2019,4,21(SUN)
STA企画
「LIBERATION46」
遂に本格的な春の到来。ここのところ寒暖の差が激しく体調を崩しがちな日々が続いております。
周囲を見渡してみても具合の悪そうなバンドマンが続出。かういう私もやられちゃいましたよ、久し振りに。
ちゃんと注意をしていても、一瞬の隙をついたかのように襲われちゃいました。
ライブの日が近づくにしたがい必死に治療専念。
その結果ですか??・・・・なんとライブをやったらすっかり元気になっちゃいました。あれほど熱、咳、だるさ、体の痛みに苦しんでいたのに。
今までにもこういう経験は度々ありましたが、たぶんバンドマンにとっては最高の特効薬がライブなのでしょうね(笑)。
まあ、何はさておいても、やっぱり健康が1番ですな。
元気な体がなければ何も行動に移せませんからね。S・T・Aのメンバー達も練習はもちろんのこと、その辺もバッチリと管理しつつ4月のライブを迎えることとなりました。
出かけ間際に空を見上げてみたらば天候は良好、場所は去年の12月にひきつづき、またまた「ピグスティ」
12号線と環状通りがクロスした所に位置するこの会場は、JR白石駅にも近くて、素晴らしい環境のハコです。
オーナーのナイスガイ・オキノくん、いつも大変なのにありがとう!
ここは元々「白石会館」という映画館だったので、ようく見渡してみると、そこかしこに往年の面影が点在しています。
ロビー正面にある受付カウンター(映画入場券のもぎり窓口だったんだね)は今回閉鎖して、全ての業務はホール受付にて行います。
階段を降りる途中の頭上中央に燦然と掲げられた「白石会館」のミニプレートが神々しい。
左手には楽屋控え室(頭上注意)。
この部屋はかつて映写室だったのです。
だから壁には穴が数個残っていて、そこから映写機がフイルムを回してスクリーンに映像を送っていたんですね(もちろん穴は現在塞いであります)。まさに「ニュー・シネマ・パラダイス」の世界そのまま。
ホール内はイスを取り外した映画館という感じ。(年配の人たちや足腰を痛めている方達は長丁場だっただけにちょっときつかったみたい・・・)
スタンディング場内の周囲にイスが点在しているというシステム。
横幅のある高いステージ、広々としたアリーナと申し分のないシチュエーション。
照明なんかも綺麗で、ハデハデにカラフルなんですよ。
飲料用自動販売機には懐かしき「ガラナ(残念ながらこの日は売り切れ・・・)」「ドクター・ペッパー」なんかもなんと100円で(!!)売っていて昭和テイスト(ブンキさんも衝撃を受けてご満悦。ルチュちゃんもお気に入り)がぷんぷん。
一気に古きよき時代へとタイムスリップしたような気分。
もちろん受付でもドリンク販売を行っています。
練習用スタジオもホールの隣にバッチリ3部屋完備。
で、今回は9バンドの出演ということで混雑が予想されるためにオーナー・オキノくんのご好意によりAスタジオ(廊下の手前)を楽屋、荷物置き場、飲食喫煙場として特別に開放してくれました。
なんという太っ腹なことを。皆、大感謝していたよ。
さて、午後2時からリハーサル開始。マサは早めに到着したのに、もうすでにバンドマン達が楽屋入りしていて賑やか(スタジオ練習のバンドマンもね)!
パーキングもギリギリで満車です。
タイム・テーブルにしたがって各バンド20分程度の持ち時間内で、セッティングとリハーサルを順次こなしていきます。
全9バンドといってもジャンルがバラエティに富んでいてゴージャスな空気感(笑)。
それぞれが様々に個性的なサウンドを聞かせてくれそうで、個人的にも楽しみにしていますよ。
このピグステイはどちらかといいますと、オリジナルをこなすロックンロール、グランジ、オルタナ系からパンク系の若者バンドが中心となって利用しているのです。
これはオーナー・オキノくんの趣味かな?
でもかえって、STAのようなバンドも新鮮で重宝されてもいるのですよ。
特に今回はベテラン・バンド目白押しで刺激的。
ここのところライブイベントといえば膨大な数のバンドが出演、長尺な時間を費やして行われるのが常だったから、たまにはこのようなコンパクトでタイトな流れも、ほど良いペースでこなせるし、観客もじっくりと見聞きできるしで、熱気維持の意味でも好条件だと思いますよ。
当然、実力のあるバンドが集結しての話ですが。
結果を述べちゃいます、はい。
今回のライブイベントは最初から最後まで一切だれる事もなく常に大盛況の大成功でした。
これも対バンド、スタッフ、そして温かいオーディエンスのおかげだね。
感無量の極致。それと忘れ物がやたらと多かったのも特徴。またすぐにでもここへ戻って来たいほどに全員から好評でしたよ。
楽屋、ロビー、地下通路、ホール内とミュージシャン達でごった返しています。なにせゆったりスペースゆえに、リラックスした気分に皆が浸れるんだよね。
いつもはオキノくんがほとんどを1人で取り仕切ってスタッフ業務をこなしているのですが、前回、なんとオキノくんは多忙のため、不在との事で、アンナちゃんがミキサー、受け付けはハシバくん、照明はモエちゃんがこなしてくれました。
STAの本番に間に合うよう、律儀なオキノくんは会場へ戻っていましたがね。
ここのスタッフは皆、腕も抜群!今回オキノくんはサポート役に回って中心で音響関連を仕切るのはやはりアンナちゃん。
受付はモエちゃん。
この子達がこれまためちゃくちゃに可愛くて性格がいい。
バンドマン達の人気者。(今回は前回のハシバ君はお休み。会えなくて残念だね・・・・)
これはこれで期待しちゃいます。
ホール内では早速そのミキサー担当のアンナちゃんとマサはご挨拶。
この女性は高校時代からここのアルバイトをしていたそうで、想像以上に仕事の要領が巧み。
バンド連中が驚愕していましたよ。
何度もあの高いステージにピョンピョンと駆け上がるしね!(笑)
ショート・ヘアがよく似合うモエちゃんもキュートな笑顔がはじける女性。
男性たちから大評判でして、一緒に写真撮影しているちゃっかり者も出現。
スタッフ3人が各持ち場を忙しく動き回って
ミキサー、照明、セッティング、販売、受付等全てをこなしています。
ミュージシャンらの無理難題にもクールに対応してくれる頼もしき存在だ。
凄い!頭の下がる思いだよ。
しかも、しかもだよ・・・・本来ならば前売り1000円、当日1200円だったのさ。
それを全て1000円で統一してくれました。
こちらサイドが恐縮しちゃうほどに欲がない。
ピグスティ初出演のバンドが多く(S・T・Aメンバーも初体験者が多数)、皆新鮮なのかあちこちに興味津々。
スタッフやマサがバンドマン達からの質問に逐一対応。
S・T・Aも9人中、集結できたメンバー6人で綿密な打ち合わせ。
各バンドがリハーサルの時間内に演奏できる曲を決めて本番さながらに図太い音を轟かせていました。
モニターの返しバランス以外は、ほとんどこれといった問題もなく各自で最終チェック。
いくつかのバンドは結局、リハなしのぶっつけ本番。
マサは全タイム・テーブル表。全バンドの編成表、そしてSTAのセットリストなどを提出。
アンナちゃんは細かなことにも手馴れたもので、マサのワイヤレス2機を即座に対応してくれて安心です。
ワイヤレスの周波数帯域チェックも無事に済ませてくれました。
廊下でウォーミング・アップをする者、ストレッチを欠かさない者、ずっと真剣な表情でスコアとニラメッコしている者、タイバンと歓談をしている者と様々。
飲食物の持ち込みも全て自由なので、弁当を広げてパクついている食いしん坊も出現。
正直な話、この日は、札幌&小樽のあちこちでライブが行われています。
よって集客に多少の不安があったのですが、いざフタを開けてみると開場と同時に入場者がドンドンやってきて拍手、歓声が絶え間なく送られるという和気藹々のライブ・イベントとなりました。
何故か女性客が多い・・・・花があって結構なことだ。
MASAによる恒例自主企画「リブレーション」も遂に46回目を迎えることとなりました。
このリブレーションというタイトルは、シカゴの記念すべきデビューアルバム「シカゴの軌跡」最後に収録されている長大なるインストウルメンタルから命名したもの。
邦題は「開放」。トロンボーン奏者ジェームス・パンコウによるアドリブ合戦が凄まじい傑作。ロック、ジャズ、ソウル、ファンク、そしてアバンギャルドなジャンルまでジャンルの壁を軽く超越するほどに幅広く導入されたなんでもありの世界!ということで、まさしくこのイベントタイトルに相応しいと思います。
これがすこぶる好評でご機嫌だ。
15:40 OPEN
リハの最中、アンプ接続に時間を要してしまったバンドがいたためにちょい押し目で開場。
さあ!なんとかかんとか準備万端整いましたよ!!
平成最後のSTA企画ライブのはじまり!はじまりだあ!!
いつものようにマサはアンナちゃんが用意してくれたマイクを手にミキサー横の後方よりの手馴れたご挨拶、そしてライブの主旨から注意事項、全9バンドを丁寧に紹介。
早々と熱気ムンムンで期待度大だね。
BGMにチープ・トリックが流れる中、華やかに開演を告げます。
1、DEBRY LITTLE THING
16:10~16:40
オープニング・アクトは初参加5人組み。バンド名をみたらば即おわかりでしょう(笑)
全曲がJ-POPの定番エブリー・リトル・シングのカバーで網羅。
このちょっと変わったバンド名・・・・メンバーのギタリストとベーシストの体型を見たら納得ですよ。
で、初といってもここのボーカル&ギターはマサとかなり前からの知り合い。
スタジオでもよく会っていたし、STA企画にて別のバンドで出演もしてくれた仲。
でもねえ、正直な話、今回のライブがそれまでの中でも出色の出来でしたよ、マジで。
1番手なんてもったいないくらいに感じました。
ここで編成をば・・・・
ヴォーカルの歌姫はヨッシー。ギターはラッチョ(黒のシェクターを使用。ローズ指板。特別にクリーン・チャンネルを多用するためにギターアンプを持参するつもりでしたが、ローランドJC-120をピグスティに用意してもらいました)。ベースはヤッチ(黒いエドワーズの5弦仕様。メイプル指板。セイモアダンカンの2ハムバッキング・ピックアップをマウント。これをフィンガーとフラットピックで演奏。ベースアンプは会場備え付けのアンペグ)。ドラマーにチンパ。キーボード(ローランド・ジュノ)がカオリちゃんという布陣。
本番前にロビーで「万事屋」のヂヨーちゃんと爆笑しながら歓談していたメンバー達。とってもリラックスしていて余裕の構えだ。
知り合いだったんだね。
「FOR THE MOMENT」
キーボードの旋律から軽快にスタートしましたよ。
懐かしいなあ。この曲調や歌詞の流れ。
ラッチョのシェクターが図太くて、すこぶる伸びやかな音を奏でているね。
ボーカル・ヨッシーに対する盛り上げ方を心得た演出力は、さすがご夫婦だけあって息もピッタリ。おしどり夫婦のお手本のようなもの。普段から仲がいいのですよ。それは新婚当時から全然変わっていないなあ。
ライブハウスの顔役アベちゃんがキーボードのカオリちゃんに熱きラブコールを送る。
「カオリちゃ~~ん!!」
「ハ~イ!カオリ入りました!(笑)」
てなあ感じで和気藹々と進行。
「今でも・・・あなたが好きだから」
ミディアムなポップ・テイストが心に染み入る。
いかにもカラオケで人気を呼びそうな曲だね。
会場のあちこちでリズムに合わせて一緒に口ずさんでいる人も見受けられます。
ここで「万事屋」のヂョーちゃんが乱入(!?)
愛情の篭った雄叫びをあげている。
なんという熱血漢。あれれれ??・・・・酔っ払っている??
早くもステージと客席前方がごった返しています。
「ありがとうございます。先ほど紹介にもあったようにエブリー・リトル・シングのコピーをやっておりますデブリー・リトル・シングです!」「デブー!(」ヂョー)」「メンバーのギターが大デブ。ベースがミニ・デブ(笑)皆、飲んでるかい!!??」「デブー!ビッグデブ!!」「それって普通に悪口だわ(爆笑)いいんですよ。日常のいやなこともここに置いて忘れましょうよ。はい、それでは静かな曲です。いいかなあ・・・・?FRAGILE」
キーボードが美しきイントロで大活躍。ドラマティックな世界観をヨッシーのチャーミングなボーカルで彩りを添える。
ここでは起承転結、じっくりと腰をすえて聞き入って観るのも一興かと思いますよ。
時折控えめながらもへヴィーに絡み付いてくるギターや、パワフルなドラム・ワークのタイミングが効果絶大。
響き渡るアレンジの妙。繊細に展開されていくストーリーに思わず引き込まれていきますね。
非常に魅力的な曲を、ここへ持ってくるなんて心憎い。
エンディングもキーボードでしっとりと締めくくり。
「あと2曲ほど歌うよ。次の曲は皆も知っている曲だよ。ノリノリでお願いします。あれ!?・・・間違えてるし・・・・すみません・・・・ごめんなさい・・・・ちょっと歌謡ショー風に紹介させてください(笑)・・・・・・出逢った頃のように・・・・」
突然ボーカルから入る誰もが知っている大ヒット曲だ。
いっせいに観客達が手拍子を打ち鳴らす。
それにしてもヨッシーの張りのある伸びやかなるハイトーン・ボーカルは特筆モノだ。
しかも音感がバッチリ。
アベちゃんは持参してきたネオン・スティックを4本、気心の入れた友人達に配布して頭上高く持ち上げながら左右に振る。これがすこぶる鮮やかな光景で俄然活気を増すのです。
最後はチンパくんのバスドラム・キックからヨッシーが元気いっぱいはち切れんばかりに「1・2・1・2・3・4~!!」
とメドレーへの合図カウント。
「SHAPES OF LOVE」
この繋ぎ部分はリハーサルでも重点的に何度も取り上げていたねえ。本番ではバッチリと決まった。
ギターによるサスティーンとテクニカルなソロが、心地よいくらいに曲全体を覆って援護射撃。
ボーカルとの絶妙なるコントラストを飾り立てる、鍵盤の妙技も痺れちゃうね。
「ハイ!知っている人の合言葉、せ~の!!」
ヨッシーのキャラクターにバッチリとフィットした選曲で大団円。
「今日は日曜日だよね。たまたま髪型をセットしたらサザエさんになってしまったよん。笑って。ここは笑うところだよ。」
でもとってもお似合いの髪型。
ここでウンチクをひとつ。ELTのカバーアルバムには元シカゴのジェイソン・シェフが参加していまして、マキシシングルまで出ています。
しかもELTの代表作品「オーヴァー&オーヴァー」における中間部はAORシカゴというかデヴィッド・フォスターの手法を踏襲していますなあ。
2、16:50~17:20
この日の会場BGMは個人的にドツボにはまったよ。
モトリー・クルーにデフ・レパードが景気よく流れてきた。
BREZZA
「ブレッツア」と読みます。
セカンドアクトは伝説と化したZARDコピーバンド6人組みの登場です。
ELTのデブリー~ヨッシーに負けないくらいに、ミサトちゃんもキュートでセクシーに迫る歌声を届けてくれましたよ。
この日9バンド中、4バンドが女性シンガーなんですよね。後で気づいたんだけど、これはとてもいいことだ。
もっともっと女性がスポットライトを浴びる音楽シーンになってもらいたいものだね。
デブリー~よりも1人メンバーが多いのは、ツインギターだからです。
編成はといえば・・・・・
ヴォーカルにそのミサト嬢。リードギターはヒロアキ氏(愛器IBANEZ シースルーレッドボデイ。ローズ指板。PRESTIGE S540Q WCBおそらく7~8年くらい前のモデル)。サイドギターはヒロユキ氏(ナチュラルボディのオベーションとブラックボディのテレキャスターをプレイ。ローズ指板)。キーボード(KORG N5)がハルキ氏。
ドラマーはタモくん(ライブハウス備え付けのワインレッド・シェルのドラムセットを使用)。そしてべースは重鎮のシンジくんだあ(ブルーボディにメイプル指板のベルモア。ウォッシュバーン系列のメーカー。これを黙々と渋くフィンガー・ピッキングでプレイするのです。)
シンジ君とマサとは10年を軽く超えるほどの音楽仲間。
あの泣く子も黙る札幌のチューリップ・コピーバンド「TAKE OFF」を長年率いるリーダーです。
練習スタジオが初対面でした。
ちょうどSTAと結成時が同じ。
もう数え切れないほどにタイバンしましたね。札幌を手はじめに小樽から地方まで・・・・。
そうやってお互いに切磋琢磨してきたわけであります。
STAの「リブレーション」にも出演してくれましたよ。
だから酸いも甘いも噛み分けた同士でもあるわけです。
そんな彼が新たに結成したのがブレッツァ。
まだライブはこの日で3回目だそうです。
そんな風には全く感じなかったけどね。
「揺れる想い」
ミサト嬢の初々しきステージングが好感度高し。
ちょっと声質が坂井泉水嬢と森高千里をブレンドしたように聞こえたのは私だけかなあ??
とにもかくにも、これを1曲目にもってくる大胆不敵な構成には脱帽。
打ち合わせの段階で、練りに練り上げられた結果なのでしょう。
もう掴みはオーケー。
それにしても、織田哲郎さんは生粋のメロディ・メーカーですね。
「君がいない」
ヒロユキ氏のオベーション・ギターによる、爽やかなコード・ストロークからはじまるキャッチーなポップナンバー。
紅一点のミサト嬢を引き立てる男性陣によるバンド体制が、すこぶる安定感あってメリハリも効いています。
これならばミサト嬢も安心して、ヴォーカルに専念できるというもの。
MCも彼女が兼任。
「はじめまして。ZARDのコピーをしているブレッツァです。去年の4月に結成して、今月でちょうど1年を迎えました。
これからもZARDの曲が歌い継がれるように頑張っていきます。
それでは2曲続けて・・・・まずはDON’T YOU SEE・・・・」
キーボードが先導する流れから、ツインギターの持ち味をフル稼働です。
アコとエレキによるコンビネーションが絶品。
特にヒロアキ氏によるスライド・バー活用による奏法は効果絶大。
本家顔負けな豪快無比で、伸びやかなギター・サウンドを紡ぎ出していました。
故ローウエル・ジョージばりな表情豊かなピッチで。
このスライドギター奏法も、ブレッツァの売りの一つだね。
「ミサトちゃ~~ん!」と図太いラブコールがひたすらに飛び交っています。
メドレーで「きっと忘れない」
名曲目白押しだ。
流麗なるボーカルから入る壮大なナンバー。
デブリー~にもヴォーカルから入る曲があったけど、こちらも一歩もひけをとりませんよ。
双方共に出色の完成度。
よほどの自信がなければ、このような選曲はできないよね。
琴線震わせっぱなし。ゾクゾクしてきちゃうなあ。
ヒロユキ氏はアコギからテレキャスターに持ち替え。
この辺のコダワリ感覚が音の随所に反映されています。
「ありがとうございます!次のライブ告知をさせてください。小樽音楽紀行。来月の6日、運河プラザに出演します。今日ブレッツァを見て気に入ってもらえたなら是非足を運んでください。
それでは次の曲にいきたいと思います。いいですか・・・・・・マインドゲームス」
ミサト嬢が一生懸命、誠心誠意心を込めての熱唱に次ぐ熱唱。
アップテンポでパワフルなバックビートにのせて頑張っています。
元気を全身に一杯もらえるはじけたハード・チューン。ドラムアクセントのリズム刻みが正確無比で感心しきり。
ここでも縦横無尽にヒロアキ氏のスライド・ギターが「ギュウイーン!!」と歌メロの間を駆け巡る。
「え~それでは最後の曲となりましたので、メンバー紹介をしたいと思います」
ミサト嬢が一人一人を、懇切丁寧愛情タップリに心込めて紹介。
彼女の秘めたる優しさが滲み出ています。
「ありがとうございました!ブレッツァでした!・・・負けないで!!」
やはりラストを飾るのは、この永遠のJ-POPアンセムしかないですよね。
会場全員が一体となっての大合唱。心ウキウキ、明日からもまた明るく生きていけそうな気がしてきたよ。
幸せと喜びと笑顔のエキスを、楽曲から大量に注入していただきました。
前向きでリフレッシュした気持ちになれる歌詞の一言一言が、皆のハートにも届けられたことでしょう。
沈着冷静なる燻し銀のシンジ氏ベースライン・セクションは、常にボトムを貫禄タップリに支えています。
あっという間に、夢のような30分が過ぎ去ってしまいました。
心残りだけど、格別なる楽しみは次回のためにとっておきましょうよ。
BGMはディープ・パープルの「ハイウェイ・スター」、ジューダス・プリーストで「ユーブ・ゴット・アナザー・シング・カミング」
3、17:30~18:00
「杉ちゃんバンド」
満を持して遂に出た!札幌が生んだ名物伊達男「杉ちゃん」を擁する貴重なるバンドが3番手。
ここで初めて、男性シンガーがフロントに立つわけです。
ピグスティ初出演の6人組みで、オールディズやムード昭和歌謡から演歌などを披露。
マサが近年小樽浅草橋ライブでタイバンして、どうにも気になり、ダンディに着飾ってほろ酔い加減の杉ちゃんに話しかけたのがことの始まり。
それをキッカケに、あれよあれよと言う間に意気投合。
晴れてSTA企画ライブに、今回賛同していただける運びとなったわけです。
驚いたことに杉ちゃんは、60歳になるまで、全くバンドで歌った経験がなかったそうなのですよ。
それがひょんなキッカケで味をしめてしまった訳だ。「こんな素晴らしい世界があったんだあ!!」
生のバンドで歌うという究極の醍醐味を知ったその時からは、もうドンドンとはまりまくって、終いには自らがライブイベントを立ち上げるほどになったそうですよ。
この話を聞いた時には正直、感動に打ち震えてしまいました。純粋に音楽や歌に打ち込むその美しき姿。
誰もが忘れかけている初期衝動のお手本のようなもの。正に原点そのもの。
今後、益々杉ちゃんの活躍に期待しつつ、こちらも胸躍るね。
実は今年2月の小樽公会堂・雪明かりの道ライブイベントにも「杉ちゃんバンド」は出演予定だったのです。
でも主役の杉ちゃんが健康上の理由で、ライブ出演を断念せざるを得なくなったとのこと。
非常に残念無念でした。まあ、当の本人が一番悔しがっていたはずです。
ところがここで杉ちゃんは、見事に奇跡の復活を果たしたのでした。なんたる回復力だ。天晴れ。
それも今まで以上エネルギッシュになって帰ってきた心憎い奴。それが杉ちゃんだ。
この男は本番に向けて燃え盛る炎を抑え切れないのか、逐一マサとのやりとりでは、情熱溢れるトークを展開。
マサが送った今回のライブ用フライヤーを独自で印刷して、ゴヒイキにしている店舗などの各所に配布、もしくは店内貼り付けに協力していただいて猛アピールを展開。歌の練習と並行して、宣伝活動にも熱心に汗を流す日々が続いたのだそうです。
その甲斐もあってか、この日は熱狂的ファンを中心とした「杉ちゃん私設応援団」が大挙して詰めかけ、たいそう賑やかなるショー・タイムのヒトトキを過ごさせてもらいましたよ。これはひとえに誰からも好かれる杉ちゃんの人徳に尽きますなあ(オールド・ジャンキーのテツとも仕事関連でお付き合いがあるそうですよ。世の中って狭いね)。
一番の集客をたった一人で、あっけらかんと成し遂げたんだから大したものだ。
本人曰く謙遜して「ちゃんと歌えるのか皆が心配して不安絡みで来てくれているだけ」とのこと。
何をおっしゃいますか。時にはディナーショーの様相を呈していましたよ。
音楽はもとより、人生においても大先輩だ。
その心意気は見習いたいものだ。いよっ!後家殺し!!まあそんなわけでして(笑)前置きが相当に長くなってしまいました。花束のプレゼントまであり、羨ましすぎるほどの人気者がここに証明された杉ちゃんのオンステージ。
今か今かと焦らしに焦らされた観客達はホイッスル吹き鳴らしたり、手製の「杉ちゃんウチワ」を振りかざしています。
はじまり、はじまり~!!
まずは編成を記載させてください(全員がボーカル&コーラスをこなします)。
フューチャリング杉ちゃんがヴォーカル、紅一点のチエミ嬢はサックスとコーラスを担当。ドラムはカバくん、ベースはトモアキ氏(ブラックボディ。ローズ指板)、ツインギター(3トーン・サンバーストボディにメイプル指板のSTはファーストギタリストのタイキ君&セカンド・ギタリストはリーダーのヒロさん。シンラインTL黒ボディのメイプル指板)。
開巻からいきなりやってくれました!「星降る街角」
そうです!今年の初っ端にワイドショーを独占しまくって話題を振り撒き続けたワケありグループ「純烈」だ。
元々は敏いとうとハッピー&ブルーのスタンダード・・・という説明は最早不要だね。
しかし狙いは的中だ。
ツボへと、モロにはまった感ありのオーディエンス達は忠実なる振りつけで、のっけからダンシング。
役者が数段違う、杉ちゃんマジックに、誰もが酔いしれています。
今回の杉ちゃんファッションは黒のハットに白シャツ白ズボン、赤いネクタイに黄色のジャケットでコーディネイト。
歌い終わるやいなや、第一声が「調子悪いな(笑)どうも!やっと1曲、終わりました(爆笑)」
どこまでが本音で本心、本気なのか、とぼけたトークも巧みの技。
「ついこの前に亡くなったショーケンは俺と同い年です(皆、驚く)。
でも俺のライバルは沢田研二。
ジュリーも最近ヒット曲が出なくなりまして、去年観にいったら2時間のコンサートで1曲しか知っている曲がなかった・・・・。
カサブランカ・ダンディだけ。淋しい限りだ・・・・」
「寝てたんでしょ?」(大爆笑)
「はい、お待たせしました。ジュリーに成り代わりまして、私の青春時代に流行った曲をやります。あの歌です。まずは・・・・・・・時の過ぎ行くままに」
メンバー全員がサングラス、もしくは眼鏡着用で統一。
とにかくバックバンドの演奏テクニックは完璧。
イントロのギター・トーンからチョーキングのニュアンスに至るまでね。
安定感抜群。
そんな贅沢この上ない布陣に囲まれたナルシスト杉ちゃんが、その中にドップリと浸りながらもジュリーに成り切っています。
ジュリーが杉ちゃんに降臨したかのようだ。
皆の視線が杉ちゃんに注がれています。
スポットライトも独占状態。君こそスターだ!!
「あ!?マイクのチューニングは??(笑)
写真をいっぱい撮ってくださいよ。
続いてもジュリーのナンバーで・・・・・・危険な二人」
強力なるサポートに導かれての杉ちゃん、堂々たる歌いっぷり。気持ち良さそうに突き抜けている。
あの有名な決めのポーズも目一杯にジュリーを意識して何度もアクション。これ基本中の基本ね。
観客の中にもそれを真似している、ちゃっかり者があちこちに出現。
ステージと客席との一体感は、後方から見ていても圧巻だね。
「涙のイタリアン・ツイスト」
これはクレイジー・ケン・バンドの作品。
タイトルが示すとおりに、腰がムズムズと疼きまくっちゃうほどの心地よいツイスト・ナンバー。
チエミ嬢のサックス・プレイが更なるパッション・ワールドに誘う。
「サンキュー!ありがとうございました。ありゃあ!?花束まで・・・・・今日は俺の誕生日かい?違うの??(などと愛嬌あるボケをかましつつも、ファンからの握手に快く応じる杉ちゃん)
久し振りのライブです。タバコも酒も止めたんだよね。」「あれ!?さっき吸ってたよね!?(笑)。女も止めたの?」「女はいいんでないの?!」「杉ちゃんファンの方達は必ず来てくれるんだから」「それでは・・・」「泣くなよ~!!」
勢いは収まることなく
「朝まで踊ろう(舘ひろし)」
休むことなくアクティブに・・・・・と進行するもナベさんが後ろから肩を叩いて杉ちゃんの耳元になにやら囁く。
それでも一向に変わる様子がないために、ナベさん、やむなく演奏をストップさせる。
「杉ちゃん、今わざとやってたでしょう!?(笑)速いんだよ~」
「危ない、危ない・・・・自分の声に酔った(笑)。スコーンと抜けた・・・・」
「もう一回、入院だよ!(爆笑)」
「面白い!それでは気を取り直してもう一回、朝まで踊ろう、を聞いてください!」
ディスコのダンス・フロアと化したステージ前方は、杉ちゃんファミリーやタイバンの仲間達でごった返しています。
あれ!?どこかで見たような面々がチラホラと杉ちゃんバンド見たさに駆けつけてきましたよ。
「早いものでもう最後の曲となりました。これをバンドで歌う人は私しかいないでしょうね。
バンド・メンバーからも、私に一番あっていると言われたくらいです。
私は演歌ですからねえ。五木ひろしさんで・・・・・夜明けのブルース、を聞いてください」
本当だ。様になっている。違和感一切なく、スムーズに聞かせてくれるねえ。
今後はこちらの路線へと舵を切るのかなあ??ここでもチエミ嬢のサックスが甘く切なく咽び泣いている・・・。
そこへ感情移入たっぷりに、杉ちゃんが男のロマンを含ませタメも効かせてコブシ込めビブラート・ヴォイス。
チエミ嬢とのコーラス掛け合いも、叙情的でムード満点。
ギターソロにも要注目。
タイキ君はなんであの若さで、ここまで繊細なギターが弾けるのだろうか?
当然のごとくアンコールがかかった。
「ありがとうございました!実はこんな私にもオリジナル曲があるのですよ。軽いのりで作ってくれたのです。
それではこれから歌わせてください。
あ!?その前に・・・この帽子は光るんですよ(と、スイッチをオン!途端にピカピカと帽子のあちこちに装着されてるカラフルな電飾が瞬く)」「(会場一同から)オオオオ!!」
「これもプレゼントしてもらったのです。
このスタイルで最後はいきます。笑って聞いてください・・・・僕は自称ツアー・ミュージシャン!!」
なんのなんの、充実したテイストに満ちた楽曲ですよ。
テケテケイントロに哀愁の泣きギターも散りばめられていて、聞き応えある珠玉の一編。
杉ちゃんを主人公として描かれた物語ゆえに、嬉々として余力を振り絞りながら歌い終えてくれました。
「どうもありがとうございました!」
ステージからおりたらホッとしたのか、スギちゃんがリラックスしながら会場内を散策した後、ソファーでゆったりとくつろいでいました。
おつかれさまでした。
*****これにてライブ・レポートのパート1は終了。引き続きパート2をお楽しみください!それではまた!!*****