カンボジア経済

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IMF IV条協議結果2019 マクロ経済の好調を評価

2020年01月09日 | 経済
 国際通貨基金(IMF)は、IMF協定第IV条に基づき、毎年加盟国政府と政策協議を行うこととなっています。2019年9月30日から10月11日に行ったカンボジアとの協議結果詳細について、12月26日にIMFから発表がありました。
 主なポイントは、(1)カンボジア経済は好調を持続。2019年の成長率は7.0%、2020年は6.8%と予測。それ以降も2024年まで6.5%~6.7%の高度成長が続く。(2)物価上昇は問題なし。2019年は2.4%、2020年は2.6%と予測。(3)経常収支赤字は、対GDP比で2019年には13.5%だが、2024年には9.5%に低下する。(4)外貨準備は2019年169億ドル(輸入の7.2か月分)、2020年188億ドル(輸入の7.1か月分)を見込み安定的。(5)財政赤字も対GDP比1.4%程度で安定的である、等です。なお、添付されている債務持続性分析報告書(DSA)では、カンボジアの対外債務の状況を、2018年の債務返済比率(DSR)が1.6%と非常に低いことなどから、「低リスク(青信号)」に分類し、当面問題ないものとしています。
 IMFの理事会では、このレポートに基づき、カンボジア経済の良好な実績と高度成長、低インフレ率、それに伴う貧困削減を高く評価しています。ただし、EUの特恵関税制度EBAの資格停止と世界経済の減速が大きなリスクになっていると指摘しました。財政安定性維持、マクロ金融リスク抑制、SDG推進についても評価しています。財政については、税収増加努力を評価し、必要な社会・経済インフラへの投資を支持しています。金融セクターについては、高い収益性、十分な余力、低い不良債権比率を評価しました。ただし、不動産セクターへの貸付の増加を懸念し、不動産セクター向け貸付のリスク軽減策を提言しています。また、現地通貨リエルの使用促進やマネーロンダリング対策も求めました。今後の課題としては、競争力強化と産業多様化に向けた構造改革が重要であると指摘し、具体的には、貿易振興、ビジネス環境の改善、ガバナンスの改善努力を提言しています。
 非常に詳細な英文のレポートですが、統計数字等については最も信頼が置けます。下記のIMFのサイトをご覧ください。
(写真は発展するプノンペン市内)

IMFの発表(英文です)
https://www.imf.org/en/News/Articles/2019/12/26/pr19490-cambodia-imf-executive-board-concludes-2019-article-iv-consultation?cid=em-COM-123-40938


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