューサー、ジェームスWガルシオが製作&監督、そしてほとんどの音楽も担当しています(BS&Tの2NDアルバムが大ヒットした陰には彼も一役噛んでいます、いやかなりの貢献度です)。

主演は演技派ロバート・ブレイク(「冷血」が有名、その後は刑事コロンボのヒットで続々と製作された刑事ものの一つでもある「刑事バレッタ」に主演、アクション映画ウエズリー・スナイプス主演の「マネー・トレイン」出演以降は別の意味で話題を提供したけれどその後はどうなったんだろう・・・?)が熱演。

シカゴからの俳優陣は暴走族のリーダー、ボブ・ゼムコ役にピーター・セテラ(シカゴのボディーガードだった故ボブ・ゼムコの名を拝借。本人も出演しています)。迫力のバイク・チェイスを体当たりで演じています。劇中ある意味では一番の見せ場。

テリー・キャスはラスト・シーンに殺し屋として不気味に登場。

リーはヒッピーコミューンの一人、ピッグ・マンという役名ですが物凄くかっこいい!

ウォルターは着ているTシャツからルーズ・リップス役(このTシャツはLPカーネギーホールについていたポスターでも着用)。

シカゴの弟分マデュラのヘヴィーなライブ演奏、そしてメンバーのデヴィッド・ホウク・ウォリンスキーも重要な役で出演しています(彼はその後、ルーファスのメンバー等で活躍)。

他にもテリーやガルシオの奥様も出演しています。

DVD化も嬉しかったのですが、その後、初回完全限定生産としてなんとCD&DVDが発売されました。

ガルシオの音声解説初収録もびっくりですが、遂にサントラがCDとして蘇ったわけです(残念ながらセリフはほとんどカットされていますが・・・)。

前置きが相当に長くなりましたが、ここに紹介するのは2011年LIMITED COLLECTOR'S

 EDITION OF 1000 COPIESという代物(輸入盤)。

サントラが単体にてCD初発売です(ジャケットは映画パンフレットの表紙と同じ、盤はピクチャーディスク)。

詳細な解説とフォト満載のマニア垂涎の1枚。

音楽についてですがシカゴからは4人がプレイ。

シカゴ・ホーンの3人に、驚いたことにテリーがベースを担当しています。

また前述の弟分マデュラのライブ音源、そしてロス・サロモーンが他の曲でもドラムを披露(彼はその後、エリック・カルメンのジャパンツアーで来日したり、エアサプライでも叩いています)。

ギターのクレジットにラリー・カールトンの名前が見受けられたり、ピアノがマイケル・オマーティアンだったり、パーカッションにビクター・フェルドマンやギイレ・ガルシア、トランペットにチャック・フィンドレイ、サントラ・プロデュースにジミー・ハスケル、面白いところではコントラバスにジェームス・ボンド(!)なんて名前も発見できます。

各曲はそれぞれの場面展開に応じて素晴らしい効果を発揮しています。

改めてガルシオの作曲能力には驚嘆。

ガルシオがプロデュースしたフォーク・ミュージシャン、マーク・スポエストラが2曲、ドゥーワップグループ、マーセルズの名曲「モスト・オブ・オール」(これは後に山下達郎のオン・ザ・ストリート・コーナーでもカバーされています)なども収録されています。

 

サントラ復刻専門レーベルらしいのですが、ここまでのこだわり製作にはおもわずスタッフの皆様に拍手を送りたくなります。

次はセリフも完全収録したCDを出して欲しいなあ・・・。ボーナストラック入り2枚組で。

(サントラの音源と劇中に流れるテイクが違う曲もあるのですよ!!)

 

 

 

コメント
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