今年は高みの見物と行きたかったのですが……
先手の谷川九段は、ここ2年、前半戦好調。ただ、後半戦では前期は4連勝後1勝4敗、前々期は4連勝後5連敗と、負けが込むので「氏に前半戦で当たるか後半戦で当たるかでは難易度が変わってくる」とまで言われてしまっている。
そんな谷川九段に、渡辺竜王は昨期、後半戦(6回戦)ではあったが敗れ、挑戦権から後退している。今年は第1局にぶつかり、しかも竜王の後手番。羽生二冠の名人復位に立ちはだかる最大の強敵の敗戦を期待したが、渡辺竜王が持ち時間を2時間28分を残しての快勝。やはり手強い。
谷川九段の誤算は△7七成銀とされた第0図。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/f0/92bb711270f05dc3b6791b3323b52503.jpg)
▲5三歩成に手抜きされ△7七成銀▲4二と△同角▲7七桂に△6四角(第1図)が谷川陣1八香・2八玉の弱点を突いている。せめて1九玉となっていれば角の直射を防ぎやすいのだが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/16/94f1087ec28ad8e1b22f60ea04fbdd26.jpg)
第1図以下、▲4六歩△8六飛▲5六歩△3七歩▲同飛△4六角▲4七銀△8八飛成(第2図)と進み、幾ばくもなく谷川九段投了となってしまった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/ed/c18a47b447083ea8f34902ad5dea5680.jpg)
先手としては▲3二飛成と切って勝負形に持ち込みたいが、それを後手の角に封じられてしまったのが痛い。
と、なると、疑問が生じる。第1図より▲4六歩△8六飛と進んだところで▲5五歩(変化1図)とする手はなかったのか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/65/c4ce5308437a690d556387b698842eb7.jpg)
図で△5五角なら▲3二飛成(変化2図)と、後手角に飛車の動きを制される前に切ってしまうのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/02/ed1261fc2e2b86ca43a2f989e49f3fa9.jpg)
図以下△3二同銀に▲4二金(変化3図)と絡みついてどうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/44/6448705729ff90007ce8bffc0e15ef1d.jpg)
変化3図で良いかと言うと私には分からないが、本譜よりマシなような気がする。先手の序盤からの趣向を考えると、飛車を切れれば本望だ。
先手として嫌なのは、変化1図で△4六飛(変化4図)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/44/6448705729ff90007ce8bffc0e15ef1d.jpg)
ここでも▲3二飛成と切りたいが、かまわず△4九飛成(変化5図)とされると自信がない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/be/824d86da30754fcbd3793d9fe825962b.jpg)
図より▲3八龍と龍を生還させるのは、手順に△6九龍と金を取られるのが悔しい。(これはこれで勝負かもしれない)
また、6九の金につないで▲5八銀と頑張る手も見えるが、△5五角▲3七合駒△3八金▲同銀△3九角▲1九玉△3八龍がある。
また、変化4図で一旦▲4八歩と辛抱するのは△5五角(変化6図)が嫌味。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/2f/04b1d0217e86b56ac113f7e91b9e2d41.jpg)
図で▲3二飛成と切りたいが△4八飛成(変化7図)で終了。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/4c/405cf0b5b7fdbdb8dc5e134f8cf76d41.jpg)
かと言って、変化6図で3七に駒を打つのは悔し過ぎる。
永世名人と永世竜王の将棋に口を挟むのは恐れ多いのですが、実戦の進行よりマシなような気がします。読み抜け、錯覚があると思います。お気づきの点がございましたら、ご指摘ください。
先手の谷川九段は、ここ2年、前半戦好調。ただ、後半戦では前期は4連勝後1勝4敗、前々期は4連勝後5連敗と、負けが込むので「氏に前半戦で当たるか後半戦で当たるかでは難易度が変わってくる」とまで言われてしまっている。
そんな谷川九段に、渡辺竜王は昨期、後半戦(6回戦)ではあったが敗れ、挑戦権から後退している。今年は第1局にぶつかり、しかも竜王の後手番。羽生二冠の名人復位に立ちはだかる最大の強敵の敗戦を期待したが、渡辺竜王が持ち時間を2時間28分を残しての快勝。やはり手強い。
谷川九段の誤算は△7七成銀とされた第0図。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/f0/92bb711270f05dc3b6791b3323b52503.jpg)
▲5三歩成に手抜きされ△7七成銀▲4二と△同角▲7七桂に△6四角(第1図)が谷川陣1八香・2八玉の弱点を突いている。せめて1九玉となっていれば角の直射を防ぎやすいのだが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/16/94f1087ec28ad8e1b22f60ea04fbdd26.jpg)
第1図以下、▲4六歩△8六飛▲5六歩△3七歩▲同飛△4六角▲4七銀△8八飛成(第2図)と進み、幾ばくもなく谷川九段投了となってしまった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/ed/c18a47b447083ea8f34902ad5dea5680.jpg)
先手としては▲3二飛成と切って勝負形に持ち込みたいが、それを後手の角に封じられてしまったのが痛い。
と、なると、疑問が生じる。第1図より▲4六歩△8六飛と進んだところで▲5五歩(変化1図)とする手はなかったのか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/65/c4ce5308437a690d556387b698842eb7.jpg)
図で△5五角なら▲3二飛成(変化2図)と、後手角に飛車の動きを制される前に切ってしまうのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/02/ed1261fc2e2b86ca43a2f989e49f3fa9.jpg)
図以下△3二同銀に▲4二金(変化3図)と絡みついてどうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/44/6448705729ff90007ce8bffc0e15ef1d.jpg)
変化3図で良いかと言うと私には分からないが、本譜よりマシなような気がする。先手の序盤からの趣向を考えると、飛車を切れれば本望だ。
先手として嫌なのは、変化1図で△4六飛(変化4図)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/44/6448705729ff90007ce8bffc0e15ef1d.jpg)
ここでも▲3二飛成と切りたいが、かまわず△4九飛成(変化5図)とされると自信がない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/be/824d86da30754fcbd3793d9fe825962b.jpg)
図より▲3八龍と龍を生還させるのは、手順に△6九龍と金を取られるのが悔しい。(これはこれで勝負かもしれない)
また、6九の金につないで▲5八銀と頑張る手も見えるが、△5五角▲3七合駒△3八金▲同銀△3九角▲1九玉△3八龍がある。
また、変化4図で一旦▲4八歩と辛抱するのは△5五角(変化6図)が嫌味。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/2f/04b1d0217e86b56ac113f7e91b9e2d41.jpg)
図で▲3二飛成と切りたいが△4八飛成(変化7図)で終了。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/4c/405cf0b5b7fdbdb8dc5e134f8cf76d41.jpg)
かと言って、変化6図で3七に駒を打つのは悔し過ぎる。
永世名人と永世竜王の将棋に口を挟むのは恐れ多いのですが、実戦の進行よりマシなような気がします。読み抜け、錯覚があると思います。お気づきの点がございましたら、ご指摘ください。