2012年10月20日(土) 東京国際フォーラム・ホールA シカゴ13度目の来日もそろそろ発表されるかなあ・・・なんて思っていた初夏、いきなりピーターの本年2度目の来日が発表されました。 ピーターが11月ならシカゴはそのあとかなあ・・・もしかしたらピーター&シカゴが同じ時期に日本滞在か?!なんて夢みたいな想像をふくらませていたら正式にシカゴ10月来日のハガキがプロモーターから届きました(アジアツアー最初の国として)。 ピーターよりも先に日本上陸?あれれ・・コンサート当日までひと月ちょっとしかないね。 東京、大阪、そして初の新潟公演で全3回。 やっぱり北海道には来てくれないんだあ、ならば前回同様に内地に足を伸ばします。 北海道はすっかり暖房を入れているのにやっぱり東京はまだまだ暑い。 ==行きがかり上、シカゴコンサートの前日に何の因果か私は練馬のライブハウスにてセッションになど飛び入り参加しまして「クロスロード(クリームバージョン)」をベースプレイしてコーラ&チャーハンをご馳走になってきました。== 危惧していた台風もなく晴天、さっそく会場に向かいます。 日本中のシカゴファンたちが続々と集結。 懐かしい顔顔・・・。 すでに待ちきれないといった様子で入口はごった返しています。 |
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午後5時開場、CD販売コーナー横にはグッズ売り場が。これが大盛況で階段通路にまで伸びる長蛇の列。来日記念のセンス良いデザインのTシャツと嬉しいことに久々パンフレットも登場。この中身が涙モノの力作でシカゴファンなら絶対的永久保存版です。会場内スピーカーからはジャクソン5の曲がガンガン流れています。同会場での12月6&7日ザ・ジャクソンズ公演の宣伝も兼ねているのでしょう。2010年以来の同ステージバックドロップには世界一カッコイイロゴマークが燦然と輝いています。 びっくりしたのはキース・サイドに横向きで置かれているマーシャルヘッドの後部をコントロールしようとギターを抱えたキース本人がひょっこりと現れて会場には目もくれずに真剣な表情でつまみをいじっていたこと。 横の観客が「もしかしたらキースは会場から自分の姿が見えていないと思っているんじゃあないの?」と言っていたけどそれはないと思うんだけどなあ(^▽^) まずはボビー、怪我もなくの来日実現でよかった、よかった。 午後6時開演(10分遅れでスタート) |
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:::セットリスト::: 意外なopeningで観客はのっけからノリノリ。 私は「せいぜいエディット組曲では?」と思っていたんだけれどもトリスのフィルインから「言いたいことがたくさん」に突入したとたん、「ワオ!!」 しっかりと全7楽章を決めまくってくれました。 「今こそ自由を」の後半、ベース&トロンボーンがいつものように向かい合ってユニゾンをプレイする入口でジェイソンの怪しい音にジミーがにこやかに囁いてフォロー。 しかし初来日から41年を経てもなお衰え知らずのパワフルなステージング。 自分なんかハナタレ小僧のひよっこと痛感。 「一体、現実を把握している者はいるだろうか?」における今月バースディを迎えたロバート・ラムのスィートヴォイスは健在。 相変わらずハンサムで数多くの女性陣のハートをときめかせていました。 「ダイアログ」ではルーとジェイソンの掛け合いヴォーカルがスリリング。 ルーも前回の来日時は加入直後ということもあり シカゴ版3丁目の夕日「追憶の日々」 こういった佳曲は末永くセットリストに陣取っていて欲しいものです、個人的には。 「アライブアゲイン」 とにかく今回のジェイソンはボーカル絶好調。 声の伸びや張り、ハイトーンなんか申し分なし。 曲によって右サイドに行ったり中央に移動したり。 また全体の音がものすごく良くジェイソンのベースの重低音と抜けも絶品。 ワーウィックのブルーベースも鮮やかでいかしています。 「コール・オン・ミー」 今回もウォルターの代役として来日したレイはさすがシカゴに抜擢されるだけあってそうとうのテクニシャン。 余裕の表情でブラス隊中央に陣取っています。 それにしてもリーの背中のデザインが目を引きますなあ。 ここでキースがアコースティックギターに持ち替えたらおわかりでしょう。 名曲「愛ある別れ」では会場中がうっとりしての大合唱。 「遥かなる愛の夜明け」では前回もそうでしたがイントロにおけるジミーのトロンボーン音が生で響き渡ってきます。 とにかくこの人は一時たりともじっとしていなくてステージ上を所狭しと常に動き回って トロンボーンを振り回すアクションも様になっています(ステージ中央前方にて撮影しているカメラマンに楽器が当たりそうでヒヤヒヤ) スタジオバージョン同様にメドレーで「モンゴヌークレオシース」 まさかこの曲までやってくれるとは!!嬉しい限りです。 ヒット曲ではないのに客席の皆が飛び上がって手拍子していましたね。 さすが皆さんわかってらっしゃる。 フロント中央でトランペットソロを吹きまくるリーに声援があちこちから飛び交います。 「忘れ得ぬ君へ」 AOR期シカゴメンバー以外のバラード作品で私が最も好きな曲です。 イントロのレイによる美しいフルートソロに導かれて歌い紡がれる一大叙事詩。 ドラマチックな展開の中、決めのブレイクがハマると思わずトリスとウォレスがアイコンタクトでにやり。 さらなる追い打ちをかけるように「君こそ全て」で琴線を震わせ続けます。 しかしシカゴってヒット曲、名曲が溢れかえっていて毎回セットリストに頭を抱えるんだろうなあ・・・なんて贅沢な悩みで あっちを立てればこっちが立たずってな感じ。 ここでロバート・ラムがキーボードから離れてアコースティックギターを携えてひな壇から降りてメンバー紹介。 おお!「ビギニングス」のストロークが始まった。 頭の中が「シカゴの軌跡」A面3曲目にワープした人は手を挙げてくださいな。 火花散るトロンボーンとトランペットソロバトルのバックではレイがサックスを吹かずにひたすらパーカッションを努めます。 ボビーもジェイソンもピックを客席に投げ込み力強いベースリフの開始。 「アイム・ア・マン」ではブラス隊の3人がフロント横一列に並びクラベス、カウベル、そしてタンバリンと順を追って加わります。 ものすごいグルーブだ。 今年脱退したドリュー・ヘスターに代わってシカゴに参加来日したウォフレッド・レイエスJr。 メンバーも絶賛していた通り予想通りのラテン系テクニシャン。 しかもパフォーマーとしてもそうとうのもので大ウケでした。 一気に観客を釘付けしただけでは飽き足らずにトリスとの打楽器合戦に突入。 グイグイとヒートアップしてウォルフレッドはスティックを落とそうがお構いなしに難解なリズムを連打。 表情もコロコロ変わってコミカルな演技も導入しつつ止まらない。 それに呼応するかのようにトリスも涼しい表情で対抗。 しかし当たり前だけど正確なリズム、さすがです。 これでつかみはオーケー、多くのシカゴファンがウォフレッドに驚愕したこと間違いなし。 よくドラムソロ等のコーナーは退屈だ、トイレタイムだ、着席だと言う人がいますけど私は大好きですね。 実際トリス&ウォルフレッド盛り上がっていました。 今回のツアー最大の目玉「ストリート・プレイヤー」 日本初登場です。 もうこのへんにくると会場も熱気を帯びてきました。 ジェイソンの力の入れようもハンパじゃあありません。 しかも歌いだしが12インチバージョンなのですよ。 メイナード・ファーガソンのソロ部分がない代わりにブラス隊3人衆が並んで軽快なサイドステップ・ダンシングを披露。 けっこうあっさりと演奏を終えた気がしたのは私だけ? ジミーが前回同様に堂々と(!)カンニングペーパーを手にメッセージを読み上げます。 最近はなかなかの長文を頑張って語りかけてくれますね。 「ツギハ、ワタシノキュウケイデス!!」 皆「工エエェェ(´д`)ェェエエ工・・・・・」 でもジミーは袖に下がらずに「君とふたりで」 受けを狙ったのか、「休憩」と「曲」を言い違えたのか?? ジェイソンはキース後方に置かれたミネラルウォーターボトルで喉を潤し ジミーの背中は汗でびっしょり。 誰もがハッピーな気分に浸れるピアノのフレーズが飛び出し「サタディ・イン・ザ・パーク」 この曲が70年代シカゴピアノイントロ代表作ならば、切なくもほろ苦い旋律80年代ピアノイントロが「素直になれなくて」で意義を唱える者はいないでしょう。 ああ・・・もうこのコンサートもそろそろ終盤なんだなあ・・・とそう言った意味でも切なく胸が締め付けられてきます。 余力を振り絞って全員一丸となっての「ゲット・アウェイ」 2010年の時同様に後半部分のみ抜粋バージョン「愛のきずな」 毎度お馴染みのエンディングはザ・ビートルズ「ガット・ゲット・ユー・イントウ・マイ・ライフ」 本格的ブラスロックの夜明けともいえるこの曲のリフをここに合体させるなんて感慨深いものがあります。(実際ウォルター曰くシカゴ・サウンドコンセプトのきっかけになったとのこと) アンコールはハードナンバーお約束2連発。 観客全員総立ちの中「自由になりたい」 レイ・ハーマンのアルトサックス・ソロ、前回とは入り口のフレーズが違いますね。 ああ、ついにお別れソングの時。 キース・ハウランドのグリーンのトムアンダーソン(かれのピックも緑色。よほどグリーン系が好きなのかなあ?)からはじき出される「長い夜」のカッティング。 ボビーもショルダーキーボードをしょってステージ前方へ歩みよりコーラスワークでも花を添えます。 演奏を終えたメンバー達は横1列に並んでご挨拶。 しっかりと握手してもらいピックまで貰っちゃいました。 会場内に明かりが点いて現実に引き戻されても興奮はしばらくおさまりそうもありません。 アジアツアーの初日なのに見事なまでのまとまり感。 そしてバンドとしての充実感がこちらにまで伝わってきます。 シカゴが心底ライブを、日本を、ファンを愛して大切に思っている気持ちはずっと変わりません。 まだまだ彼らの快進撃は続きますよ!! 近い将来の再会に胸躍らせて。
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