シカゴは結成47周年を迎えました。でも、これだけの大御所なのにトリビュート・アルバムの類はおろか、あまりカヴァーもされません。リスペクトしているミュージシャンは沢山いるにもかかわらず。
たまに耳にしたとしても圧倒的に多いのは初期ブラスロックではなくAOR期のバラード「素直になれなくて」
次いで初期有名曲では「長い夜」「サタディ・イン・ザ・パーク」「愛ある別れ」あたりといった具合。
STAが遂に6月のライブで演奏が実現した「ロウダウン」
さすがにこの曲がカヴァーされたことはないだろう・・・・とお思いのあなた、考えが甘いですよ。
実は1つだけ発見しました。
上記タイトルがそれ。
国内盤ですが、持ってけ泥棒状態の投げ売りで埃まみれの中古レコード群に埋もれてなぜかこの盤だけ解説どころかジャケットもなし。
レコードだけが裸で混ざっていたのです。
幸い盤面状態は良好で針飛び、スクラッチノイズも無しの見本盤。すぐに飛びついたのはなんとアルバム・タイトルが「ロウダウン」だったからです。
「どうせ同名異曲だろう」と思ってさりげなくクレジットを見たら「PETER CETERA,DANIEI(!?)SERAPHINE」と書かれているではないですか!!
ダニーのスペル間違っているけど(笑)
もちろん即買い。安い買い物でした。
店主は店主で「こんなジャケ欠如した半端な盤を買ってくれて助かった」と思ったことでしょう。
後にも先にも「ロウダウン」のカヴァーはこれしか知りません。
当然、発売時期も「ロウダウン」リリース直後のことだと思います。
全12曲の顔ぶれを見れば一目瞭然。
ローリング・ストーンズ、カーペンターズ、リンゴ・スター、マーク・リンゼイとレイダース、キャロル・キング(彼女のみ両面で2曲収録)、二―ル・セダカなど・・・。
全てがインストウルメンタルです。
嬉しいですね。トップにシカゴを入れてくれた上に他の名曲達を押しのけてアルバム・タイトルにまで堂々と君臨していますよ(どうひいき目に見てもロウダウンよりも有名曲目白押し)。資料がないので誰が演奏に加わっているのかは不明ですがおそらくは日本の1流スタジオ・ミュージシャン達だと思われます。
バンド名が「ミスター・ドラムとザ・サウンド・マシーン」というだけあってドラムが中心となったアレンジです。
肝心の「ロウダウン」ですが、しょっぱなからいきなり強烈なドラム・ソロが延々続いてそこから例のギター・イントロがかぶさりベース、ハモンドと流れて行きます(ちょっとハモンドの旋律が違いますが)。
歌メロはサックスが担当。
一発録りのラフな演奏ながらツボを心得た的確なテクニックはさすがです。
ギター・ソロからいよいよブラス隊によるかっこいいソロに突入!・・と思いきや再びここでもけたたましいドラム・ソロ。
そこからやっとブラス隊のソロが始まります。構成はオリジナルどおり。アレンジもほぼ同じ。
エンディングはズバッと決めるか!!と思ったらここでもギターとドラムのバトルへ。そのままフェイド・アウトという展開でした。
古臭さを感じちゃうのはいたしかたないとしても素晴らしいサウンドです。
とにかく「よくぞこの曲を選んでくれました。ありがとう」という感謝と感動で胸一杯です。それにしてもやっぱり誰の演奏なのか気になるところ・・・。