英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

15-16 Wリーグ プレーオフ・セミファイナル 【その2】

2016-03-01 22:27:47 | スポーツ
【その1】の続きです)

富士通  × シャンソン化粧品 第2戦
 立ち上がりは、両チームともオフェンス失敗を繰り返した(4度)。
 富士通はシャンソンのゾーンディフェンスに対し、インサイドアウトの3Pシュートやリング下へのパスを通すなどオフェンスの形になっていた。富士通はターンオーバーや単発のジャンプショットで攻めあぐねていた。
 最初にポイントしたのは富士通。2分38秒、スティールからの速攻を決め、昨日の敗戦を払拭するかに思われた。
 しかし、この後、ディフェンスを崩すもののシュートが決まらない。この間、シャンソンに3Pシュート2本など得点を上げられ2-8と逆転されてしまう。
 富士通、テーブスHCはタイムアウトを取り、修正しようとするが、シュートが入らない。対する富士通はリング下の元山にパスが通り、難なく2点。さらに、元山に3Pシュートを決められ、2-13と11点差。
 昨日やられた元山に得点され、点差を広げられたことで、富士通の動きは完全におかしくなった。
 富士通はゾーンディフェンスに切り替えたが、オフェンスリバウンドから3Pシュートを決められ、2-16。
 さらに、富士通がオフェンスリバウンド2度取って、必死にオフェンスを繋げた後、ターンオーバー。
 残り30秒で長岡が3Pシュートを決めたものの、シュート15本打って3本しか決まらず、成功率20%。しかも、オフェンスが機能してのこの低率。オフェンスが機能しないよりマシと考えることもできるが……長岡1/3、町田0/2、篠崎1/4、山本0/1、篠原0/1、佐藤1/3、三谷0/1と、万遍なくシュートを外すのでは、テーブスHCも頭が痛いだろう。
 結局、第1Qは7-18で終了。シャンソンは昨日活躍した元山が7得点が今日も活躍。その他は三好が6得点、井澗3得点、近平2得点。

 第2Q、ここまでアシスト(3本)に回っていた本川が立て続けに2本3Pシュートを沈め、24-7。
 もうこうなると富士通は何をどうしたらよいのかわからない。意志を持たないディフェンス、オフェンスになり、開始2分34秒で9-31と一方的なゲームとなった。
 さらに、3分45秒、24秒オーバータイムぎりぎり、苦しい体勢から本川に3Pシュートを沈められ、11-34。とどめを刺された感じだ………………

 ………………16-41、25点差で前半終了。もちろん、まだ、逆転の可能性はあるが、前半で16点しか得点できなかったことを考えると、絶望的だ。
 この第2Q、本川は3P4本を含む14得点。前半の得点は本川14得点、元山7点、近平7点、井澗7点、三好6点。3Pシュート7本。
 不安材料を挙げるとしたら、第2Qに入って元山が0/3、3ファールと不振。さらに残り5分34秒以降、本川以外の選手の得点が途絶えたこと。近平も3ファールで、インサイドプレーヤーにファールが嵩んでいる。


 ハーフタイムのテーブスHCの指示は「プライドを持ったプレーをしろ」……とにかく、このまま、この不甲斐ないゲームを続けたら、ファンにも申し訳ないし、何より、今まで自分たちの努力が意味がなくなってしまう。
 逆のスコアだったら、ハーフタイムのシャンソンの控室は恐ろしいことになっているんじゃないだろうか?

 後半開始、テーブスHCの激言を受けて、長岡が奮起。≪何が何でも入れる≫と3Pシュートを含む3本のシュートをねじ込む。シャンソンは元山の代わりに出ている杉山が2得点したものの、43-23から三好がダブルドリブルを犯し、堪らず丁ヘッドコーチがタイムアウト。憤激の嵐。
 シャンソンのゲーム開始からゾーンディフェンスが機能していたが、後半はマンツーマンディフェンス。丁ヘッドコーチは「最初からのゾーンディフェンスは、富士通の虚を突いたはずだ」と悦に入っていた。ハーフタイムで富士通はゾーン対策を練ってきたはずと読んでのマンツーマンだと思われるが、富士通にとっては有難かったのではないだろうか?
 テーブスHCによると、ゾーンにやられたのではなく、自滅したと考えていたようで、私もそう思う。ただ、苦手意識のないマンツーマンに対しては、やはりオフェンスしやすかったのではないだろうか。
 逆に、シャンソンは前半と違うプレーリズムを強いられたうえ、長岡に攻略され、≪おかしいなあ≫と思ってしまった。そこでの怒号の嵐。

 しかも、タイムアウト明けもマンツーマンディフェンスを継続。杉山が2点ジャンプシュートを決めたものの、富士通・町田、篠崎、篠原(+フリースロー1点)に気持ちよくシュートを決められ30-46。ここで、ようやくディフェンスの切り替えの指示を出したが、三好が町田にボールを奪われそのままドリブルシュート、32-45。
 苦し紛れの三好の3Pが外れたのに対し、町田が3Pシュートを決め、35-45。なんと後半開始4分30秒で、15点も縮まってしまった。
 この後、ともにオフェンス失敗が続いたが、シャンソンの内容が悪い。この間、近平が4つ目のファール。
 膠着状態を、篠崎がリング下の三谷へナイスパスで打開、8点差(6分15秒)。
 7分00秒、町田が3Pシュートを沈め、40-45、5点差。
 元山がドライブを敢行、ファールをもらい、フリースローを2本決める。ほぼ6分ぶりのシャンソンの得点。
 ホッとするのもつかの間、三谷が3Pシュートを決め、43ー47、4点差(8分17秒)。
 9分3秒、元山がパスをキャッチミス、そのままファーストブレイクを佐藤に決められ、2点差(9分8秒)。
 残り32秒、元山がパスミス。この後、得点は動かなかったが、富士通はいい形のオフェンスを展開した野に対して、シャンソンはオフェンスの形にさえならなかった。
 第3Q終了、富士通45-47シャンソン。シャンソンベンチでは、丁ヘッドコーチが、作戦指示ボードを床にたたきつけた。

 シャンソン2点リードだが、勝敗の帰趨は明らかに思えた。

 第4Q、1分59秒に追いつかれ、町田に3Pシュート、篠原にゴール付近でのジャンプシュート+フリースローを決められ(元山4ファール)、逆に6点差をつけられたが(3分29秒)、近平が3P(3分51秒)。篠原の2点ジャンプシュートの後、三好がやや無理気味の3Pシュートを沈め、反撃。
 膠着状態の後、それを打開したのが本川。ドライブをねじ込み、バスケットカウント。シャンソン、逆転! 55-56(6分27秒)。
 シャンソン・元山がスクリーンから執念のジャンプシュート、富士通55-58シャンソン(7分6秒)。富士通は、ここ数プレー、ゴール下に拘り、無理なパスからターンオーバーが続いた。
 しかし、ここで、ここまで全く不振だった山本が、起死回生の3Pシュート!同点(58-58、7分25秒)
 7分41秒、勝負の行方を決めたプレーが出る。井澗の不用意なパスを町田がスティール、そのままドリブルシュート、60-58(7分49秒)。
 堪らず、丁ヘッドコーチ、最後のタイムアウトを取り、
「まだ時間があるから大丈夫。インサイドにボールを入れさせないよう頑張れ」
と指示。できれば、タイムアウトを取った直後の映像・音声が欲しかったが、さすがに怒鳴る時間も惜しかったのだろう。
 しかし、三好の2点シュートが外れた後、町田がドライブで切れ込みシュートイン。ファールアウトの元山、ベンチで顔を覆う。バスケットカウントのフリースローは外し、62-58(8分41秒)。
 本川、ゴール下へドライブで切れ込むが、3人のディフェンダー相手ではさすがに無理。
 それでも、シャンソンの闘志は衰えず、富士通のオフェンスを24秒オーバータイムに追い込む(残り42秒)。ただ、富士通としては時間を消費したので計算内だろう。
 シャンソン、ゴール下、フリーの杉山にパスを通す。しかし、ここで痛恨のシュートミス(残り32秒)。さすがに万事休す。

 富士通64-58シャンソン。驚異の大逆転勝利。

 本来は、総評をまとめたいのですが、現在22時23分。
 本日行われた第3戦の録画をこれから観ます。
 さすがに、富士通が勝つだろうなあ。

まとめの代わりに、テーブスHCのインタビューの弁を。
(「25点からの逆転です。如何でした?」の問いに対して)
「最初から、やればいいやん!」
【続く】
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15-16 Wリーグ プレーオフ・セミファイナル 【その1】

2016-03-01 00:55:13 | スポーツ
 15-16 Wリーグ プレーオフが始まっていました。
 今シーズンから、クォーターファイナルが設けられ、2月20日(土)より3回戦制で始まっていたようです。
 なんだか、他所事のような言い回しですが、27日(土)にテレビ欄で中継があるのを見て、プレーオフが始まっていた事に気がついた次第です。
 それにしても、新聞やテレビのニュースは、野球、サッカー、大相撲、ゴルフ、スキージャンプ、錦織選手、オリンピック関連などは大々的に報じるけれど、その他のスポーツはゼロに近い。セミファイナルも、紙面を隅々まで探さないと見つけられないか、記事がないかという状況。もちろん、テレビは皆無に近いです。

クォーターファイナル の結果は、
   JX-ENEOS 2-0 アイシンAW (91-69、84-48)
      富士通   2-1 三菱電機   (52-55、66-54、61-51)
 シャンソン化粧品 2-0 トヨタ紡績   (78-60、83-66)
      デンソー  2-1 トヨタ自動車  (52-47、53-64、59-51)
 レギュラーシーズン1位~4位が勝ち上がったが、7位の三菱電機が2位の富士通相手に、初戦を勝利し第3戦も接戦と健闘した。
 また、5位のトヨタ自動車はレギュラーシーズン、対JX・1勝2敗、対富士通・2勝1敗、対シャンソン2勝1敗、対デンソー0勝3敗の通算16勝8敗(4位のデンソーと同星)と上位4チームに伍する実力を持っており、デンソー対トヨタ自動車戦は激戦であった。

セミファイナル の結果は、
 JX-ENEOS 2-0 デンソー (71-56、79-51)
   富士通    1-1 シャンソン(61-65、64-58、 -  ) 第3戦は明日3月1日

 実は、このセミファイナルについては簡単に書くか、省略するか、と思っていたが、セミファイナルを観ていて、≪そういう訳にもいかないなあ≫と予定を変更。
 その訳は、熱戦だったこともあるが、シャンソンのヘッドコーチ・丁 海鎰(ちょん へいる)
があまりにも直情的だったからである。
エスカルゴさんには申し訳ないが、≪シャンソンには勝って欲しくないなあ≫と強く思ってしまった。丁氏は長、年トヨタ自動車のヘッドコーチを務めてきており、私も氏の性格を把握していたつもりだが、昨日の氏は酷かった。
 自分の思い描いたプレーができないと怒鳴りまくる。昨日のゲームは前半で41-16と大差をつけていたが、後半に入るとゲーム展開が一転、信じられない逆転負けを喫してしまった。
 ≪さぞやベンチは大変だろう≫と観ていたら、指示ボードをフロアに叩きつけて怒号の嵐。
 選手が思うようにプレーをしないという苛立ちは理解できるが、25点差をひっくり返されたのは、ヘッドコーチの責任である。

 こんなヘッドコーチが長年、日本のトップリーグで指揮を摂っているが、バスケット関係者はよほど辛抱強いのか、心が広いのだろう。 


JX-ENEOS × デンソー
第1戦

 互いのディフェンスが厳しく、思い通りにオフェンスが行えない状態が続く。
 特にJXはインサイドの渡嘉敷や間宮にボールを入れることができない。通常だと間宮が中距離からシュートを決めるのだが、外してしまう。動きもやや緩慢で不調かと思わせた。デンソーもシュートが決まらない。
 局面を打開したのは、JXの大沼。ディフェンスの注意が渡嘉敷、間宮に集まり大沼へのチェックが緩くなるせいもあるが、ドライブにミドルショットにスティールにと縦横に活躍。
 第2Qの半ばからは間宮も立ち直り、控えに回った宮澤もここぞとばかりシュートを決める。デンソーも各々が頑張るが、万遍なく押し寄せるJXディフェンスのプレッシャーに押され、思うように得点ができず、徐々に点差を拡げられていく。デンソーのディフェンスも頑張っていたが、徐々に消耗し食い破られた感がある。34-17で前半終了。
 JXは個人のポテンシャルの高さに加えて、それぞれの為すべき仕事を失敗しても果たしていく。オフェンスもディフェンスも厚みがある。昨シーズンまで吉田しかいなかったポイントガードも、宮崎、山田が成長し、吉田を休ませることができるようになった。ただ、宮崎はスピードはあるが、≪自分が≫という意識がやや強く、周りが見えていないことが時折あるようだ。
 後半も、危なげなく押し切り、71-56で勝利。渡嘉敷20得点を始め、間宮、大沼、宮澤が12得点。岡本が着地の際、捻挫したのが不安材料と言えば不安材料。
 デンソーは高田真希と藤原が13得点、伊集9得点、赤穂8得点。誰かが不調という訳ではなく、どの要素でも相手に上回られてしまった。JXを破るには、現状ではやはり、ポイントガードの吉田にプレッシャーを掛け続けるしかないように思う。

第2戦
 第1Qは、デンソーが攻守に動きがよく21-16とリード。前試合同様、渡嘉敷と間宮にインサイドで仕事をさせず、オフェンスもよく機能し、シュート確率が良かった。
 しかし、JXは慌てず、渡嘉敷と間宮はミドルシュートを着実に決めていく。デンソーはやはり消耗するのだろう、攻守に押され始め、第2Q半ばで逆転される。結局、前半を43-32とJXの11点リードで終了。
 後半も流れは変わらず、79-71でJXが勝ち、ファイナル進出を決めた。
 JXは間宮29得点、渡嘉敷23得点、宮澤10得点、大沼9得点。
 デンソーは伊集21得点、伊藤13得点、大庭11得点、赤穂9得点。伊集の気迫溢れるプレーが光ったが、エース高田真希が5得点と押さえられたのが痛かった。


富士通  × シャンソン化粧品
第1戦

 流れが何度か変わったが、富士通の勝つべき試合だったように思える。
 第2Qの1分42秒で10-22とリードをされていたところから、町田の3Pシュートから流れをつかみ、6分19秒に22-22と追いつき、そのままゲームの主導権を奪うと思われたが、そこから一進一退となり、31-28の3点リードに留まった。もちろん、ゲームの流れとしては揺り戻しがあるのは常で、第1Q後半から第2Q序盤の流れを考えると、上出来と言えるかもしれない。しかし、
 富士通は第2Q中盤を除くと点が伸びなかったが、オフェンスそのものは機能していた。ただ、詰めが甘くシュートを外していただけだった。クォーターファイナルの初戦を落として第3戦まで戦ったことで、不安と消耗が生じていたのかもしれない。
 とにかく、シュートが決まらないことが焦りとなり、オフェンスそのものも狂いが生じていった感がある。さらに、後半に入って、シャンソンのディフェンスが変わったこともあり、更に得点をするのに苦労するようになった。
 特に第3Qの3分過ぎに長岡がフリースローを2本決めた後、オフェンスターンが8回って成功が篠崎の2Pシュート1本のみ(ターンオーバー3回を含む)。シュート確率は1/11と1割を切っていた。
 第4Qも5分48秒まで8回のオフェンスターンでものにしたのは1回のみで、この間シュート確率は1/11と全く同様な出来の悪さ。この第3、第4Qの停滞が第2戦に影響したのではないだろうか。
 この後、ゲームの残り時間が少なくなったこともあり、思い切りが良くなったのか得点が伸びたが、“時すでに遅し”だった。

 試合を通じて、エース長岡が2Pシュート0/7、3Pシュート2/7と不振だったのが大きかった。
 あとは、山本の中途半端さが問題に感じた。オフェンスのシステムの問題かもしれないが、ほとんど動かずパスをもらい、充分でなければガードにパスを戻す。この時に、ドリブルで抜こうとするが、抜けずにパスを出しており、ここで、一旦、富士通オフェンスが中断してしまうのだ。全日本のシューターなら多少不十分でもシュートを放って決めるか、ディフェンダーをかわしてドライブを決めるかしなければならない。スクリーンを使ってフリーの状況を作るのも一策だ。

 シャンソンは元山と三好が試合を通して活躍した。特に、元山は富士通オフェンスが停滞した時に縦横無尽に働いて、富士通にダメージを与えると同時に、元山の躍動感がチームを引っ張った。本川にはマークがきつかったが、後半の要所で得点を重ねた。

 第2戦については、「その2」で。
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