
「ネェ、Kissさせなさいよ」 「イエ、それはいけません!奥様」
愛し合った朝は決まって二つの感情が交錯する。
爽やかな充足感と、
後ろめたい罪悪感。
お互いの立場上の問題もあるが、
何と言っても、本当に愛しているのかどうか何度も何度も自問を繰り返す。
あまりに愛しすぎることで、かえって相手を傷つけることがある。
アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようだ。
愛という名に照れるほど初心(うぶ)ではない。
むしろ場数を踏んでいるだけに、
愛しすぎることの怖さを知りすぎている。
意図的に愛することから逃げていた。
知らん顔して愛に応えることを避けていた。
今、やっとそれに応えようとしている。
ありったけの勇気を振り絞って。
抱き合っている時は安堵し、
離れると不安に駆られる。
結ばれることのない二人が愛し合うとき、
言うまでもなく相当な勇気と覚悟が必要となる。
犠牲を払ってでも愛を優先することができるか。
それが覚悟と勇気だ。
ここ数年ビジネスに打ち込んできた。
まるで恋するように。
いや、本当の恋を打ち消すために。
ビジネスと愛は同じ匂いがする。
成功(性交?)の甘い香りと、
リスクという鼻を突く刺激臭がある。
リスクにもいろいろある。
金銭、名誉、時間、体力など失うか消耗する。
だが明らかな違いもある。
ビジネスには打算が付き纏うが
真の愛に打算はない。
心から愛おしいと思うか。
何があっても守りたいと思うか。
全てを投げうつことができるか。
激しい愛(cruel love)。
I will cherish you.
I will protect you.
And I love you.
愛とはすべてを受け入れること。
愛とは許すこと。
愛とは求めるものではなく、与えるもの。
愛に目覚めても、恋は盲目という。
目が覚めたのか、目をつぶったのか、今は分からない。
それは時間が答えを出すだろう。
今は時の流れに身を任せよう。
抱き合いながら。
I was born to love you.
I was born to take care of you.
I wanna love you, love you, love you.
It's magic. (by Queen)