あのマドンナに提供した楽曲「ラ・イスラ・ボニータ」の大ヒットで一躍名を挙げたブルース・ガイチはその後、引く手あまたの超売れっ子ギタリストとして活躍しています。
エアプレイ(ビル参加)&ボストンのボーカリスト、トミー・ファンダーバーグとのプロジェクト「キング・オブ・ハーツ」でも2枚のアルバムを発表、デヴィッド・フォスターから高い評価を受けます(この2枚にはビル・チャンプリンも参加)。
ブルースは数多くのセッション、またソロアルバムも発表(ファーストアルバムにもビルが参加)。
そして同じシカゴ出身でもある、シカゴとの音楽的繋がりは現在も続いています。
コアなシカゴ・ファンの間でも好評を得た全曲がジャズ・スタンダード・ナンバーのカヴァー集「ナイト&ディ」においては前ギタリスト、ドウェインから現在のキースへの橋渡し的重要なる役割を果たします。
また元シカゴのメンバーからの信頼も厚く、ビルのアルバムへの参加、ピーターのツアーにも同行(来日公演にも参加したのは記憶に新しいところ)。
さて前置きが長くなりましたが、そのブルースの奥方ジェイニー・クルーワーのアルバム4枚をここにご紹介しましょう。
「JANEY(デビュー盤)」「CALL ME ROMANTIC」「WHEN STARS COLLIDE」そして最新作「LOVE」。
ビルとピーターの2人が参加しています。
どのアルバムからも極上のヴォーカル・メロディーが紡ぎ出されていて、またサウンドのバリエーションも豊かです。
夫のブルースを筆頭に参加ミュージシャンも豪華ですが、そのことを全く微塵も感じさせないジェイニー。
それもそのはずで、自宅に作られたスタジオにおいて彼女は作曲、ボーカル、アレンジ、プロデュース、ドラムの打ち込みとあらゆる作業をこなすジャケットから見受けられる美豹からは到底想像のつかないほどのマルチ・ミュージシャンなのです。
世界中に数多くいるディーヴァの中でも彼女くらい才能に溢れたミュージシャンはまずいないでしょう。
プロフィール・・・年齢は不詳ですが、クラシックに傾倒後はご多分に漏れずビートルズをきっかけにポップスに目覚めカーペンターズ、スティーヴィー・ワンダーに熱中。
バンド活動を経て音楽大学にて教鞭をとりジャズから幅広いジャンルにわたって素養を身につけていきます。
数々のCMソングやスタジオ・ワークによる実力を認められて、ここから彼女の快進撃が始まります。
フリオ・イグレシアス、パティ・ラベル、サラ・ブライトマン、ヴァネッサ・ウィリアムス、ハリー・コニックJR、エリック・カルメン、ウェンディ・モートン、オリヴィア・ニュートン・ジョン、ジョージ・ベンソンなどとの共演、楽曲提供と活躍します。
マーヴィン・ゲイから「是非とも彼女をプロデュースしたい!」とラブコールを受け絶賛されたという逸話もあります。
そのような流れの中、ジェイニーのソロ・デヴューアルバムが登場したとしてもちっとも不思議ではないでしょう、むしろ遅いくらいで。
来日公演も好評を得て、今現在もマイペースに一人娘のサマンサと夫のブルース3人での幸せなる生活を大切にしつつも音楽活動を継続しています。
どのアルバムも十分に練り上げられた極上ポップワールドがあなたをそっと優しく包み込んでくれることでしょう。