英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「ポンプ」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-03-04 18:00:19 | 詰将棋
「ポンプ ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2016年1月号」の解答です。


 初手は▲3六角と捨てる手も詰将棋らしくて指したくなりますが、△同と▲2九銀△2七玉▲3八龍△1六玉▲3六龍△1五玉で詰みません。
 初手は平凡に銀を打つのが正解ですが、1九か2九かは若干迷います。2九に打つのは1九に隙ができるのと、後に2九に龍を回す筋がなくなるマイナスもありますが、本作の場合は3八に利かす方が重要です。


 ▲2九銀に△1九玉と逃げる手は▲3八銀で捕まるので、△2七玉と逃げます。

 ここで▲4九角とする手が、龍と角が最大限に働いて詰むように見えます。


 ところが、3八に合駒を打たれると……

 ▲3八同角なら△3六玉で逃げられますし、▲3八同龍と取っても……
 △1六玉▲3六龍(失敗図)に

 △1五玉で捕まりません。


 第2図では、▲3六龍が巧手です。
 龍を捨てるのはもったいないようですが、△同とに▲4九角で……


 角2枚と銀1枚で頼りなく見えますが、詰んでいます。
 3六の“と金”が邪魔をして3六に逃げられないのがポイントです。

 それにしても、“龍が3筋や2八に強力に利いていること”より“3六に邪魔駒を置かせること”の方が重要とは……
 詰将棋(将棋)の面白さを、しみじみ感じさせる一作でした。


詰手順……▲2九銀△2七玉▲3六龍△同と▲4九角まで5手詰

 攻め駒の動きが、地下水を汲み上げる手動ポンプを思わせます。
コメント
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