英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『平清盛』 第28話「友の子、友の妻」

2012-07-16 11:35:14 | ドラマ・映画
保元の乱の直前辺りから、別のドラマのように面白くなっている。
しかし、1話ごとに区切って観ると評価は高いが、ドラマの繋がりを考えると、不満(疑問)点は多い。


 先週から今週について言うと、清盛(松山ケンイチ)と義朝(玉木宏)の一騎打ち(前話単独で観ても、この一騎打ちは不自然だったが)でとどめを刺さず、義朝は史実通り尾張で命を絶った。
 あの一騎打ちの場で、義朝のとどめを刺すのが友としての情ではないのだろうか。
 さらに、武士の地位を高め、武士の世を興すという使命を義朝は自分の浅はかな思いだけで放棄してしまった義朝を、息子の頼朝(中川大志)に重ねて、自分がその使命をひとりで背負わなくてはならなくなったとぶちまける清盛だったが、その思いは、前話で義朝本人にぶつけなければならなかったのではないだろうか?

 今話のメインは、頼朝の処遇と常磐御前(武井咲)とその息子たちの処遇だった。今後の展開を考えると確かにキーパーソンだと思うが、ここまでの流れを考えると、メインは義朝の最期と念願の公卿に到達したことではないのか?←最後にちらりとワンシーンとナレーションがあっただけ。(信頼(塚地武雅)の斬首、言い渡しの件はあるものの)

それはさておき、
清盛の決断 ~友の子、友の妻~
1.頼朝の処遇
 先述した、平氏と源氏の念願「義朝が放棄した武士の世を興すこと」、その使命を清盛ひとりが背負うこととなってしまい、その成就を頼朝が見届ける義務があるとして、流刑を命じた。

処遇の決断を揺らす事象として
①新しき国づくりを邪魔する存在の源氏の頼朝
②信西の敵である義朝の子
③池禅尼(和久井映見)が助命の進言

 清盛の決断を迷わす材料②として西光(加藤虎ノ介)が登場したが、ここで登場させなくてもいいのでは?再登場するのならそれなりの場を与えて欲しかった。出家したのに「首を刎ねろ」はないと思う。
 心の内を表に出さない清盛に人間の深みを感じるが、清盛がどのように考え、どのように心が動き、決断したのかが、私には読み取れなかった
 池禅尼と家貞(中村梅雀)の会話の中で、清盛の本心は頼朝の命を奪いたくないのだと語っていたが、「えっ、そうなのか?」と思った。

2.常磐御前らの処遇
 命を掛けて、子らを守るという常磐に、命を懸けて我が命を守った実母・舞子(吹石一恵)を重ね、生きて子を守れと言い放つ。

 一話単独と観ると、頼朝らの処遇にまつわるそれぞれの思いが、丁寧に描かれていてよかった。

【ストーリー】(番組サイトより)
 1159年12月、源義朝(玉木宏)は軍勢を失い、三人の息子ら数人と東国へ落ちのびようとしていた。しかし山中で三男の頼朝(中川大志)がはぐれてしまう。
 一方、謀反の首謀者である藤原信頼(塚地武雅)は後白河上皇(松田翔太)を頼り仁和寺に逃げ込んだが、そこへ平氏の軍勢が踏み込んだ。信頼は捕らえられ、藤原成親(吉沢悠)とともに清盛邸に連れてこられた。清盛(松山ケンイチ)はこの謀反人たちの処分を任されていた。清盛は長男・重盛(窪田正孝)の義兄である成親は許したが、信頼に対しては斬首を命じた。武士の判断により貴族が処分できるほどに、時代は変わっていたのだ。
 そのころ義朝一行は美濃の青墓にいた。戦で深手を負った義朝の次男・朝長(川村亮介)は足手まといになると命を絶つ道を選び、長男・義平(波岡一喜)は義朝と別れ北国へ下るが、やがて平氏に捕まり斬首となった。
 そして義朝は家人・鎌田正清(趙和)と逃避行を続け、1160年1月、尾張にいる正清の舅・長田忠致(おさだただむね・長谷川公彦)を頼る。温かい出迎えに安心する正清だが、義朝は忠致の背信を悟っていた。やがて囲まれた義朝と正清は刺客たちと斬り合った後、お互いに刺し違えてついに果てる──。
 二人の死を知った清盛は、更に義朝の嫡男・頼朝の追討を命じる。そして2月、平宗清(梶原善)がついに頼朝を捕縛した。連行された頼朝は、清盛と生涯2度目の対面を果たす。清盛は頼朝に源氏一門の悲惨な最期を語ると、頼朝は泣き崩れた。頼朝が下がった後、重盛が清盛に意向を聞くと、新しき国づくりを邪魔するものは友の子であっても許さぬと言い放った。

 頼朝が幽閉されているところに清盛の三男・宗盛(草川拓弥)が訪れた。戦場で頼朝に矢で狙われて腰を抜かした宗盛は、頼朝に悪口を言い放つ。そこへあらわれた池禅尼(和久井映見)は宗盛をたしなめ下がらせると、頼朝が檜(ひのき)と小刀を所望した理由を聞いた。頼朝は卒塔婆(そとば)をつくり、父・母や兄たちの菩提を弔いたいと答える。そして亡き母の教えに従い、源氏の誇りを持って沙汰を潔く受け入れると覚悟を語った。
 そんな頼朝に家族思いの息子・家盛の面影を見た池禅尼は清盛に助命を進言する。情に流されるわけにはいかないと拒否する清盛だが、池禅尼は断食をしてまでも清盛に助命を迫る。その一方で、信西の最期に立ち会った西光(加藤虎ノ介)が清盛を訪ね、信西の敵である義朝の子・頼朝の首をはねるように切々と訴えるのであった。

 そのころ、常盤(武井咲)は生まれたばかりの牛若(のちの源義経)ら三人の息子とともに鬼若(青木崇高)にかくまわれていた。ある日、常盤は三人の子を救うために六波羅の清盛のもとに行くことを申し出る。鬼若は止めるが常盤の決心は固かった。
 清盛と対面した常盤は、子らの命を助けてほしいと懇願する。平氏一門の中には、彼女を側女(そばめ)にすればよいという者もいるが、清盛は否定する。妻・時子(深田恭子)は、清盛が迷っていることを見抜き、義朝は敵である前にかけがえのない友だったことを考えて裁断するべきと清盛に助言する。

 相変わらず断食を続ける池禅尼は、家貞(中村梅雀)に真情を語っていた。本心では頼朝の命を奪いたくない清盛を、おもんばかっての行動だったのだ。
 そして裁断の日、庭に座す頼朝に清盛は、義朝が残した源氏の家宝「髭切」の太刀を見せる。尊敬する父が大切な太刀を失くす程まで追い詰められていたことを知り、衝撃を受けた頼朝は生きる望みすら失い、早く斬られることを望んだ。そんな弱々しい頼朝を見て、清盛は同情を通り越して怒りすらわいてきて、頼朝に義朝の姿を重ねたたきふせる。一緒に武士の世を望んだ最愛の友・義朝の死を嘆くとともに、ひとりで武士の世を切り開く自らの苦しさを語った。頼朝に誠の武士の姿を遠くで見ておれと、流罪を言い渡した。そして清盛は常盤をたずね、子どもを守るために生きろと命じた。

 やがて頼朝は配流先の伊豆に向かった。藤九郎(塚本高史)という若者とともに。
 そして清盛は武士としてはじめて公卿にのぼり、一門の繁栄を着実に築きあげていった。
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