カンボジア経済

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干ばつで予想外の電力不足 プノンペンで計画停電も

2019年03月29日 | 経済
 3月18日、カンボジア電力公社(EDC)は、5月末までの期間、計画停電を実施するとの声明を発表しました。合計72日間のうち、日曜と休日については停電を実施しないとしています。また、病院、主要産業、精米業者、上水道公社、大使館、政府機関等については、停電の対象外とするとしています。
 計画停電に至った理由として、1月の料金引下げによる需要増、異常な酷暑、水不足等を挙げています。国内の発電内訳は、水力48.5%、石炭火力34.5%、石油火力1.9%、再生可能エネルギー0.5%等となっており、水力に頼っていますが、乾季には設備容量の25%程度しか発電できないのが現状です。これは、ダム容量が不十分で、季節調整能力(雨期に水を貯めて乾季に備える)が不十分なためです。
 EDCでは、周辺諸国に協力を求めており、タイから80MW、ラオスから10MWの増加を取り付けたとしています。また、トルコで使用中の発電バージ(船上に火力発電設備を有するもの)をカンボジアに回航することを検討中としています。また、新聞報道では、ラオスから更に200MWの供給を受けるとしています(ラオスからの基幹送電線は不十分なため、直ちに受け入れられるかは不明確です)。
 プノンペン等での計画停電は、奇数日と偶数日に午前と午後の停電を入れ変えながら実施しています。時間は、発表では午前は6時から12時、午後は12時から18時となっていますが、短い場合もあるようです。EDCの発表によりますと、プノンペンでの午前地区と午後地区はかなり細かく分かれています。お住いの地区が今日は午前に停電でしたら、明日は午後に停電になるとお考えください。
 今回の停電は、ビジネス環境に大きな悪影響を与えています。電力の安定供給は、外国投資誘致には欠くことのできないものですが、中国等の外国投資による発電所で構成されているカンボジアにおいては、計画的な電力運用と中長期的な開発計画の達成が容易ではありません。カンボジア政府がリーダーシップを握った柔軟な対応と地道な努力が大いに期待されます。

EDCの発表(クメール語です)
http://www.edc.com.kh/newsdetail.php?id=394&typeid=1


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