シカゴ2代目ドラマー、トリス・インボーデンは1960年代末期から数多くのバンドやセッションで腕を磨き続けました。
ここにご紹介する「HONK」というバンドもその一つ。
70年代初頭、南カリフォルニア、オレンジカウンティ沿岸のラグナビーチにて結成。
バンド名はローリング・ストーンズの「カントリー・ホンク」(1969年発表のアルバム、レット・イット・ブリードの最後に収録)をヒントにしたとも言われています。
1972年サーフィン映画「ファイブ・サマー・ストーリーズ」でデビュー(全曲オリジナル、写真左上)。
歌ものとインストを収録。
特に「パイプライン・シークエンス」はホノルルラジオ局で1位に輝いています。
この後に2枚のオリジナルアルバムを発表。(どちらも何故かタイトルは「ホンク」)
1973年発表のセカンドアルバム(写真上段右)から正式メンバーとして女性シンガー&SAXを迎えます。
ハモンドの響きとシャープなギター、そして紅一点の爽やかで美しいヴォーカルがこのバンドの一番の売りでしょう。
もちろん控えめながらも的確かつ安定感に溢れたトリス達の演奏も必聴。
1974年移籍後に発表されたサードアルバム(写真下段)にはカバー「ギミー・ザット・ワイン」が収録されていて、これは私個人的にも嬉しい選曲です。
BS&Tも好んでライブのレパートリーに取り入れていたジョン・ヘンドリックスの作品です。
その後、シカゴ、サンタナ、ロギンス&メッシーナ、ビーチ・ボーイズ、リンダ・ロンシュタット等のツアーに同行。
アルバムには収録されていませんがリンダ・ロンシュタットやジャムで有名な「ヒート・ウェイブ」をホンクはライブでよく演奏していたそうです。
1975年の夏にホンクは解散・・・。
この度、めでたく国内にて限定紙ジャケットでサードアルバム「ホンク」が発売になりました。
トリスはその後いくつかのバンドを渡り歩いた後、1977年ケニー・ロギンスのオーデイションに合格。
1989年まで在籍、たくさんのアルバムレコーディングやヒット曲に参加、貢献します。
その勇姿はオフォシャルライブ映像や、あの伝説のロックイベント「ライブエイド」、プロモーションビデオで確認することができます。
そして世界中で大ヒットした青春ムービー「フットルース」(1984年公開作品)でもプレイしています。
1990年からは遂にシカゴのドラマーとして正式に迎え入れられ現在に至ります。
ホンクのほうはといいますと1983年より年一回のペースで名前を「ホンク・バンド」と改名して再結成ギグを行なっています。
真夏、屋外でのホンク来日公演というのも面白そうですね!