英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『平清盛』 第27話「宿命の対決」

2012-07-09 14:57:28 | ドラマ・映画
宿命の対決だったが、源平戦は平氏の完勝。
 強きのみ事を求めた義朝(玉木宏)に対し、強さだけでは世の中を変えることができないと悟り、財力・政治力を伸ばし、先を見据えた戦略を考えていた清盛(松山ケンイチ)とでは、結果は明白だった。

深謀遠慮な清盛
・公卿方を味方につけ、帝や上皇を救い、「信頼、義朝討伐」の勅命を受け、義をも手に入れた
・源氏をおびき出し、圧倒的な兵力で迎え撃った


 先週、信西(阿部サダヲ)の死で怒り心頭な清盛だったが、そんなことをまったくおくびに出さない見事な策略だった。
 「そんな深謀遠慮が出来るのなら、信西が孤立している空気ぐらい読めよ(息子や過信は悟っていた)!」と言いたい。
 ドラマ的にはその清盛の深い思慮を一族にも明かさないのは面白いが、一族にも途中まで策を明かさない理由がわからない。「敵を欺くには、まず味方から」なのだろうか?
 清盛をよく知る義朝は、恭順の意を示す証書・名簿(みょうぶ)を疑う。しかし、疑うだけにとどまってしまうのが、義朝の悲しさ。その名簿の証を立てろと、人質を差し出せぐらい言ってはどうなんだ!と思っていたが、忠心者であるが、木登りと怖い顔をしてして泣くことしか出来ない(一族を斬ることもしたが)鎌田正清(趙和)しか側近(ブレイン)がいないのも悲しい。
 敵の兵力も知らないのも……


一騎打ち
 あれだけ優勢なのに、「そんな危ないことしたらあかんやろ!」。今までの深謀遠慮を台無しにしてしまう暴挙!
 見ごたえがあったし、ドラマ的には必須なのだから、仕方がないでしょう。



 全体的には面白かった。
 ただ、常盤御前(武井咲)のシーンは、盛り上がりの腰を思い切り折られた。


 

【ストーリー】(番組サイトより)
 源義朝(玉木宏)の挙兵を知って、京に戻った平清盛(松山ケンイチ)は、信西(阿部サダヲ)の死を知り、怒りに震えた。1159(平治元)年12月18日、清盛邸では一門が戦いの予感に身構えた。しかし、清盛は性急に動こうとしないばかりか、義朝に信西を討たせた張本人である藤原信頼(塚地武雅)に対し、恭順の意を示すよう一門に命じる。
 内裏を占拠する義朝のもとには、東国から長男・義平(波岡一喜)のほか、次男・朝長(川村亮介)もかけつけ、三男・頼朝(中川大志)とともに守りを固めていた。東国武士の野蛮なふるまいや、遊んでばかりいて政治に全く興味がない信頼に失望した親政(二条天皇)派の公卿・藤原惟方(これかた・野間口徹)と経宗(つねむね・有薗芳記)は、自分たちの判断を後悔し始めていた。一方、内裏にいる藤原成親(吉沢悠)は清盛の長男・重盛(窪田正孝)の義兄であることから、どう転んでもわが身は安泰だと悠々としていた。

 そのころ、内裏の一本御書所に幽閉されていた後白河上皇(松田翔太)は、今様を歌いながら舞っていた。上皇の姉・上西門院統子(むねこ:愛原実花)はそんな上皇をたしなめるが、上皇は悲しみにかられて舞っていることに気づく。

 何日待っても攻めてこない清盛にいらだつ源氏勢。そんな折、彼らのもとへ清盛の使いとして家貞(中村梅雀)が訪れた。警戒して信頼のそばに集まる義朝や成親たち。しかし家貞が信頼に差し出したのは恭順の意を示す証書・名簿(みょうぶ)だった。裏があるはずと疑う義朝だが、信頼は平氏をすっかり信じきっていた。
 清盛邸では宴が始まる。そんな宴の最中に客人が清盛を訪れた。藤原惟方と経宗だった。二人は今回の謀反を清盛に詫び、自分たちは巻き込まれただけで謀反は信頼がすべて企てたことという。そして東国武士に占拠された内裏を平氏の力で変えてほしいと願った。清盛は二人の言い逃れに怒って脅した後、望みをかなえる代わりに協力を求めた。
 清盛が策を練る中、時子(深田恭子)が、一方、義朝にも常盤(武井咲)が、このまま仲の良かった二人が戦ってもいいのかと問うが、清盛も義朝も、平氏と源氏の棟梁であるふたりが戦うのは宿命だと答えた。

 内裏では、藤原惟方と経宗が、源氏勢に酒をふるまい休ませるように信頼にすすめていた。信頼はすっかり気を許し、大半の兵たちが酔いつぶれる中、経宗は後白河上皇を内裏から救出し、仁和寺に届ける。一方、惟方は二条天皇(冨浦智嗣)を女人に変装させて脱出をはかり、六波羅に届ける。それを知った清盛は、都中に天皇が六波羅にいることを触れ回させた。翌朝、ことの次第を知った義朝は信頼のもとへ駆けつけ、信頼を「日本一の不覚人」と怒りをぶつける。これで源氏勢は、天皇に刃を向ける朝敵となってしまったのだ。

 12月26日、二条天皇がいる六波羅の清盛邸には公卿方のほとんどが集まった。二条天皇はじきじきに清盛に声をかけ、信頼と義朝の追討を命じた。勅命をうけた平氏は官軍となり出陣の準備を始める。そんな中、三男・清三郎が連れてこられ、清盛から名を「宗盛」と改めることを命じられた。
 平氏の動きに呼応して、義朝率いる源氏勢も意気が上がる。準備をすすめる義朝の前に常盤があらわれ、必ず勝っておなかの子を抱いてほしいと願う。義朝は常盤のおなかをなでて「牛若」と名付け、強き源氏の武者になると予言した。
 義朝の子らが内裏の守りを固めるところに、平氏勢が押し寄せる。平重盛は待賢門を破り、鎌倉悪源太と呼ばれる義朝の長男・源義平と一騎打ちになる。内裏の各所でも戦いが繰り広げられた。清盛の弟・平頼盛(西島隆弘)は父・忠盛から授かった名刀で奮戦。源頼朝が宗盛に矢を放つと伊藤忠清(藤本隆宏)がその矢を払いのけたものの、宗盛は腰をぬかす。内裏の一室では、無事を祈る常盤の前に大男があらわれた。短刀を男に向ける常盤だったが、男は常盤を救おうとする鬼若(青木崇高)だった。

 戦いがこう着状態に入ると、重盛も頼盛も忠清も軍勢に退却を命じた。報告を聞いた義朝は後を追って一気に攻めるよう命令する。追いかける源氏勢は賀茂川を渡り、平氏の本拠地・六波羅を攻め込もうとすると、対岸には大勢の平氏軍が待ち伏せていた。源頼政(宇梶剛士)は罠にはまった愚かさを嘆き、その場を去っていく。
 やがて平氏軍の放った何千本もの矢に源氏勢は次々と倒れていく。見かねた義朝は、清盛との一騎打ちを望み、清盛を河原へと誘う。二人は馬上での斬り合いからはじめ、馬を降りて斬り合う。死闘の末、清盛が義朝の動きを制し、首もとに剣を突きつける。
 だが、清盛は「お前は負けたのじゃ、義朝!」と言い放っただけで、とどめを刺すことはなかった。義朝は力なく立ち上がり馬で去って行った。二人は、これがお互い会う最後だと知っていた。
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