2013,10,5(SAT)
STA企画「LIBERATION29」~ボタ山音楽祭6
1年と1ヶ月ぶりに帰ってきました、夕張に。
もうすっかりと山々は色付いて見事な紅葉シーズンに突入、空気は澄み渡り秋の虫たちが賑やかに迎え入れてくれました。
天気も良好、今の季節が大好きです。
9月にはここ夕張がとうとう人口を1万人切ってしまったそうです・・。
破綻した町「夕張」も日本国民の間ではほとんど忘れ去られてしまい、たまに報道されても嬉しいニュースは皆無。
それでもSTAの夕張ライブ活動は地道にもなんとか続行中、本番当日になりました。
一昨年は14もの夕張関連バンドが集まったのをピークにその後は一気にしぼみ気味の傾向に。
今年はSTAを含めて4つしか集まらなく(予想通りでしたが)、開き直りで「キーワードの夕張限定」を解除。
STAの頼もしい札幌のブレーンたちに声をかけたら続々と参加意思を表明してくれ、さらには相談したマスターからも夕張出身バンドを紹介していただきました。持つべきものは最終的には結局仲間たちですね。9バンドもの素晴らしいバンドが集結してのイベントとなりました。
出演者達からの細かいスケジュールを前もって確認して、タイム・テーブルを組んだのでなんのトラブルもなくスイスイと進行。
(数年前には遅刻したメンバー一人のためにディーンさんに延々ステージを伸ばしてもらい、そのあとのSTAも2ステージを即席で務める羽目になりイベント自体が危うく木っ端微塵、崩壊しそうになった事件がありました)
マスターはお客様や出番待ちのバンドマン用に今回初、外に特設テントまで設置してくれました。(もちろん我々も組立のお手伝い)
札幌でのSTAライブでは何度も対バンを組んでいる「わかば」。
始発の新札幌から夕鉄バスにのり若菜ターミナル下車という道程で駆けつけてくれました。
田舎町なものでバスの本数が限られているため、時間調整が大変でしたが昼入りにて、リハーサルも済ませてのオープニング・アクト。
いつものように打ち込みマシーンを導入。
ソゴウくんはダイレクトボックスのない場合やミキサーの位置も考慮して小物パーツをしっかりと準備してきたので事なきを得ました。(配線は接合部まで確実にガムテープ固定チェック)
ギター&ベースの2人組、サヨ嬢はステージの度にボーカルをメインにキーボードやギターも兼任。この日は始めて半年のべースにもチャレンジ(フェルナンデスのMEDIUMスケールFRB65。ピンクのカラーがお似合い)。物怖じせずにトライするその意欲には脱帽です。しかも楽曲がそう簡単にプレイ出来るような生易しいものではないし。
初のベストアルバムが大ヒット中のスーパーフライの曲に始まり(わかばが現在最もお気に入りのバンド)オリジナル「プレシャス・タイム」「ネズミ」。
4曲目はマサも昔はよく演奏していたイングヴェイ・マルムスティーン&ライジング・フォース初期の代表曲でライブの定番インストウルメンタル「ファー・ビヨンド・ザ・サン」
これって何度やっても飽きのこない完璧な様式美メタルです。
実はスタジオで彼らが今夏から取り上げているところを漏れ聞いていたので生で初めて見聞きできてかぶりつきでしたよ。それにしてもソゴウくんのプレイはいつ拝見しても鬼気迫るものがあり正確無比、プロフェッショナルです。(以前にも書きましたがストラトキャスター・ボディ裏のスプリングカバーにはアントニオ猪木直筆サインと闘魂の文字入り!)。ラスト「ステップ」のオリジナルで見事トップを努め上げました。彼らは午後4時40分発のバス時間までこのイベントを堪能していきました。
「落ち葉」。いつもは「ラ・フランス(洋梨という意味。用無しに引っ掛けたグループ名)」夕張&炭鉱関係ミュージシャンのトリオにて活動。
今回は前に出演した「若葉」、そして秋にちなみ急遽、西正くんが「落ち葉」と命名。この軽いノリが最高ですね。
西正くんは高校時代、マサ&ケンとは同じ科の隣同士のクラスメイトとして3年間学んだ仲。現在はシンの故郷「芦別」で「獏(ばく)」という喫茶店を経営しているそうです。この店名は敬愛する故・高田渡先生が直々に命名、いつもステージで爪弾いているギターのボディトップにも高田先生の直筆サインが入っています。
皆川さんは夕張フォーク界が誇る吟遊詩人。去年から使用するようになった秘密兵器のプリアンプ&エフェクターが絶妙の効果を発揮していました。
またこの日はほとんどの出演者がアコースティック系サウンドだったので皆川さんのご好意にて皆がこの機材を使わせていただきました。
鳴りと広がりが全然違いますね。
まずは西正くんが超有名曲「なごり雪」を熱唱。 2曲目はジャズ喫茶のステージ、そして自分も経営している喫茶店に引っ掛けて「コーヒーの歌」。トークはほのぼのとしているんだけど本人曰く「シラフだとどうも調子が出ない・・・」。確かに去年は前日に夕張入りしてみっちりとりハーサル・・とはいかず盛大なる酒盛り、二日酔いのゲロゲロ状態で望んだライブがいい味を醸し出していたのですが。でも徐々にペースを掴んできて「トイレでトイレットペーパー以外は流さないでください!と書いてあったんだけどじゃあ出したアレは・・・どうするんだよ!?」はバカウケ。ここで皆川さんが合流して「MR,ゴー・ジャングル」「500マイル・シンガポール」を共演。後半は皆川ソロ・ステージ。
「あかり」その他、独特の皆川ワールドをたっぷりと聞かせてくれました。
夕張在住の若者「はる」は超常連ですね。
ただ夕張のマイケル・ジャクソンことアンベくんは(最近はウエンツ瑛士らしい)道外に急用で出かけているため、初のソロとなりました。
美唄出身のカズがいつもとは違った内容のレパートリーを披露。これはこれでいい機会だから貴重な体験となったことでしょう。
マサが紹介時に「弦やバッテリーは大丈夫?」「はい!」と確認後、元気よくスタートしましたが途中でカポの持ち込みを忘れてしまい一時ライブ中断という微笑ましい天然ぶりも健在。
夏に行われた函館でのグレー屋外ライブ(マスコミ界隈でも話題になっていましたね)にも出かけていったほどの熱狂的グレー・ファンだそうで、「グロリアス」で幕開け。本当に心底グレーが好きなんだなあ・・・というのがこっちにまでひしひしと伝わってきます。タクローには僕の名前を覚えてもらったんです!と嬉しそう。
彼のトシお父さんも音楽好きだそうで、父上作の「虹」を2曲目に。3曲目はおじいちゃんに買ってもらったCDが音楽に目覚めるきっかけともなったV6の「ビリーブ・ユア・スマイル」。
「はる」は、よく「ゆず」の影響を受けたと言われるそうですが、V6がこの世界への最初の入口なんだとのこと。
アンベちゃんのオリジナル「ステイ」に引き続いての最後の締めはやっぱりグレイの「エターナリー」。
「はる」の別の顔が見られて面白かったよ。これからも積極的に平均月2~3本のライブを敢行予定。余談ですが、12月にはアコースティック・ユニットによるグレーのコンサートが夕張で開催されるそうです。
もちろんカズも行くそうですよ。函館出身のグレーは何度も夕張に足を運んでくれているので励みになりますね。
「M&M」
この日のために結成されたスペシャル・プロジェクトです。
ユニークな編成、ガットギターとトロンボーンでスタンダード・ナンバーをボサノバで!!というのがコンセプト。
STAミツが企んだこだわりのユニットです。ミツはこの日ただ一人の掛け持ちミュージシャン。
打ち合わせをちょっと1回、なぞっただけでの本番なのだそうですが、完成度の高さはピカイチ。
ギターのオゴー氏は昔のSTAモダンタイム企画でもミツとともにジャズ出演した経歴をもつ名手。
ミツはMCで「マサに負けないようにリサーチしてきました」と珠玉のレパートリーを終えるごとに懇切丁寧に解説。
1曲目はフランク・シナトラでも有名な「フライ・ミー・トウ・ザ・ムーン」。1954年に誕生したワルツだそうで、その後1962年にはボサノバに変身してヒット。数多くのカバーが存在しますがクリント・イーストウッド映画作品「スペース・カウボーイ」でも効果的に流れていました。
「アイ・ウィル」。事前にミツが「ビートルズを演るよ」と言っていたのですが、まさかこの曲を取り上げるとは・・・一本取られました。ミツの愛聴盤、ホワイトアルバムに収録されているポール・マッカートニーの隠れた名曲。マサもあのベースラインとほどよく甘いポップなメロディーがたまりません、と言ってたよ。もちろんポールの来日公演にもミツは行くそうです。ものすごいチケット争奪戦らしく入手困難とのこと。
ミツ「日本人はマイナー、つまり短調が琴線に触れるのかこういうのに弱いですね」とトロンボーンで「津軽海峡冬景色(石川さゆり)」「スモーク・オン・ザ・ウォーター(ディープ・パープル)」の触りをを実演。そしてトロンボーンソロからギターのカッテイング演奏へ。このフレーズが下降した瞬間に正体が判明しました。
「シカゴも1曲演るよ」と聞いていたので、普通なら「素直になれなくて」をやるんだろう・・・と思うのが常識ですよね。そこを対極に位置する「長い夜」をボサノバ2人組でやるんだからびっくりです。
たしかに「カーネギー・ホール」でのライブではボビーがピアノソロで一瞬この曲の歌い出し部分を美しく奏でていましたが、こういうアレンジも違和感なくオツなものですね。
マサも以前にSTAのライブで別ユニットにて「長い夜」をヴィンス・ニール(モトリークルーのVO)のヘヴィーメタル3人編成バージョンでやったことがありましたがそいつを超越するほどの新鮮さ。
4曲目はボサノバを語る上で絶対に無視することのできないアントニオ・カルロス・ジョビン1967年の作「ルック・ツー・ザ・スカイ」。
5曲目は1945年ミュージカル映画「ステート・フェア」挿入曲「イット・マイト・アズ・ウェル・ビー・スプリング(邦題:春の如く)」
ラストは1984年録音スウエーデンのピアニスト、ラーシュ・ヤンソンのトリオ・アルバム「トリオ84、ザ・エターナル・ナウ」に収録された「トウ・グスタヴォ」
グループ名のM&Mは当初、メンバー2人の名前の頭文字だったのですが、ミツの応援するヤクルト・スワローズ宮本の前日引退試合にちなんで宮本のMとのことに。しっかり宮本のユニフォーム(背番号6)を着込んでホームラン新記録樹立したバレンテインのタオルも持参。今夏に神宮球場に応援に行った際に購入したそうです。宮本は同年齢の稲葉と仲良しだそうです(ファイターズは今期残念な結果に・・・)。
「風船花」と書いて「ほうせんか」と読むそうです。
夕方に到着、初登場の彼らですが、おばあちゃんが大夕張出身で夕張郡で子供時代を過ごしたメンバーや、夕張の小学校を卒業したメンバーを含む3人組です。
現在は皆がバラバラの地方在住ですが1979年結成以来不動のパーマネントメンバーにて活動を継続しているそうです。まさに継続は力なり!ですね。オリジナルも40曲を超えるそうで、自主制作盤もあり、あの伝説のコンテスト「ポプコン」にも出場したことも。
アリアのベース(ストラップはフェンダー)、そしてアコースティック・ギター&ボーカルの2人。
1曲目は「落ち葉」も取り上げていた「なごり雪」。
人気曲ですね。他4曲はオリジナルで「かけがえのない君へ」「岩東坂」「食育の歌」「風の詩」。
「食育の歌」はメンバーの一人が教員職についているため、そこで子供たちに「好き嫌いはダメだよ。栄養不足は厳禁。食べ物は大切に」というメッセージを歌に託して優しく語りかけるというもの。
驚いたのはMC中でメンバーの一人が「父親が鮮魚店を経営していました」と言った時のこと。よくよく聞いてみたらマサが小学校の時に一緒に遊んだ仲だったのです。年齢は違いますが)
これを縁にまた来年もご一緒しましょう。
本番30分前に会場入りした、オリジナル・ポップス5人編成「PLUM」
彼ら、ボタ山音楽祭には初参戦ですが、STAとの対バンはあらゆるユニットを含めると数え切れないくらいの回数になります。
山ちゃんの真っ赤なコルグ鍵盤、ギターの2人のヒコ&タツローはシェクター(アーミング柔らかそう)、グレッチ。
ドラムのジュンはケンのセッティング・スタイルを参考にしたというボードをシンバル・スタンドに掲げています。
セット・リストも民主的で各メンバー達が持ち寄った楽曲を順序よく配置。
それぞれのバックボーン・カラーが巧みにブレンドされて導き出されるので聞いているこちらサイドも好みによって反応が違って面白いです。
「フレンチ・キッス」「13月のゴール」「ビューティフル・ディズ」「フィール・イット」「黒板のチョークは何と書いていたか」「8月のカナリア」「ワンダー・ストーリー」「白いビスケット」の全8曲をほとんど立て続けに披露。
山ちゃんのビートルズやチューリップからの影響が如実に反映されている極上のポップナンバー「ビューティフル・ディズ」がキャッチーで好感触でした。
彼女もSTAファミリーとして去年の夏からよくコンサートに来てくれていますが、この日は初の対バンとして出番20分前に無事到着「タムラメグミ」
息を整える間もあまりなく、それでも無駄のない動きでウォーミング・アップ完了。やはり若さ溢れる底力は計り知れないものがありますね。なんといってもこの日最年少ミュージシャン20歳!!
普段は札幌の音楽シーンで活動している女性ソロ・シンガーソングライターですが、立派にキュートかつセクシーなライブを繰り広げてくれました。
まずステージに現れただけで絵になるそのお姿、曲ごとに語られるMCには皆さん癒されたことでしょう。
「さよならと言ってあげる」「シルエット」「お薬」「伝えられない愛の歌」「ホットミルク」と曲ごとに表情をコロコロと替えるバリエーションは驚愕。
伸びやかでハリのある歌声、耳にもメロディアスに優しく響き渡ってきて、これからの成長が非常に期待できる歌姫。
「皆さん、風邪には注意してくださいね。ひいたらすぐに病院に行ってお薬を飲んでくださいね。なんでこういうことをいうかと言ったら次の曲にちゃんと関係があるのです。」と言ってから「お薬」につなぐところもタイムリーですな。今、風邪が流行っていることだしね。
手拍子も自然に始まっちゃうヨ!!しっかりと2曲入りのCDもアピールしておかげさまで売れていました、良かったね。(君花火、ホットミルク収録)
さあ、もうこの方抜きではこの夕張ライブ・イベントを語ることはできないでしょう。
北海道が生んだ夕張が誇るカントリー界の大御所「ディーン柴岡」
もうこうなったらじっくりと腰を据えてディーン・ミュージックに酔いしれましょうよ。
この日は札幌夕張会も開催されていて正直な話、さすがに今回ディーンさんのスケジュール調整は無理かなあ・・・?と思っていました。
でも以前に「STAマサがライブ企画するところで声がかかれば絶対に行くから心配するな!」と言ってくれて、その約束どおり、本当に来てくれました!!
札幌での夕張会が午後3時、そこでステージを務め、そのまま夕張に直行。
いつも空いている道も何故か渋滞気味だったそうで、それでも無事に夕張到着。いつも通り余裕と貫禄のはしごライブを繰り広げてくれました。
わかってはいるけれど、それでもあの分厚い迫力、抜けまくりのボーカルはただただ脱帽です。
トークと演奏が一体となった(たぶんその場の空気、会場、観客の雰囲気に応じて瞬時に組み立てていっていると思われます)熟練の技は何度もしつこいようですが勉強になります。
「テネシーワルツ」で心をワシ掴み、「シェナンドー」では古き良きアメリカ開拓時代にタイムスリップ、「ミス・ザ・ミシシッピー&ユー」とアメリカ西部、南部にちょっとワープした気分に浸らせてくれます。
ビッグなスタンダード「オール・オブ・ユー」「ジョージア・オン・マイ・マインド」、極めつけは6年前に作詞、作曲したという「心の夕張」。もちろんこれだけでステージを降りてもらうわけにはいきません。
アンコール・リクエストは軽快な「ジャンバラヤ」
イントロが始まった途端に全員、手拍子の嵐。これで大満足です。
トリはこのイベントの首謀者STA。どこで演奏しても浮きまくり、大所帯でやかましいバンドが締めくくりです。いつものとおり全曲初期シカゴ、覚悟はいいかな!!??
***SET LIST***
1、INTRODUCTION
2、QUESTIONS67&68
3、LONELINESS IS JUST A WORD(孤独なんて唯の言葉)
4、~SATURDAY IN THE PARK
5、MAKE ME SMILE(ぼくらに微笑みを)
6、~TO BE FREE(今こそ自由を)
7、~NOW MORE THAN EVER(愛は限りなく)
8、25OR6TO4(長い夜)
===ENCORE===
9、BEGINNINGS
***MEMBER***
MASA・・・B VO CHO
MITSU・・・TB PER
KEN・・・DR VO CHO
NOBU・・・G
SHIN・・・KB VO CHO
TATSU・・・TP PER
RAPPAFUKI・・・TS PER
DAISUKE・・・AS PER
ひと月前からSTAブログのリハーサル欄でも書いていましたが、恒例のメンバー移動が今回もありました。
といってももう誰も驚かないでしょう。
サックスが2人、アルトとテナー。久しぶりに全員男性の骨っぽいサウンドを叩きつけてくれました。
若者代表のダイスケは、小学校からサックスを吹き始めているのでとにかく音のメリハり、フレーズの組立と先輩たちとも一歩も引けをとりません。
当初は7人編成で夕張に乗り込む予定で、毎度のごとくラストにラッパ吹きさんにゲスト参加という趣向で望むつもりでいました。ところがラッパ吹きさん本人からのたっての希望でフル出場するということに。望むところですよ!
おかげさまで迫力倍増です。
STAはけっこうライブ本番のためにステージに立った時にはじめて立ち位置を決定することがあります。今回もそうです。ブラス隊全員が右サイド、鍵盤&ベースは左サイド(グランドピアノがあるため)に配置。ギター&ドラムは後方に陣取り。
思っていたよりも早めに準備完了。最近購入したファイブペニーの優れものデジタル・ミキサーを操作するマスターとの打ち合わせ完了後に本編スタート。
「イントロダクション」は本来ならば去年の9月にここ夕張で初演奏する予定でしたがひと月ずれ込んでの初演となってしまったといういわくつきの曲。やっと夕張で披露することができました。
ここのところ、この曲は相当に余裕が出てきてメンバー達もやっと気持ちよくプレイできるほどになりました。
時々、微妙なミスタッチも発生しますが連鎖したり、ひきつることもなく難なくクリアすることもできていますね。今回も中間部の3段がさねズレは「お!?」と思ったけど直後には普通にピタッと通過しちゃったもんね。あのズレはやろうと思ってもそうそう意識的にできるものじゃあないから笑ってしまいます。
観客席が目の前だから音や表情、指使いがはっきりと確認されて身が引き締まる思い、テンションがマックスに達します。
ミツ、タツ、ノブと連なるソロによるインタープレイは今更解説する必要もないですね。スムーズに引き継がれていくパート、小さな表現操作もますます磨きがかかってきたね。
あちこちから頻繁に掛け声がかかってきて刺激になります。
「ネクスト・ナンバー・・・Q67AND68!!この曲は知っってるでしょう!?」「知ってる!知ってる!!」一斉に湧き上がる歓声。バンドマンは待ってました!とばかりにリズムをとっています。
テーブルに置いた指、床で足踏みと各自がスイング。
PLUMのヤマチャンから「ブラスセクションが今までの中でもピカイチだね。この曲の中間部におけるあのブラス隊による豪快なフレーズのパッセージを今回は忠実に再現できてるでしょう。あそこがわかりやすい判断基準なんだよ」と好評のお言葉を頂きました。彼はけっこうシビアな目線でモノを言うのでこのメッセージは珍しく貴重です。
故郷に帰ってのライブなものですから自然とMCも長めになってしまうのは悪い癖。
まあどこを見渡しても顔見知りの連中ばかり貸切状態だから大目に見てね。「ここは普段はジャズ喫茶。そこで我々もシカゴの最も硬派なジャズ・ブラスロックをお送りしたいと思います」
「孤独なんて唯の言葉」(この曲、今までの中では出色の出来。出だしからやった!と思いました。メンバーたち苦労の賜物)
イントロから鋭く耳をつんざく音の塊。緊張感に満ちあふれた導入部はシンのボーカルとハモンドの連動で一層盛り上がります。
PLUMのドラマー、ジュンはいつも研究熱心でプレイのヒントを掴もうと瞬きも忘れるくらいに目前で食らいついてきます。
身を乗り出してその時その時の見せ場に目を向けているので演者たちも気を抜いたことは微塵も許されません。
「STAはほとんどが日曜日ライブなのですが本日は珍しく土曜日、ということでシカゴが平和を願う歌、サタディ・イン・ザ・パーク!」
シンのピアノ・イントロが力強く鳴るとステージ&会場で手拍子開始。STAの中でも一番ポップな場面です。
MCはほとんどが夕張近辺の話題が中心に。「泣く木」「ファイターズ栗の樹ファーム」「自動車教習所」「閉校」「営林署グラウンド」「栗沢の萬念寺」・・・・
「残すところ2曲となりました。シカゴ2枚目のアルバムからの大ヒット曲、特別バージョンでお送りします!メイク・ミー・スマイル!!」
ここでも70年代に洋楽青春時代を送った若者たちを中心に熱く燃え上がりました。
聞かせどころベースとトロンボーンとのユニゾン・ソロもばっちり、前回は戸惑いがあった両者による右手ハイタッチも息もピッタリ、綺麗に「パシッ!」(ここでも声援が)。
ダイスケ&ラッパ吹きともにニコニコ笑顔でサックス演奏を満喫しています。(ラッパ吹きさんは緊張していたそうですが、まったくそんな風には見えなかった)
久しぶりに和気あいあいムードの中でのメンバー紹介。そしてある女性からはオヒネリまで頂戴しました。
極めつけはラストソング「もうお約束ですが、極上のミッドナイトソングで決めてみたいと思います。25OR6TO4!!」
ノブとマサが向かい合って大股開きでポーズをとったり、スピーカーの上に登って足踏みしたり、ブラス隊4人がパーカッションを打ち鳴らしたり・・・。
ここのシーンではカメラマンが何人もドッと詰め寄ってシャッターを押していました。
エンディングは渾身の力を振り絞っての仰け反りジャンプ、「ドドン!!」と終えました。
即座にアンコールの声がかかったのでお言葉に甘えさせていただきもう1曲。
「ありがとう!それではシカゴ・ファーストアルバムから愛の始まりの歌をお送りします。ビギニングス!!」
ノブのシャープなカッテイング(ボビーがリッチー・ヘブンスのストロークからヒントを得たそうです。シカゴのレコーディングではレンタルした12弦ギターが酷いポンコツで滅入ったというエピソードも)
STAは各メンバーたちのソロが随所に飛び出してきて、それが毎回表情を変えるのでとても刺激的。
妥協なき演目に対する挑戦はますますレベルアップ、いい意味でお互いを牽制し合っています。
この日のライブも随所にラフな箇所が見受けられましたが、今までのものに比べたらギリギリ笑い話程度なので良しとしましょう。
最後はSTAから出演バンド、観客、スタッフの皆さんにステージより感謝の弁を述べ拍手で締めくくり。
「風船花」のハヤさんからも「STAのファンキーな演奏に圧倒されました」との賛辞をいただきました。
皆川さんからも意外な話が。「シカゴのあの曲が好きなんだ・・・あれさ・・・飛行機の歌、カナダ~~AHAH~~」「フライト602!」「そうそうそれ!!」「あれはピーターがポコのラスティ・ヤングから直々にスティール・ギターの手ほどきを受けてプレイしているんですよ。ピーターはカントリー好きだから。でもあれってブラスが入ってないね。とてもいい曲です」なるほど、そう言われてみれば皆川さん好みなアコースティック曲。ちなみに皆川さんはポコ(イーグルスのベーシスト、ランデイ・マイズナーやティモシー・シュミットが在籍)もご存知でした。
後片付け後はニコニコ笑顔で皆と再会を約束して握手&談笑。
マスターは外まで出て一人一人を丁寧にお見送り。
元のひっそりとした空間に戻った店内にゆったり渋く流れるエリック・クラプトンの「アンプラグド」をBGMに美味しいピザ風サンドウィッチをご馳走になりました。
タツとメグミ嬢はここのすぐそばで2頭の蝦夷鹿と遭遇したそうだよ。
ついこの間も夕張にはクマが出没、もっとも今更驚きませんがね(笑)
SPECIAL THANKS TO・・・MIKI&MR、ZEN&IKU&MR、OHSAKI&COCA-COLA&HITOMI&YUUTETSU-BUS&OHINERI&SANDWICH&EZO-SHIKA&HOT-COFFEE&BAKU&STAFF!!