9月28日、米国の下院は、フン・セン政権中枢部への制裁を定めた「2021年カンボジア民主法(Cambodia Democracy Act of 2021)」を可決しました。今後、上院で討議される予定です。法案は、資産凍結やビザ制限等でフン・セン政権中枢部への圧力を強めるものです。なお、貿易制度(関税免税等)には言及していません。
法案では、カンボジアは、2017年以降、メディアへの締め付け、野党党首の逮捕、最大野党の解党等の非民主的措置を続けていると非難しています。また、選挙も自由・公平・信頼性の原則を満たしていないとしています。こうした非民主的措置に関わった政府関係者について、資産凍結、米国への入国禁止(ビザ制限)等の制裁を行うこととしています。これらの措置が是正された場合には、制裁を解くとしています。
カンボジアの主要産業である縫製業の主要輸出先は、米国及びEUであり、制裁が貿易に及ぶようなこととなれば、カンボジア経済への影響は無視できないものとなります。既に、EUは、特恵関税の一部停止という制裁を実施しています。また、正式な制裁でなくとも、カンボジア縫製業の主要取引先であるファストファッション企業等が、社会的な配慮や政府の意向を忖度してカンボジアへの発注を躊躇するようなケースも懸念されます。
他方、こうした制裁措置は、強権的な中国との関係を背景としているフン・セン政権に打撃を与える可能性はかなり低いと言わざるを得ません。そうした中で日本は、我慢の外交を重ねて、カンボジアに少しずつ変化をもたらそうとしているものと見られます。「親中派」のカンボジアが中国に傾き過ぎないように、現実的なバランスの取れた外交・政策を実施していくことを後押ししていくことが重要と見られます。
(写真は、プノンペン市内。記事とは直接関係ありません)
米国下院のサイト(英文です)
https://www.congress.gov/bill/117th-congress/house-bill/4686
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法案では、カンボジアは、2017年以降、メディアへの締め付け、野党党首の逮捕、最大野党の解党等の非民主的措置を続けていると非難しています。また、選挙も自由・公平・信頼性の原則を満たしていないとしています。こうした非民主的措置に関わった政府関係者について、資産凍結、米国への入国禁止(ビザ制限)等の制裁を行うこととしています。これらの措置が是正された場合には、制裁を解くとしています。
カンボジアの主要産業である縫製業の主要輸出先は、米国及びEUであり、制裁が貿易に及ぶようなこととなれば、カンボジア経済への影響は無視できないものとなります。既に、EUは、特恵関税の一部停止という制裁を実施しています。また、正式な制裁でなくとも、カンボジア縫製業の主要取引先であるファストファッション企業等が、社会的な配慮や政府の意向を忖度してカンボジアへの発注を躊躇するようなケースも懸念されます。
他方、こうした制裁措置は、強権的な中国との関係を背景としているフン・セン政権に打撃を与える可能性はかなり低いと言わざるを得ません。そうした中で日本は、我慢の外交を重ねて、カンボジアに少しずつ変化をもたらそうとしているものと見られます。「親中派」のカンボジアが中国に傾き過ぎないように、現実的なバランスの取れた外交・政策を実施していくことを後押ししていくことが重要と見られます。
(写真は、プノンペン市内。記事とは直接関係ありません)
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