THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

BOZ SCAGGS/SILK DEGREES

2014-07-13 19:07:45 | CHICAGO

シカゴの「ロウダウン」特集が続きましたが、このタイトルを聞いて思い出すのはボズ・スキャッグスの方という人が圧倒的に多いと思います。

悔しいけれど・・・。

もちろん同名異曲。なんといってもボズの曲はグラミー賞で最優秀R&Bソングに輝いています(5:15)。

シカゴよりも後の1976年発表。

AORの先駆け的アルバム、ロック史に残る名盤中の名盤「シルク・ディグリーズ」に収録されています。

ボズといえば「MR,AOR」と言われるほどの伊達男、大人のうるさ型ロック通も認め、OL&女子大生にも洋楽曲の素晴らしさを浸透させた貢献者。

実はそれまでのボズの音学歴を紐解いてみると、紆余曲折あるようで。

あの伝説のギタリスト、デュアン・オールマンとの共演や、駆け出し時代にはステーブ・ミラーともバンド活動を共にしていました。もともとはブルース、R&Bを得意としていたミュージシャン。

将来に不安を感じて軍隊に入隊したり、除隊後はロンドン、ヨーロッパ大陸を放浪。各地のバーやストリート・ミュージシャンとして演奏しながら生計を立てていました。

この頃、ストックホルムで録音したアルバムは幻の1枚として超高値で今も取引されています。

そしてサンフランシスコに舞い戻って地道に活動。

バンドからソロに移行。徐々に評価も高まりつつある頃の、1976年2月3日にそれまでのイメージを一新、洒落たジャケットも印象的な「SILK DEGREES」全米発売、ベストセラーを記録、ボズは一躍トップ・スターの座を手に入れました。ビルボード・チャート最高位2位。現在までに400万枚の売り上げを記録している彼の代表作。1980年の「ミドルマン」とヒット作を量産してステイタスを確立していきます。

今回取り上げたアルバムは「ロウダウン」というヒット曲を除外しても余りあるほどの大傑作盤。この曲のアレンジは日本のトップ・ギタリスト、チャーが自身のファースト・ソロに収録している「シャイニン・ユー、シャイニン・ディ」においても多大なる影響を受けているのは明確。

洗練されたサウンドで時代の最先端を行く「シルク・ディグリーズ」はまさに捨て曲なしの名曲揃い。「ハーバー・ライト」「リド・シャッフル」そして涙なしでは聞けない永遠の官能的珠玉バラード「ウィー・アー・オール・アローン」・・・。

絶対に忘れてはならないのがバックのメンバー達。若干20歳前後の売り出し中のミュージシャン達はこの後TOTOを結成。現在に至ります。クレジットされているのはデヴィッド・ペイチ、ポーカロ3兄弟、ポーカロ家の父親ジョーも参加。

6曲目の「ロウダウン」はペイチとボズの共作。

2人でピアノに向かっている時に、ペイチがEマイナーとAのコードを弾き始め、それにあわせてボズがハミング。それをもとにメロディと歌詞が完成したそうです。自分が置かれている現実に気づかずにいる人達に捧げられた曲。

 

さて、このCDは発売時10曲収録でしたが、オリジナル盤発売30周年記念として2007年ボズ自ら立会いのもと、2006年デジタル・リマスター、3曲のボーナス・トラックも追加「EXPANDED EDITION」として再発売されています。

ブック・レットも解説も豪華に模様替え。

特筆すべきはボーナス・トラックのライブ音源3曲。こんな物があったなんて驚きです。1976年8月15日、LAグリーク・シアターでの演奏。3曲共に「シルク・ディグリーズ」に収録されている楽曲。

TOTOのメンバー達と共に、なんとシカゴ2代目ギタリスト、ドニー・ディカスが参加。お得意のスライド奏法を決めまくっています。

入手しておいても絶対に後悔なしの保障盤。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする